平年並みの暑さですが、風が吹いてくれるので助かります(^。^)
かへりこぬ別(わか)れをさてもなげくかな西にとかつは祈(いの)る物から
西方浄土へ必ず行けますようにと、一方では祈りながらも、
それでもやはり二度と帰ってこない死別となると嘆かずにはおられません。
○かへりこぬ別れ 死別。
○西 西方浄土。
○かつ 相反する動作が並行して進行する意。同時に一方で。
(『中世和歌集 室町編 新日本古典文学大系47』
「兼好法師集」伊藤敬他校注 岩波書店 1990年)
日に照れる木草を見ればその生命(いのち)のまさかりならし緑(みどり)くろずめり 宇都野 研
(『昭和萬葉集 巻一 昭和時代の開幕 昭和元年~5年』講談社 昭和55年)
夏 朝
稲の葉の露ちる上を吹きにけん払ふもすゞし夏の朝風
(『山川登美子歌集』今野寿美編 岩波文庫 2011年)
眼が茶色っぽいので羽化したばかりのシオカラトンボかな?
蓑虫こともなげにいきてるふう
(『風天 渥美清のうた』森英介 文春文庫 2010年)
ヤブミョウガは花と果実が一緒になっている(´。`)
植物は力尽して繁るのみ青くほのけく翳冷ゆるまで 馬場あき子
(『現代の短歌』高野公彦編 講談社学術文庫 1991年)
水打(みずう)つて癌(がん)の妻守(つままも)る夕(ゆうべ)かな 斎藤 玄(さいとう げん)
暑い一日が終わろうとしている。
まだ西日がほてっている道に水を撒くと、暑さもいくらかやわらいだようである。
乾いた地面もうるおい、草木や庭石もぬれて風情が出て、涼しくなったようである。
打ち水は、何といっても夏の趣である。
季語は「水打つ」。
この句は、心痛む句である。
「癌の妻」とは、何ともあわれな言葉だろう。
しかし、こんなにいたましい話も作者にとってはこう表現するしかなかったようである。
何日もつづく病い。
そして、暑さに、次第に痩せおとろえてゆく妻。
その妻を日々守る男の淋しさは、読むものに痛いほど伝わってくる。
病む人も苦しい。
それ以上に看る人は苦しい。
しかし、それを口に出せないのである。
「夕かな」にそれがよく出ている。
せめて病める妻に涼しかれと水を打っているのであろう。
わずかばかりの涼であっても、それで少しでも気がおさまるのである。
やがてくる深更への不安とさびしさが、表にはあらわれないが、
句の底に潜んで伝わってくる、重い一句である。
この作者自身も、とうとう昭和55年5月7日に永眠した。
『雁道』により14回蛇笏賞受賞。
斎藤玄は、函館生まれ。
大正3年8月2日~昭和55年5月7日。
昭和13年「京大俳句」に参加。
昭和15年「壺」創刊。18年「鶴」に入会。
(『俳句日暦・一人一句366』石 寒太 右文書院 昭和56年)
寄せ墓に塩辛とんぼ翅たたむ 土田春秋(堺市南宗寺)
(『ふるさと大歳時記5 近畿ふるさと大歳時記』角川書店 平成5年)
川棚温泉留別
こばまれて去る石ころみちの暑いこと
(『山頭火俳句集』夏石番矢編 岩波文庫 2018年)
鉄条(ぜんまい)に似て蝶の舌暑さかな 芥川竜之介
蝶は春先に現れるので春の季語。
大型の揚げ羽蝶(鳳蝶)や小型の小灰(しじみ)蝶などは、主に夏に現れる。
揚げ羽蝶は夏の蝶の王者、種類は多いが、
黒と黄の模様、また真っ黒なものなどシックなデザイン。
この句の蝶は揚げ羽蝶であろう。
小さな蝶では蜜を吸う管状の舌などわからず、ひき立たない。
さつきかばらか何の花か、何でもよいが庭前の花に
天降(あも)りして蘂(しべ)深く管をさしこんで蜜を吸う大型の黒い蝶。
「蝶の舌」という表情が斬新、それの伸縮を「鉄条」ととらえ
比喩が意表をついて芥川の過敏な神経がみられる。
大正10年の作。
(『日々の俳句』沢木欣一 求龍堂 昭和58年)
たねとりて、うゑしうゑなば、武蔵野も、せばくやあらん、わがおもひぐさ。
たねとりて―(思いの)種を採取して。
うゑしうゑなば―ていねいに植えておけば。
おもひぐさ(思草)―物思いのたね。また煙草・女郎花・紫苑・露草等の異名にも。
(『中世近世歌謠集 日本古典文学大系44』
「隆達唱歌」新間進一他校注 岩波書店 昭和34年)
熊蜂とべど沼の青色を抜けきれず 金子兜太
(『現代日本文學全集91 現代俳句集』筑摩書房 昭和32年)
今朝の父の一枚です。
ひまわり畑の花もそろそろ交代の時期かな?
次は私たちの出番ですとコスモスが咲いています。
飛んで行くのはアブラゼミのようです。
新聞記事の「(TVがぶり寄り)『病院ラジオ』の試み」を読んで録画予約していました。
父と妹と夕食の後、一緒に見ました。
父が「スゴイ…」と呟いていました。
実は、見るのは二回目だけどついつい目がかすんでしまいました。
再放送だったので見逃した方は「番組表」などで「再放送みたい」をクリックしてください。
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〝サンドウィッチマンがお届けする涙と笑いの「病院ラジオ」〟
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