1年の半分が終わりました。
ハラビロカマキリの子どもに出会いました。
セミの声も聞こえてきたのですが、姿を確認することはできませんでした。
おお-はらえ【大祓】
古来、六月と十二月の晦日（つごもり）に、親王以下在京の百官を朱雀門前の広場に集めて、万民の罪や穢（けがれ）を祓った神事。
現在も宮中を初め全国各神社で行われる。
中臣の祓。みそぎはらえ。おおはらえ。＜［季］夏＞＜［季］冬＞
（『広辞苑 第六版』岩波書店 2008年）
この時期に疫病が流行るので夏越祓などが行われます。
疫病（新型コロナ）がおさまったら行きたかったのが八坂神社（2016年6月30日の記事）
半年ごとに、その身にたまった罪や穢れを清める行事、大祓。
紙の人形（ひとがた）に息を吹きかけ穢れ災いを移し川に流したり、大きな茅の輪を潜って災いを退け健康を祈願します。
六月の「夏越の祓」と十二月の「年越しの祓」があります。
「水無月（みなづき）の夏越の祓する人は、千歳の命延ぶというなり」
（『京都のいちねん――私の暮らしの約束ごと』小林由枝 祥伝社 令和元年）
京都では夏越祓の日、六月三十日に「水無月」を食べます。
月の名前を冠した和菓子。
白い外郎（ういろう）に朱い小豆（あずき）。
暑気を祓う氷に邪気を払う小豆、といった意味でしょうか。
年に一度、一年のちょうど折り返しに口にして、ほっとする味です。
（『京都のいちねん――私の暮らしの約束ごと』小林由枝 祥伝社 令和元年）
清水寺に来れる女の懺悔（ざんげ）
――その紺（こん）の水干（すいかん）を着た男は、わたしを手ごめにしてしまうと、縛（しば）られた夫を眺めながら、嘲（あざけ）るように笑いました。
夫はどんなに無念だったでしょう。
が、いくら身悶（みもだ）えをしても、体（からだ）じゅうにかかった縄目（なわめ）は、一層ひしひしと食い入るだけです。
わたしは思わず夫の側へ、転（ころ）ぶように走り寄りました。
いえ、走り寄ろうとしたのです。
しかし男は咄嗟（とっさ）の間（あいだ）に、わたしをそこへ蹴倒（けたお）しました。
丁度その途端（とたん）です。
わたしは夫の眼の中に、何とも言いようのない輝きが、宿っているのを覚（さと）りました。
何とも言いようのない、――わたしはあの眼を思い出すと、今でも身震（みぶる）いが出ずにはいられません。
口さえ一言（いちごん）も利（き）けない夫は、その刹那（せつな）の眼の中に、一切の心を伝えたのです。
しかしそこに閃（ひらめ）いていたのは、怒りでもなければ悲しみでもない、――ただわたしを蔑（さげす）んだ、冷たい光だったではありませんか？
わたしは男に蹴られたよりも、その眼の色に打たれたように、我知らず何か叫んだぎり、とうとう気を失ってしまいました。
（『芥川龍之介全集 第六巻』伊藤 整、吉田精一編 角川書店 昭和43年）
跡にはただ杉の根がたに、夫が縛られているだけです。
わたしは竹の落葉の上に、やっと体を起こしたなり、夫の顔を見守りました。
が、夫の眼の色は、少しもさっきと変りません。
やはり冷たい蔑みの底に、憎しみの色を見せているのです。
恥しさ、悲しさ、腹立たしさ、――その時のわたしの心のうちは、何と言えばよいかわかりません。
わたしはよろよろ立ち上りながら、夫の側へ近寄りました。
それでも夫は忌（いま）わしそうに、わたしを見つめているばかりなのです。
わたしは裂（さ）けそうな胸を抑えながら、夫の太刀（たち）を探しました。
が、あの盗人（ぬすびと）に奪われたのでしょう、太刀はもちろん弓矢さえも、藪の中には見当りません。
しかし幸い小刀（さすが）だけは、わたしの足もとに落ちているのです。
わたしはその小刀を振り上げると、もう一度夫にこう言いました。
「ではお命を頂かせて下さい。わたしもすぐにお供します」
夫はこの言葉を聞いた時、やっと脣（くちびる）を動かしました。
もちろん口には笹の落葉が、一ぱいつまっていますから、声は少しも聞こえません。
が、わたしはそれを見ると、たちまちその言葉を覚りました。
