2021年6月1日火曜日

梅雨なんだけど

今日から6月で梅雨が明けたよな青空。
暑いけど日陰は涼しいです。
こんな天気は長く続かないと思いますが…
再放送も終わったのだけど、きっとアンコール放送があるだろうなと思うのが
ドキュメント72時間「能登半島 桜咲く無人駅で

インタビューを受けていた皆さんが素晴らしかったです。
その中で小学校1年生に入学したばかりのお兄ちゃんが、妹が生まれた時に「さくら」と名づけたそうです。
お母さんが、桜はすぐに散るよと言ったら、葉っぱもきれいだよと答えたとのこと。
お母さんも子どもの言葉に感激しただろうなぁ!
花は盛(さか)りに、月は隈(くま)なきをのみ、見るものかは。…」(『徒然草』第137段)

仲良し3人組の女性たちが教えてくれた言葉「能登はやさしや土までも」。
 平野啓一郎さんのTwitterに

年季の入った落合ファンの僕は、試合後に記者からの質問を受けたくない事情をたちどころに幾つも想像でき、まったく驚いたりしないのだった。
プレーで魅了してくれれば十分です。
大坂さん、いつも応援してます。
無理しないで下さい。

霧裂けて十薬の花うづく径 (昭和16年)
(『定本原民喜全集Ⅲ』編集委員 山本健吉・長光太・佐々木基一 青土社 1978年)
昨日の記事、時間をおいて見直すと間違いがありました(^^ゞ

「その後私は妻死別れると」
の「と」を「は」と間違って転記していました。
他にも転記間違いや誤変換があると思います。
後日、原民喜の別の作品を転記したいと思います。

今日からは、4月のEテレ2355でトビーが

今週は、番組の最後に、本の一行目を紹介するやつをやるらしい。
続きが気になる→読みだす→徹夜。
げに恐ろしき番組なり。


と呟いていた夏目漱石の『夢十夜』を何回かに分けて転記したいと思いますφ(..)
今回も転記間違いがあると思いますm(__)m
  夢十夜
  第一夜


 こんな夢を見た。
 腕組みをして枕元に坐つて居ると、仰向(あふむき)に寝た女が、静かな声でもう死にますと云ふ。
女は長い髪を枕に敷いて、輪郭(りんくわく)の柔(やは)らかな瓜実顔(うりざねがほ)を其の中に横たへてゐる。
真白な頬の底に温かい血の色が程よく差して、唇の色は無論赤い。
到底死にさうには見えない。
然し女は静かな声で、もう死にますと判然(はつきり)云つた。
自分も確(たしか)に是れはしぬなと思つた。
そこで、さうかね、もう死ぬのかね、と上から覗き込む様にして聞いて見た。
死にますとも、と云ひながら、女はぱつちりと眼を開(あ)けた。
大きな潤(うるほひ)のある眼で、長い睫(まつげ)に包まれた中は、只一面に真黒であつた。
その真黒な眸(ひとみ)の奥に、自分の姿が鮮(あざやか)に浮かんでゐる。
(『漱石全集 第十六巻』夏目漱石 岩波書店 1956年)
 自分は透(す)き徹(とほ)る程深く見える此の黒眼の色沢(つや)を眺めて、是でも死ぬのかと思つた。
それで、ねんごろに枕の傍(そば)へ口を付けて、死ぬんぢやなからうね、大丈夫だらうね、と又聞き返した。
すると女は黒い眼を眠さうに睜(みは)つた儘、矢張(やつぱ)り静かな声で、でも、死ぬんですもの、仕方がないわと云つた。
 ぢや、私(わたし)の顔が見えるかいと一心(いつしん)に聞くと、見えるかいつて、そら、そこに、写つてゐるぢやありませんかと、にこりと笑つて見せた。
自分は黙つて、顔を枕から離した。
腕組をしながら、どうしても死ぬのかな思つた。
 しばらくして、女が又かう云つた。
 「死んだら、埋(う)めて下さい。大きな真珠貝で穴を掘つて。さうして天から落ちて来る星の破片(かけ)を墓標(はかじるし)に置いて下さい。さうして墓の傍(そば)の待つてゐて下さい。又逢ひに来ますから」
 自分は、何時(いつ)逢ひに来るのかねと聞いた。
 「日が出るでせう。それから日が沈むでせう。それから又出るでせう。さうして又沈むでせう。――赤い日が東から西へ、東から西へと落ちて行くうちに、――あなた、待つてゐられますか」
  自分は黙つて首肯(うなづ)いた。
女は静かな調子を一段張り上げて、
 「百年待つてゐて下さい」と思ひ切つた声で云つた。
 「百年、私の墓の傍(そば)に坐つて待つてゐて下さい。屹度(きつと)逢ひに来ますから」
 自分は只待つてゐると答へた。
すると、黒い眸(ひとみ)のなかに鮮(あざやか)に見えた自分の姿が、ぼうつと崩れて来た。
静かな水が動いて写る影を乱した様に、流れ出したと思つたら、女の眼がぱちりと閉ぢた。
長い睫(まつげ)の間から涙が頬へ垂れた。
――もう死んで居た。
 自分は夫(そ)れから庭へ下りて、真珠貝で穴を掘つた。
真珠貝は大きな滑(なめら)かな縁(ふち)の鋭(する)どい貝であつた。
土をすくふ度に、貝の裏に月の光が差してきらきらした。
湿つた土の匂もした。
穴はしばらくして掘れた。
女を其の中に入れた。
さうして柔らかい土を、上からそつと掛けた。
掛ける毎(たび)に真珠貝の裏に月の光が差した。
 それから星の破片(かけ)の落ちたのを拾つて来て、かろく土の上にへ乗せた。
星の破片(かけ)は丸かつた。
長い間大空を落ちてゐる間(ま)に、角(かど)が取れて滑(なめら)かになつたんだらうと思つた。
(だ)き上(あ)げて土の上へ置くうちに、自分の胸と手が少し暖くなつた。

