おかげで歩きやすかったです(^^)v
今夜(日付が変わりますが)、午前0:30より
「100分de名著 万葉集<全4回>一挙アンコール!」
2014年4月の放送で、
講師は佐佐木幸綱さん、朗読が檀ふみさんです。
藤を写していると年配の女性が来られて同じように藤を写しておられました。
お節介なのだけど
「クマバチのオスは針がないことを御存じですか?」とお聞きすると
クマバチを怖い蜂だと思っておられたようです。
というのも藤を写していた時に近くにいた人が
「クマバチは危ないから場所を移動した方がいいですよ」と
声をかけられたことがあるそうです。
それ以来、クマバチがいないときに藤の花を写していると仰ったので
クマバチの雄には針がないことと
体は大きいけど人を襲うことはないことをお話しました。
また、藤の花とクマバチは共生関係だと伝えました。
またスズメバチに出会ったときにどうすればいいのかを教えてあげました。
女性の方は、帰ったらご主人に蜂のことを自慢話すると仰っていました(*´▽`*)
「野外でスズメバチに出会ったら」(国立青少年教育振興機構)
俵万智さんの「短歌の世界」と
別の教科書から「短歌」を転記しますφ(..)
短歌の世界 俵 万智(たわら まち)
短歌は、千三百年以上前から、日本で作られてきた詩です。
五七五七七という定型に、人々はさまざまな思いをこめてきました。
季節の変化、人を恋する気持ち、旅の心、
人を悼(いた)む気持ち、日常の中のささやかなできごと……。
(『現代の国語 2』三省堂 平成28年版)
古くからあるだけでなく、今も多くの人が短歌を作っています。
新聞や雑誌に、短歌の投稿欄があるのを知っていますか。
普通の新聞に、普通の人たちが、短歌を作って投稿するのです。
これは世界の中でも非常に珍しいことで、
短歌は、日本が自慢できる文化の一つといっていいでしょう。
短歌の大きな特徴は、短いこと。
そしてリズムがあることです。
短いので、多くのことばを用いることはできません。
だからことばを厳しく選び、磨かなくてはなりません。
詩を書くとは、つまりそうことなのです。
五音七音のリズムは、
日本語を心地よく聞かせてくれる魔法のようなものです。
このリズムにことばをのせると、とても調子がよくなることを、
短歌を声に出して読むことで実感してみてください。
短歌は、短い詩ですから、全てを説明することはできません。
その分、読者が想像力をはたらかせて読むという楽しみがあります。
「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ 俵 万智
この短歌を、私は恋の場面で詠みました。
状況を全部は説明できないので、
寒いねと声をかけ合う人がいることで心が温かくなる、
そのことに絞って表現しました。
恋の歌と受け止めた人も多くいますが、
ある人は「家族のやりとり」と捉(とら)え、
ある人は「旅先での会話」を思い浮かべました。
それぞれの読者の心に、
それぞれの「あたたかさ」が伝わることが大切です。
観覧車回れよ回れ想(おも)ひ出は君には一日(ひとひ)我には一生(ひとよ) 栗木京子
君と我が遊園地でデートしている場面です。
観覧車に乗っている二人は、幸せなカップルに見えるかもしれません。
けれど、作者は感じているのです。
相手にとってはたった一日の想い出である今日という日が、
自分には一生の想い出となるだろうと。
この温度差が、現在の二人の状況を示して、せつない恋の歌です。
「君」と「我」、「一日」と「一生」という対比が効いていますね。
「回れよ回れ」という命令形と繰り返しが、
勢いとリズムを生んでいることなども鑑賞のポイントとなるでしょう。
短歌を作る初めの一歩は、心の揺れです。
小さなことでも、なにかしら「あっ」と思ったらメモしましょう。
五七五七七の定型は、皆さんのことばを「詩」にしてくれる、
心強い味方でもあります。
<この教科書のための書きおろし>
(『現代の国語 2』三省堂 平成28年版)
短歌
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 俵 万智
(『中学校 国語2』学校図書 平成28年版)
という短歌について、後に、作者自身が興味深い秘密を打ち明けている。
それを僕らは『短歌をよむ』という本の中で知ることができるのだが、
実は
「この一首を作る契機となる出来事は、
現実には七月六日ではなかったし、
素材はサラダでもなかった」
というのだ。
では現実には素材は何だったのか。
驚くべきことに、それはカレー味の鳥の唐揚げだった。
僕らはこの打ち明け話から何を学ぶことができるだろうか。
まず僕は君たちに、現実に起こった出来事をありのまま言葉で表現しても短歌は生まれない、
という事実を指摘できるかもしれない。
実際の話、僕らは「カレー味の鳥の唐揚げ記念日」というような、
変てこな表現を支持することはできそうにない。
もちろん作者もそう思ったので現実を離れて、
別の言葉を探して、最後の最後に「サラダ記念日」にたどり着いたのだ。
つまり一つの短歌を作るためにも時間をかけて適切な言葉を探す必要がある、
その点を僕らは忘れるわけにはいかない。
だが僕らが忘れてならないもっと重要なことは、
短歌に限らず、何かを言葉で表現する時には、
