夏休み子ども科学電話相談に
「Q.どうしてお花は枯れるのですか?」
あさの間は空にしられぬ暑さ哉 千代尼句集
(『古典文学大系13 中興俳諧集』
鳥居清 山下一海校注/集英社 昭和45 年)
これまでは8時前でも30℃を超えていたけど
今朝は,いつも首に保冷剤を巻いていましたが,巻かずに歩きましたp(^-^)q
ヒオウギがまだ開いていないなと思っていると
風が吹いたら開いた(^。^)
風で揺れたので被写体ブレになっているけど
風のおかげでさらに
開花時刻の決まっている植物たちは,刺激により,
主に三つのグルー プに分けられます。
一つ目は,開花直前に気温の上がることが刺激となる植物,
二つ目は, 開花直前に明るくなることが刺激となる植物,
三つ目は,開花の直前に は気温の上昇や光条件の変化がなくても,
つぼみが開きはじめる植物 たちです。
(『植物は命がけ』)
袴暑し金を集めて街ゆけば
「京大俳句」の責任者平畑静塔に「春雷や人を恃まず街ゆけば」の句がある。
作者は馬酔木の売上金を集める為,毎月五日には大取次店を廻って歩いた。
(『波郷句自解』)
萼は濃い紅に輝き,星の形に開く。
その中心に小豆大の実が浅葱色から青を経て藍色に熟し,宝石のように光る。
鮮やかな色の対比。
「二色効果」で鳥の目を引き,食欲を誘っておなかにおさまり,
タネを新天地に落としてもらおうというわけだ。
青い果汁に満ちた実の中には1~4個のタネが入っている。
落ちた場所が先客の植物におおわれていたりすれば,タネは土の中で眠って待つ。
そして土の温度の変化から空き地になったことを察知すれば,すぐさま芽を出す。
空き地に真っ先に育つ植物を「パイオニア植物」と呼ぶが,クサギはその代表種である。
(『野に咲く花の生態図鑑』)
寝る外(ほか)に分別(ぶんべつ)はなし花木槿(むくげ)
焦点を定めがたいような、輪郭の茫としている木槿の花に見入っているうつろな心。
夢のない眠りより外、欲し得ない行きつまった境地。
(『(『蕪村集 一茶集 日本古典文学大系58』
暉峻康隆 川島つゆ校注者/岩波書店 1959年』)
百日紅
安西冬衛
濃い浅葱(あさぎ)の空をかがつて、百日紅が艶(あで)なる臙脂(えんじ)の華文(けもん)を綴つた。
夏はそぞろに花の頭(ほとり)に来てたゆたい、たゆたいながらおもむろに立去つた。
旧い屋敷の頽れた土塀の中に、花は年年乏しくなり勝(まさ)り、吝かながらも年毎に老いた梢に臈(ろう)たい繍(ぬい)を忘れなかつた。
その邸には波斯(ペルシャ)の古陶の釉(くすり)を思わせる貴(あて)なる三人の娘と一人の男の子をもつた人が棲んでいつた。
長女は大きい湖のほとりのレーヨン工場の技師に。
仲の娘は中都市の城址にある地方裁判所の検事正に。
そして三女は小さな轆轤(ろくろ)で陶(すえ)の器(うつわ)を創る工匠に、それぞれ氏を変えて他国の人になつていつた。
あとにはひとりの季(すえ)の男の子が老いた両親と静かな旦暮(あけくれ)を過ごしていた。
独りの息子の中学生は、夏の永い日の懶(ものう)い午後など、ラケットを持ち出して土塀にボール打などしてつれづれを嘆(かこ)つたりした。
或る年の晩夏、その子はいわれの知れないかりそめの熱に冒されて深い眠りに憑かれ、再び目醒めることもなくはかなくなつてしまつた。
永い別れの式が営まれた日には、ふだんは遠く離(さかり)に住んでいる姉妹たちもその夫達と久々でこの邸に打ち集つた。
寂しいことではあつたけれど、愛しいまどいが明るい宵の灯の下に設けられた。
青紫蘇(あおじそ)をあしらつた鱧(はも)のあらいに琥珀(こはく)のビールが白い泡をふきこぼすさざめきの束の間の間(ひま)。
彼等はこうして又遠くへ別れ別れに去つていつた。
あとには、ひつそりとした旦暮が前にもまして寂しく残された人達の上につづいた。
こういう光陰のたゆたいの中で、百日紅は寧夏(ニンシャ)の絨毯の華文のように艶(あで)にして愛(かな)しい彩(いろどり)をたゆたえていた。
*臙脂 べに色。
*華文 花模様。