  自分は苔(こけ)の上に坐つた。
是から百年の間かうして待つてゐるんだなと考へながら、腕組をして、丸い墓石(はかいし)を眺めてゐた。
そのうちに、女の云つた通り日が東から出た。
大きな赤い日であつた。
それが又女の云つた通り、やがて西へ落ちた。
赤いまんまでのつと落ちて行つた。
一つと自分は勘定した。
 しばらくすると唐紅(からくれなゐ)の天道(てんたう)がのそりと上(のぼ)つて来た。
さうして黙つて沈んで仕舞つた。
二つと又勘定した。
 自分はかう云ふ風に一つ二つと勘定して行くうちに、赤い日をいくつ見たか分らない。
勘定しても、勘定しても、しつくせない程赤い日が頭の上を通り越して行つた。
それでも百年がまだ来ない。
仕舞には、苔の生えた丸い石を眺めて、自分は女に欺されたのではなからうかと思ひ出した。
 すると石の下から斜(はす)に自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。
見る間に長くなつて丁度自分の胸のあたり迄来て留まつた。
と思ふと、すらりと揺(ゆら)ぐ茎の頂(いたゞき)に、心持首を傾(かたぶ)けてゐた細長い一輪の蕾が、ふつくらと弁(はなびら)を開いた。
真白な百合(ゆり)が鼻の先で骨に徹(こた)へる程匂つた。
そこへ遙(はるか)の上から、ぽたりと露が落ちたので、花は自分の重みでふらふらと動いた。
自分は首を前へ出して冷たい露の滴(したゝ)る、白い花弁(はなびら)に接吻(せっぷん)した。
自分が百合から顔を離す拍子に思はず、遠い空を見たら、暁(あかつき)の星がたつた一つ瞬(またゝ)いてゐた。
 「百年はもう来てゐたんだな」と此の時始めて気が付いた。

注解
のつと  ぬっと。芭蕉に「むめがゝにのつと日の出る山路かな」の句がある。

(『漱石全集 第十六巻』夏目漱石 岩波書店 1956年)
昨日、父が足を滑らせた場所を見に行きました。
斜面にタイサンボクの枯れ葉が一杯落ちていて、滑りやすくなっていました。 
私も、今まで何度か、落ち葉や花びらに滑ったり、霜が降りている場所で滑ったりしたことがあります。
山を歩いていたころは、いろんなところで滑り、転倒しました。
これからは、骨が弱くなっているので今まで以上に注意しないと!

午後から父を乗せてワクチン接種会場に向かいました。
妹に付き添ってもらいました。
昨日、その話をするといらないと言ったのですが、右肩を痛めているし、耳も遠いので付き添うことを認めてもらいました。
行ってもらってよかったです。
というのは、担当の方がマスクをしているので聞き取りにくい。
妹が一緒に聞いてくれたのでスムーズに接種できたようです。
妹にとっても事前の下見ができたのでよかったです(^_^)v