巻第十 物名 455 兵衛
なし なつめ くるみ
あぢきなし嘆きなつめそ憂きことにあひくる身をば捨てぬものから どうにもならないことだ。
嘆きを詰め込み,思い詰めることはない。
つらいことに逢ってきたわが身を捨てることはしないのだから。
○初句 「なし(梨)」を詠み込む。
○なつめそ 「な詰めそ」に「なつめ(棗)」を詠み込む。
○あひくる身 「くるみ」を詠み込む。
▽二句は,他人をいさめる意味とも,自らに言い聞かせる意味ともとれる。
(『
新版 古今和歌集』)
カタツムリはかわいいが,ナメクジは気味がわるい,といわれる。
それはカタツムリには殻があってすこし乾燥してきたら殻の中にひっこみ,
入り口に薄い膜を張ってしまえばよいのに,
ナメクジは粘液だけをたよりに乾燥と闘わねばならず,
いきおい粘液の分泌量が多いためでもあろう。
鳥もナメクジをきらい,そのためナメクジに擬態しているイモムシもあるくらいだ。
けれどナメクジは自分の家を決めていて,
たいていそこへ戻ってくるなど,なかなか殊勝なところもある。(『四季の博物誌』荒垣秀雄編/朝日文庫)
天敵に見つかって襲われると,イモムシは身を守るために決まった動作をするものが多い。
人がつついても反応するのでためしてみよう。
多いのはとぐろを巻いたように丸くなる種類で,さらにいじめると体から汁を出したり,
地面に落ちたり,体を振って暴れるものもいる。
他には,体を反り返らせてブルブルふるわせるものや,体の一部分をふらまし,
そこにある目玉もようを見せびらかすもの,角のような突起をニュッと出したり,
くさい匂いをふりまくものもいる。
また,口から出した糸にぶら下がって,スーッと下に降りていく種類もいる。(『
虫のおもしろ私生活』)
親スズメが連れている子スズメの数は,
商用地では,1.41羽,住宅地では1.81羽,農村地では2.13羽と違いがありました。
農村では2羽や3羽の子スズメをよく見かけるのに対し,
町中,特に商用地では,ほとんどの場合,
親スズメは子スズメは1羽しか連れていないのです。
つまり,スズメの少子化が起きているのです。
では,なぜ街中ではスズメの少子化が起きているのでしょうか。
あくまで推測ですが,やはり,町中ほどエサが少ないことが理由だと考えられます。
たとえば,得られるエサが少ないので,
親鳥はそもそも卵を産む数を減らしているのかもしれません。
または孵化(ふか)したヒナが親鳥から十分にエサをもらえないで,
死んでしまうのかもしれません。
さらに巣立ったあとも,エサが少ないためにエサ探しに必死になって,
その隙に,タカやカラス,ネコたちに襲われて,死んでしまうのかもしれません。
これについては,今後確かめなくてはいけない問題です。(『
スズメの謎』)
(抜粋して引用しています)
バードリサーチ「
子雀ウォッチ」が参考になります(*^O^*)/
幼いスズメにとって昨夜の雨はつめたかっただろうな…
ハナザクロ
こころ
こころをばなににたとへん
こころはあぢさゐの花
ももいろに咲く日はあれど
うすむらさきの思ひ出ばかりはせんなくて。
こころはまた夕闇(ゆふやみ)の園生(そのふ)のふきあげ
音なき音のあゆむひびきに
こころはひとつによりて悲しめども
かなしめどもあるかひなしや
ああこのこころをばなににたとへん。
こころは二人の旅びと
されど道づれのたえて物言ふことなければ
わがこころはいつもかくさびしきなり。(『萩原朔太郎詩集<愛蔵版>』白凰社 昭和45年)
梅雨の時期になると,赤や青色のアジサイ
(アジサイ科ガクアジサイの園芸品種)の花が,
私たちの目を楽しませてくれます。
アジサイの花の外側にある色鮮やかで
目立つ4枚の花びらに見るものは,じつは萼(がく)です。
アジサイの萼は,目立つ色や形をして昆虫を
引きつける役割をしています(装飾花(そうしょくか))。
ちなみに,ガクアジサイの萼片も枯れても落ちません。(『
観察する目が変わる 植物学入門』)
来て見れば夕(ゆふべ)
の桜実(み)
となりぬ【意訳】桜の花がランマンと咲き誇っていたのも,ついこの間のような気がする。
この夕暮れ,何気なくまたその桜の木がに来てみると,
青々と茂った葉の間に,無数の紅い小粒な実が垂れ下がっていた。
(『与謝蕪村の鑑賞と批評』清水孝之/明治書院 昭和58年)
扉のまえにさかさに薔薇をさげ持ちてわれあり夜は唇熱く(『寺山修司全歌集』沖積舎 昭和58年)
昨夜のダーウィンが来た!「
歌って踊る! “世界一美しい”クモ」
Kazeの好きな
ハエトリグモの仲間の中でもピカイチです(^_^)b
オーストラリアの地元の人が気がつかないほど小さくて可愛いです。
小さい上に動きが素早くて,なかなか出会えません!
明日,午後4時20分から再放送があります。
ゆき昏れてわれと野にある花いばら(『
句集 春雷』)