2018年10月11日木曜日

曇り時々雨…

曇り空で肌寒さを感じる朝でした。
11日は朝よりも夜のほうがひんやりしそう」と
気象予報の坂下恵理さんが「えりの気象日記」(10日付)で書いてくれているように
夜になり小雨が降っていっそう寒くなりました。
10月8日の記事に【禁止令まで出た双六の流行】を紹介して
「『今昔物語集』悪行篇では、これがもとでの通りすがりの殺人事件まで書かれている。」
と転記しましたが、今昔物語の現代語訳を転記したいと思います。
  上総守維時郎等(かみつさのかみこれときのらうどう)
       打双六被突殺語すぐろくをうちてつきころさるること)第三十(だいさむじふ)

 今は昔、上総守平維時朝臣(かずさのかみたいらのこれときあそん)という者がおった。
これは〔維将〕の子であるから、名うての武士である。
だから、公私にわたっていささかも不安に思われる点がなかった。
 ところが、その郎等に、名はわからぬが通称大紀二(だいきに)という者がおった。
維時の配下には数多くの郎等がいたが、
その中でもこの大紀二は並ぶ者のない武士であった。
背が高く、風貌堂々として、力が強く足早く、
肝っ玉も太く思慮もあって二人とない腕利きである。
そこで、維時はこの男を第一の郎等として使っていたが、
塵ほども不覚をとったことはなかった。
(『今昔物語 四 日本古典文学全集24
       馬淵和夫他校注・訳者 小学館 昭和51年)
ある日、維時の家でこの大紀二が同僚と双六を打っていると、
みずぼらしい様子の、鬢(びん)の毛をぼさぼさにふくらませた小男の侍が
盤のそばにすわって見ていた。
さて、大紀二の相手がよい目を打ち、それに対して大紀二が考えあぐねていると、
この小男が、「こう引いたらいかが」とよい手の助言をした。
とたんに、大紀二は烈火のごとく怒り、「愚か者のさい出口はこうしてやる」と言って、
賽筒の尻で小男の目の縁を力一杯突いた。
小男は突かれて涙を流しながら、立つと見るや、
やにわに大紀二の顔をあおのけざまに突き上げた。
大紀二は強力の男だが、思いもかけぬこととて、あおのけに倒れたところを、
小男は自分で刀を持っていなかったので、
大紀二が腰に差していた刀を押し伏せたまま引き抜き、
大紀二の乳の上をこわごわ一寸ほど突き刺した。
そして、刀を手にさげたままそのからだの上から踊るように逃げて行った。
これを見ていた双六相手も〔茫然とし〕て、どうともすることができなかったので、
そのまま逃げ去った。
(『今昔物語 四 日本古典文学全集24
       馬淵和夫他校注・訳者 小学館 昭和51年)
大紀二は急所を突かれたので、二度と起き上がれず、そり返って死んでしまった。
その時になって、家じゅうの者が大騒ぎをして小男を捜し回ったが、
どうして、そこらにいるはずがあろうか。
跡をくらまして失踪してしまったので、どうすることもできずに終わった。
思うにこの小男は、力をはじめすべて大紀二の爪の先にもあたらぬものであったが、
それを侮ったがために、大紀二はこうもだらしなく、
ただ一刀のもとに、一声も立て得ず突き殺されたのだ。
そこで、主人をはじめ家の者共が驚愕し騒ぎ合ったが、
この小男の行く方は杳(よう)としてわからずじまいだった。
主人の維時はひどく残念がって嘆いた。
(『今昔物語 四 日本古典文学全集24
        馬淵和夫他校注・訳者 小学館 昭和51年)
大紀二は名うての武士であったが、油断したのがまことにまずいことであった。
あのように目の縁をひどく突かれては、男たるもの、憤慨せずにいられるわけはない。
それを考えずに突き殺されたのだから、やはり人を侮るのはよくないことだ、
とこれを聞く人は大紀二を非難し合った、とこう語り伝えているということだ。
(『今昔物語 四 日本古典文学全集24
        馬淵和夫他校注・訳者 小学館 昭和51年)
ここで出てくる双六は、絵すごろくとは違います。
盤双六であそんでみよう!
タネのような果実もある
 ジューシーで〝果実的〟な種子があるのなら、
その逆に、堅くて〝種子的〟な果実があったってかまわないことになる。
そして、それがドングリなのだ。
 ドングリを割ってみたことがあるだろうか。
まず、一番外側に堅い殻(から)状のものがある。
この中に水気(みずけ)のある「身」が入っていて、この「身」は二つに割れる。
そしてこの身と殻の間に渋皮(しぶかわ)が一枚はさまっている。
ドングリをわったことがなくても、同じブナ科のクリも同じような作りだ。
クリごはんを作る時、この殻むきと渋皮はぎは、なかなか厄介な仕事だ。
「甘栗」として売られているクリは中国産のアマグリで、
これは渋皮の離れやすい特徴を持っている。
いずれにせよ、この殻と渋皮の二重構造が
「ドングリは果実か種子か」の答えのヒントになっている。
(『ドングリの謎 拾って、食べて、考えた』盛口満 どうぶつ社 2001年)
ドングリは被子(ひし)植物。
ただし、子房が変化した、いわゆる果実部分は一番外側の堅い殻一枚なのだ。
だから、一見全体が種子のように見えてしまう。
乾燥して堅くなったそうしたドングリやクリのつける果実を堅果(けんか)という。
(…略…)
(『ドングリの謎 拾って、食べて、考えた』盛口満 どうぶつ社 2001年)