*臈たい繍 うつくしい縫いとり。
*さざめきの束の間 わずかな瞬間のにぎわい。
*寧夏 支那西域の都。
*たゆたえていた ゆらゆらとただよっていた。
(『日本の詩歌25』)
主に三つのグルー プに分けられます。
一つ目は,開花直前に気温の上がることが刺激となる植物,
二つ目は, 開花直前に明るくなることが刺激となる植物,
三つ目は,開花の直前に は気温の上昇や光条件の変化がなくても,
つぼみが開きはじめる植物 たちです。
(『植物は命がけ』)
センニンソウ(キンポウゲ科)
ガガイモの果実がなっていました。袴暑し金を集めて街ゆけば
「京大俳句」の責任者平畑静塔に「春雷や人を恃まず街ゆけば」の句がある。
作者は馬酔木の売上金を集める為,毎月五日には大取次店を廻って歩いた。
(『波郷句自解』)
「バッタの育ち方」(動画)
脱皮ですごいなと思うのは,角膜まで脱いでいる(°0°)
シジュウカラ♂
実は秋に熟す。萼は濃い紅に輝き,星の形に開く。
その中心に小豆大の実が浅葱色から青を経て藍色に熟し,宝石のように光る。
鮮やかな色の対比。
「二色効果」で鳥の目を引き,食欲を誘っておなかにおさまり,
タネを新天地に落としてもらおうというわけだ。
青い果汁に満ちた実の中には1~4個のタネが入っている。
落ちた場所が先客の植物におおわれていたりすれば,タネは土の中で眠って待つ。
そして土の温度の変化から空き地になったことを察知すれば,すぐさま芽を出す。
空き地に真っ先に育つ植物を「パイオニア植物」と呼ぶが,クサギはその代表種である。
(『野に咲く花の生態図鑑』)
寝る外(ほか)に分別(ぶんべつ)はなし花木槿(むくげ)
焦点を定めがたいような、輪郭の茫としている木槿の花に見入っているうつろな心。
夢のない眠りより外、欲し得ない行きつまった境地。
(『(『蕪村集 一茶集 日本古典文学大系58』
暉峻康隆 川島つゆ校注者/岩波書店 1959年』)
百日紅
安西冬衛
濃い浅葱(あさぎ)の空をかがつて、百日紅が艶(あで)なる臙脂(えんじ)の華文(けもん)を綴つた。
夏はそぞろに花の頭(ほとり)に来てたゆたい、たゆたいながらおもむろに立去つた。
旧い屋敷の頽れた土塀の中に、花は年年乏しくなり勝(まさ)り、吝かながらも年毎に老いた梢に臈(ろう)たい繍(ぬい)を忘れなかつた。
その邸には波斯(ペルシャ)の古陶の釉(くすり)を思わせる貴(あて)なる三人の娘と一人の男の子をもつた人が棲んでいつた。
長女は大きい湖のほとりのレーヨン工場の技師に。
仲の娘は中都市の城址にある地方裁判所の検事正に。
そして三女は小さな轆轤(ろくろ)で陶(すえ)の器(うつわ)を創る工匠に、それぞれ氏を変えて他国の人になつていつた。
あとにはひとりの季(すえ)の男の子が老いた両親と静かな旦暮(あけくれ)を過ごしていた。
独りの息子の中学生は、夏の永い日の懶(ものう)い午後など、ラケットを持ち出して土塀にボール打などしてつれづれを嘆(かこ)つたりした。
或る年の晩夏、その子はいわれの知れないかりそめの熱に冒されて深い眠りに憑かれ、再び目醒めることもなくはかなくなつてしまつた。
永い別れの式が営まれた日には、ふだんは遠く離(さかり)に住んでいる姉妹たちもその夫達と久々でこの邸に打ち集つた。
寂しいことではあつたけれど、愛しいまどいが明るい宵の灯の下に設けられた。
青紫蘇(あおじそ)をあしらつた鱧(はも)のあらいに琥珀(こはく)のビールが白い泡をふきこぼすさざめきの束の間の間(ひま)。
彼等はこうして又遠くへ別れ別れに去つていつた。
あとには、ひつそりとした旦暮が前にもまして寂しく残された人達の上につづいた。
こういう光陰のたゆたいの中で、百日紅は寧夏(ニンシャ)の絨毯の華文のように艶(あで)にして愛(かな)しい彩(いろどり)をたゆたえていた。
*臙脂 べに色。
*華文 花模様。
*臈たい繍 うつくしい縫いとり。
*さざめきの束の間 わずかな瞬間のにぎわい。
*寧夏 支那西域の都。
*たゆたえていた ゆらゆらとただよっていた。
(『日本の詩歌25』)