それが何であろうと必ず時間をかけて言葉を探す必要があるということなのだ。
例えば君たちが日記をつける、友達に手紙を書く、
そんな時君たちは思ったことを最初に思いついた言葉で表現できるだろうか。
やってみれば簡単に分かることなのだが、
僕らはたった一つの言葉を文字にするためにも別のいくつかの言葉を思い浮かべて、
その中から最も適切なものを選び取る。
その一つ一つの積み重ねで文が生まれ、
次にその文が適切かどうか判断し、
適切と判断した文がつながってやっと文章が生まれる。
[佐藤正午(さとうしょうご)『ありのすさび』より]
あふれる思いを適切に表現するために、
時間をかけて言葉を探す――そのような作業を通じて短歌が生まれます。
ありのまま写しただけでは思いが込められない時、
現実を離れて言葉を探す場合もあると、佐藤さんは言っています。
実際、歌人の俵さんは「七月六日」に「サラダ」を食べたのではなかった。
けれども、若い恋人たちの爽やかな心の触れあいを表すには、
「七月六日」と「サラダ」という爽やかさを表す季節と料理、
そして、快いリズムの言葉が必要なのです。
次に揚げる短歌は、いずれも俵さんの行ったような言葉探しの作業を通じて生まれたものです。
どうしてあの言葉でなくこの言葉が選ばれたのか、
考えながら読むことで、皆さんの前に新しい言葉の世界がきっと開けるはずです。
(『中学校 国語2』学校図書 平成28年版)
短歌十五首
心と自然
くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨ふる 正岡子規
秋草の直(すぐ)立つ中にひとり立ち悲しすぎれば笑いたくなる 道浦母都子
振りむけばなくなりさうな追憶の ゆふやみに咲くいちめんの名の花 河野裕子(かわのゆうこ)
あやまたず来る冬のこと黄や赤の落葉はほほとほほゑみて散る 馬場あき子
(『中学校 国語2』学校図書 平成28年版)
青春と歌
不来方(こずかた)のお城の草に寝ころびて
空に吸はれし
十五の心 石川啄木
困らせる側に目立たずいることを好みき誰の味方でもなく 平井 弘(ひろし)
観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日(ひとひ)我には一生(ひとよ) 栗木京子
わがシャツを干さん高さの向日葵(ひまわり)は明日ひらくべし明日を信ぜん 寺山修司
歴史と社会の中で
たゝかひに果てにし子ゆゑ、身に沁(し)みて ことしの桜 あはれ 散りゆく 釈 迢空(しゃく ちょうくう)
遺棄(ゐき)死体数百といひ数千といふいのちをふたつもちしものなし 土岐善麿(ときぜんまろ)
砂あらし 地(つち)を削りてすさぶ野に 爆死せし子を抱きて立つ母 岡野弘彦(おかのひろひこ)
家族と命
死に近き母に添寝(そひね)のしんしんと遠田(とほだ)のかはづ天に聞こゆ 斎藤茂吉(さいとうもきち)
眠られぬ母のためわが誦(よ)む童話母の寝入りし後(のち)王子死す 岡井 隆(おかい たかし)
顔よせてめぐしき額撫(な)でにけりこの世の名前今つきし児(こ)を 植田多喜子(うえだたきこ)
のぼり坂のペダル踏みつつ子は叫ぶ「まっすぐ?」、そうだ、どんどんのぼれ 佐佐木幸綱(ささきゆきつな)
(『中学校 国語2』学校図書 平成28年版)
今朝の父の一枚です。
写した画像を見ながら「シランは母さんが好きだった」と話していました。
心と自然
くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨ふる 正岡子規
秋草の直(すぐ)立つ中にひとり立ち悲しすぎれば笑いたくなる 道浦母都子
振りむけばなくなりさうな追憶の ゆふやみに咲くいちめんの名の花 河野裕子(かわのゆうこ)
あやまたず来る冬のこと黄や赤の落葉はほほとほほゑみて散る 馬場あき子
青春と歌
不来方(こずかた)のお城の草に寝ころびて
空に吸はれし
十五の心 石川啄木
困らせる側に目立たずいることを好みき誰の味方でもなく 平井 弘(ひろし)
観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日(ひとひ)我には一生(ひとよ) 栗木京子
わがシャツを干さん高さの向日葵(ひまわり)は明日ひらくべし明日を信ぜん 寺山修司
歴史と社会の中で
たゝかひに果てにし子ゆゑ、身に沁(し)みて ことしの桜 あはれ 散りゆく 釈 迢空(しゃく ちょうくう)
遺棄(ゐき)死体数百といひ数千といふいのちをふたつもちしものなし 土岐善麿(ときぜんまろ)
砂あらし 地(つち)を削りてすさぶ野に 爆死せし子を抱きて立つ母 岡野弘彦(おかのひろひこ)
家族と命
死に近き母に添寝(そひね)のしんしんと遠田(とほだ)のかはづ天に聞こゆ 斎藤茂吉(さいとうもきち)
眠られぬ母のためわが誦(よ)む童話母の寝入りし後(のち)王子死す 岡井 隆(おかい たかし)
顔よせてめぐしき額撫(な)でにけりこの世の名前今つきし児(こ)を 植田多喜子(うえだたきこ)
のぼり坂のペダル踏みつつ子は叫ぶ「まっすぐ?」、そうだ、どんどんのぼれ 佐佐木幸綱(ささきゆきつな)
(『中学校 国語2』学校図書 平成28年版)
今朝の父の一枚です。
写した画像を見ながら「シランは母さんが好きだった」と話していました。