ドングリは実?それとも種?」(動画)
自然現象理解の難しさ
(…略…)

自然現象には解明できなことが多々あります。
 その理由の1つには、地球の時間、空間的スケールが大き過ぎることが挙げられます。
これとも関連して、自然科学の中でも、
地球に関する現象の再現が極めて困難であることも理由です。
ほとんどの自然景観は、人間が地球上に存在しなかった時代に形成されたものであり、
解明できたことも多くありますが、
依然として仮説の域を出ないことも珍しくありません。

(…略…)

 いつ地震が発生するのか、いつ火山が噴火するのか、
を正確に予測することの難しさは、いつの時代でも変わりません。
自然現象に備えるには、「想定外を想定する」。
矛盾を含む言葉ですがこれが真実です。
(『絵でわかる日本列島の地震・噴火・異常気象』藤岡達也 講談社 2018年)

「想定外」という言葉を免罪符のように使う、指導者や経営者がいます。
日本の不幸は、こういう指導者や経営者がめさきの利益ばかりを考えて
これまで積み上げてきた先人の知恵や長期的な展望を持たないことです。
この本は、「絵でわかる」とありますように図や写真が理解を助けてくれます。
地震に関連した災害
 中越地震と熊本地震の罹災者には、よく似た症状が見られました。
「エコノミークラス症候群」(静脈血栓塞栓症)です。
同じ姿勢で長時間いると、血管の中に血の塊、つまり血栓が生じます。
これが肺動脈などに詰まると、最悪の場合、死亡することもあります。
飛行機のエコノミークラスなど、狭い座席に長時間座っていると
発症しやすいことからこのように呼ばれています。
被災地においてエコノミークラス症候群が生じるのにはいくつかの要因があります。
(『絵でわかる日本列島の地震・噴火・異常気象』藤岡達也 講談社 2018年)
被災地では、学校や公民館などの避難所も人で溢れかえります。
また、余震が多くなると、本震で損傷した建物に入ることが不安になり、
自家用車内などに避難し、睡眠などをとるようになります。
ただ、エコノミークラス症候群は狭い車中で、
長時間滞在するだけで起こるのではありません。
本震やその後の繰り返される余震によるストレス、
ライフライン喪失による飲料水の不足、
さらにトイレ事情が悪いなどの理由で水分を控えることによって、
脱水による血液の濃縮から血栓の危険性が高まるのです。
血栓は普通の生活状態でしたら、ほとんどの場合は消失します。
しかし、血栓を生じやすい人が避難して車中泊をすることで、
血栓が増大してエコノミークラス症候群になると考えられています。
中越地震以降も、熊本地震では、
51人が入院を必要とするエコノミークラス症候群を発症し、
そのうち重傷は5人で、1人が亡くなっています。
(『絵でわかる日本列島の地震・噴火・異常気象』藤岡達也 講談社 2018年)
エコノミークラス症候群を含めて、
災害関連死という言葉を耳にするようになってきました。
熊本地震では、震災による犠牲者は200名を超えましたが、
そのうち75%以上が震災関連死に数えられています。
一般的には、災害関連死とは、自然災害の被害に遭い、
災害弔慰金の支給対象となる場合を指しています。
阪神淡路大震災後から認められるようになりました。
(『絵でわかる日本列島の地震・噴火・異常気象』藤岡達也 講談社 2018年)

こんなニュースがありました。
被災地支援の液体ミルク使われず 東京都が千本提供 道、各町に「利用控えて」
(北海道新聞 9月23日付)

一方、こんな記事もあります
パパとママ大丈夫? 赤ちゃんの避難」(シュト子の防災ナビ 9月21日付)

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