2022年1月27日木曜日

曇り空から

初めは曇り空でしたが、次第に青空が見えてきました。
今日から大阪も
大阪・兵庫・京都「まん延防止」適用 大阪では期待と疑問の声〟(関西NHK)
公園で久しぶりに出合った方が、お孫さんが感染したようで
2週間自宅隔離していて、今日久しぶりに散歩に出ることができたと話していました。

自宅療養者支援サイト(自宅療養されるみなさまへ)」(大阪府)

休校・休園相次ぐ 保護者の有休取得支援制度 国が利用呼びかけ」(NHK 1月26日)

大阪府が発表している
新型コロナウイルス感染症患者の発生状況について
を見ていても1月21日に基礎疾患がない40代の男性が亡くなっている(1月26日付)。
感染力強いオミクロン株の別系統、国内でも検出「警戒が必要」〟(読売新聞)

1956年に出た古い本で品切れですが、新型コロナの今後を考えるヒントになると思います。

第二部 ウイルス病の種々相 第三章 インフルエンザの諸相」より
……
 一体、変異――少々大胆に突然変異という生物学上ハッキリ規定される言葉をここで用いてもよいでしょうが――の現象がウイルスにつきものと言ってもよいほどしばしば観察されるのは、よく知られた事実です。…… 


第三部 ウイルスとは何か 第一章 ウイルス病とウイルス」より

……短い間にきわめて多数の世代を重ねる微生物にあっては、高等の動植物と比べて変異現象の観察される頻度がずっと高いことは当然と言うべきでしょう。……
『生物と無生物の間――ウイルスの話』川喜田愛郎 岩波新書 1956年)
 第二部 ウイルス病の種々相
  第三章 インフルエンザの諸相

……
 インフルエンザ・ウイルスの変異の問題と関連して思い出されるのは、前に一言した1918年の世界的大流行です。
 最初に述べた1890年の大流行があった後、インフルエンザはヨーロッパ各地で燻(くす)ぶりつづけておりました。
ところで1918年の春、西フランスではじまったインフルエンザはスペインに入り、そこではじめて人の注意を惹くほどの流行となりましたが、やがてその「スペインかぜ」は急速に世界各地にひろまり、秋ごろから目立って悪性の病気となって、遂に流行病の歴史に残る大事件となったのでした。
それはニューカレドニア、ニューギニア、その他あちこちの島々を除く世界全体を覆い、日本も当然それを免れませんでした。
御記憶の方も少なくないと思います。
 その流行はまことに激甚で、地域によっては住民のすべてが罹患してほとんど50%が死亡したとも伝えられ、全世界ではおよそ2千5百万人の死者を出したと見積られています。
 一体、感染病、流行病の問題には当然宿主側の要素――特に免疫――、あるいは地理的、気象学的、社会的条件等を考慮しなければならないはずで、それを一方的に病原体の側から眺めることの誤りは言うまでもないことですが、ことここに至ると、どうしてもウイルスに何かの変異が突如としておこったと考えざるをえないでしょう。
それはインフルエンザ・ウイルスの病原性――この漠然とした言葉は学問的には解析を要するにしても――の変異と考えるのが妥当のようですが、もしかしたら、性質の異なった二つのインフルエンザ・ウイルスの「交配」による新種の出現と考える可能性がないでもないようです。
 はなはだ唐突にきこえるに違いないこの種の考え方は実は最近ウイルス学の発見したいろいろの事実――時に俗っぽくウイルスの有性生殖などと言われますがそれは必ずしも当りません――に照らして別に無稽な想像でもないのですが、それらの問題は第三部まで残しておくことにしましょう。
 1918年の大流行の病原は、今日われわれがインフルエンザAと名づけるウイルスの一種であることは、多くの人々のほぼ一致した意見ですが、それがどうしてあのような激烈な性質を獲得したか、またどうして再び比較的穏やかな現在のそれに落ち着いたかについては結局納得のいくような説明が今のところ見当たらないわけです。
いずれにしてもその問題の究明は、あるいはいつかもう一度繰り返されるかもしれない第三次の大流行の対策にははなはだ重要な資料となるに違いないでしょう。
(『生物と無生物の間――ウイルスの話』川喜田愛郎 岩波新書 1956年)

つづく…
今朝の父の一枚です(^^)v

翡翠[かわせみ]
……
 カワセミという言葉の語源は案外複雑で、奈良時代には「そに」または「そにとり」と呼ばれていました。
この「そに」が、時代とともに「そび」「せび」「せみ」へと徐々に変化し、室町時代には川にいる「せみ」を意味する「かわせみ」となったようです。
 奈良時代の「そにとり」という語は、じつはもうひとつの変遷を遂げます。
「そに」も「そにとり」も青緑色をした鳥という意味だったのですが、その色を指す「そにとりいろ」が転じて「みどりいろ」になったのです。
 緑色は日本語において、カワセミの色だったというわけです。
「みどり」は元来、瑞々(みずみず)しさを表す語で、それが新芽の意味に変わったというのが通説ですが、それでは「みどり」という音の説明にはなりません。
その点、「そにとり」が「みどり」に変化したという説には説得力があります。
……
(『日本野鳥歳時記』大橋弘一 ナツメ社 2015年)