2018年8月7日火曜日

気分だけでも…

暦の上では今日は「立秋」で、
ほんの少しだけ風が吹いてくれてちょっぴり秋を感じました(^。^)

花散りて甕太りゆく石榴かな  杉田久女
(『図説俳句大歳時記 秋』角川書店 昭和39年)

  蜻蛉(とんぼう)や飛び直しても元の枝  超波(ちょうは)

〔季語〕蜻蛉―秋
〔出典〕帋蚕(かみかいこ 享保18年(1733)刊)
〔鑑賞〕恐らく誰でも幼い頃に経験しているであろう。
木の枝、草の先などに止まっていたとんぼが、何かに驚いたようにぱっと飛び立つ。
しばらく空中で、何か物でも考えているように、尾を上げ下げしているうちに、また元の所に戻ってくる。
そんな情景である。
それだけでも、写生の句としては優れているのだが、恐らく寓意があると思われる。
自分の行動の疑問を持ち、もう一回もう一回と飛び直して(別のやり方をとって)みても、
結局堂々めぐりで、また元の所に帰ってしまうのが自分だ、と言っているのであろう。
この句は、評判の高かった句であるが、もっぱら描写の的確さだけ問題にするのは、どんなものかと思う。 
(『名句への招待』川村順昭 右文書院 昭和56年)
清水超波(宝永2年(1705)~元文5年(1740))は、本名長兵衛、号独歩庵。
はじめ長巴(味噌商巴屋長兵衛からとる)と言った。
青蛾の紹介で貞佐の門に入り、やがて点者となる。
門人に祇丞・買明がある。
編著に『落葉合』『帋蚕』、十七回忌追善集『わかな』がある。
煤掃や第一嫁のおき所」は、いかにもこの人らしい人事の句。
煤払いで、みんなが真っ黒になることを覚悟している時、
まだ嫁いで来たばかりの花嫁を、どこに避難させたらよいのか、
思案にくれることだ、の意。
まだういういしさの残る花嫁の姿や、
家人の心配りなども知られて、「第一」の語が生きている。
長病(ながやみ)の耳がなくなるすまふ取り」は、
相撲とりが稽古で耳を潰すなら本望だが、
長患いで寝ていて耳をつぶす(耳たぶがひしゃげる、耳が聞こえなくなる)のはなさけない、と無念に思う意である。
(『名句への招待』川村順昭 右文書院 昭和56年)
クマバチのオスが青いサルビアの蜜を吸っているみたい。
花言葉を見るとクマバチがしがみついている気持ちが分るような(*´∀`*)
ムクゲの花粉をいっぱい付けているのはクマバチのメスです。
花弁と花弁の間に細長い舟形隙間があり、
昆虫はここから口吻を使って蓄えられた蜜を吸う」そうです。
杉並の自然学
世間(よのなか)は 
まこと二代(ふたよ) 
(ゆ)かざらし 
(す)ぎにし妹(いも)
(あ)はなく思(おも)へば
    巻七・1410 作者未詳

この世の中は
ほんとうに二度は
めぐっては来ないらしい
亡くなった妻に
再び逢えないことを思うと
(『NHK日めくり万葉集vol.8』中村勝行編 講談社 2009年)
[選者 河瀬直美(映画作家)]
 当時は何度でも生まれ変わりたいとか、
仏教でいう輪廻転生(りんねてんせい)のような考えが一般的だったかもしれない。
そんな中にあって、人生は一回きりだと言ってしまう潔さがすごいと思いました。

――万葉集巻七におさめられている挽歌の一首です。

[河瀬]
 一生は一回限りだと詠った理由が、妻にもう逢えないからとの思いはすごく一途だし、
そのかけがえのない人生を一つの思いに託すことの深さに惹かれました。

――万葉の舞台、奈良に生まれ、奈良にこだわって映画を撮り続けている河瀬直美さんは、
日々の暮らしの中で万葉びとの存在を身近に感じる瞬間があると言います。

[河瀬]
 こういう森を散歩しているとき、その思いを書きとめたりすると、
たとえば朝靄(あさもや)のかかった春日大社の参道に、
誰かがフッと立っているような気がする。
しかもそれが万葉時代の人で、
私の中にもその時代から続いているものがあると感じます。
いまは野原みたいになっているところにたたずんで、
かつてここで日々の暮らしを営んでいた人がいたんだなあと思うと、
極まってくるものがありますね。 
(『NHK日めくり万葉集vol.8』中村勝行編 講談社 2009年)
――そんな万葉びとが詠んだ妻の死を悲しむこの歌に、
河瀬さんは、現代人が忘れてしまったものを感じとります。

[河瀬]
 いまの世の中は、すぐに代わりがある。
たとえば「これを仕事にして……」と夢をもって頑張っていたのに、
こんなにしんどいことは辞めて、お金にしても他の待遇にしても、
もっと条件のいい代わりがあるという世の中です。
でも、奥さんや恋人に対しても同じような感覚をもっているとすれば、
ちょっと寂しいですね。
妻にはもう逢えないから、一生はこれ一回限りなんだ。
私もそんなふうに思われたいし、相手のこともそう思いたい。
なんだか憧れますね。
(『NHK日めくり万葉集vol.8』中村勝行編 講談社 2009年)

河瀬直美 組画

○ ○ ○ ○

30分間のトレッドミルで歩いた距離は2.22km、消費カロリーは133kcalでした(^0^;)
リハビリを受けながら理学療法士のNさんに勧めていた番組があります。
ETV特集 シリーズ アメリカと被爆者 第1回「シュモーさんを探して」
この番組を見るまでフロイド・シュモーさんのことを知りませんでした。
検索すると、今まで新聞記事や番組で取上げられていたようですね…
再放送が8月9日(木) 午前0:00~ [8日水曜深夜]に放送されます。

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申し訳ありませんが,日本語だけを受けつけますm(_ _)m