夫はわたしを蔑んだまま、「殺せ」と一言（ひとこと）言ったのです。
わたしはほとんど、夢うつつのうちに、夫の縹（はなだ）の水干の胸へ、ずぶりと小刀を刺し通しました。
わたしはまたこの時も、気を失ったのでしょう。
やっとあたりを見まわした時には、夫はもう縛られたまま、とうに息が絶えていました。
その蒼ざめた顔の上には、竹に交（まじ）った杉むらの空から、西日が一すじ落ちているのです。
わたしは泣き声を呑（の）みながら、死骸の繩を解き捨てました。
そうして、――そうしてわたしがどうなったか？
それだけはもうわたしには、申し上げる力もありません。
とにかくわたしはどうしても、死に切る力がなかったのです。
小刀を喉に突き立てたり、山の裾（すそ）の池へ身を投げたり、いろいろなこともしてみましたが、死に切れずにこうしている限り、これも自慢にはなりますまい。（寂しき微笑）
わたしのような不甲斐（ふがい）ないものは、大慈大悲の観世音菩薩（かんぜおんぼさつ）も、お見放しになすったのかも知れません。
しかし夫を殺したわたしは、盗人（ぬすびと）の手ごめに遇ったわたしは、一体どうすればよいのでしょう？
一体わたしは、――わたしは、――（突然烈しき歔欷＜すすりなき＞）
（『芥川龍之介全集 第六巻』伊藤 整、吉田精一編 角川書店 昭和43年）
もちろん口には笹の落葉が、一ぱいつまっていますから、声は少しも聞こえません。
が、わたしはそれを見ると、たちまちその言葉を覚りました。
夫はわたしを蔑んだまま、「殺せ」と一言（ひとこと）言ったのです。
わたしはほとんど、夢うつつのうちに、夫の縹（はなだ）の水干の胸へ、ずぶりと小刀を刺し通しました。
やっとあたりを見まわした時には、夫はもう縛られたまま、とうに息が絶えていました。
その蒼ざめた顔の上には、竹に交（まじ）った杉むらの空から、西日が一すじ落ちているのです。
わたしは泣き声を呑（の）みながら、死骸の繩を解き捨てました。
そうして、――そうしてわたしがどうなったか？
それだけはもうわたしには、申し上げる力もありません。
とにかくわたしはどうしても、死に切る力がなかったのです。
小刀を喉に突き立てたり、山の裾（すそ）の池へ身を投げたり、いろいろなこともしてみましたが、死に切れずにこうしている限り、これも自慢にはなりますまい。（寂しき微笑）
わたしのような不甲斐（ふがい）ないものは、大慈大悲の観世音菩薩（かんぜおんぼさつ）も、お見放しになすったのかも知れません。
しかし夫を殺したわたしは、盗人（ぬすびと）の手ごめに遇ったわたしは、一体どうすればよいのでしょう？
一体わたしは、――わたしは、――（突然烈しき歔欷＜すすりなき＞）
（『芥川龍之介全集 第六巻』伊藤 整、吉田精一編 角川書店 昭和43年）
つづく…
父さんは、画像の印刷をリクエストしなかったのですが(^_-)
なんかハート形に見える！
〝「ワクチン2回受けたのに感染、私は運が悪かった？」 BBC司会者が専門家に聞く〟（BBC 6月29日）
「ブレイクスルー感染」が想定されているそうです。
ワクチンを接種しても感染、発病はするのですから
オリンピックを開催したら東京オリンピック由来の変異株が発生するかもしれませんね。
Npguchi AkioさんのTwitterに
6月30日(水)の東京都における新規感染者報告数は714人でした。
週平均の対前週比は120%です。
先週の水曜日は619人だったので単位人口当たりの週累計が増加し26.57人になりました。
ステージ４に再突入です。
数日間はギリギリで踏ん張ったのですが、本日は700人台を突破してしまいましたからね
データーの画像（ 1 、 2 、 3 、 4 ）
そして、本日のL452R変異株PCRの陽性件数は55件でした。
陽性率は約17％です絶叫した顔また累計は349件になりました。
ここからは置換スピードが上がって行くと思いますよ。
ロジスティック関数的に置換すると考えるとね。
まずいよホント
L452R変異株PCRの陽性件数の表（6月30日16時45分時点）
