2018年11月18日日曜日

暖かい日ざし

朝、日ざしが眩しいくらいで、歩いていると汗をかきそうになりました(^_^;)
メマツヨイグサの花が、この暖かさ(?)に咲いていました。
(「絹雲のおとずれ」の続き)
 夏目漱石の小説『三四郎』には、いなかの高等学校を卒業して
東京帝国大学へはいった三四郎が、
大学構内で寺田寅彦がモデルといわれる物理学者の野々宮さんから、
話をきく場面がある。
静まり返った青空に「刷毛先で搔き払つた痕の様に、
筋違(すじかひ)に長く浮いてゐる」白い雲が、
颶風(ぐふう)以上の速力で動いていることを教わるのだ。
この雲も絹雲であろう。
 第2図は、正倉院の御物や法隆寺に残る美術品などに見られる、
古代の雲の文様の一例である。
まことに、絹雲のでき方の図解図とそっくりだ。
昔の人は、鋭い目で雲を眺めていたにちがいない。
(『暮しの気象学』倉嶋厚 草思社 1984年)
*第2図は省略しています。
絹雲は、夏の雷雲(積乱雲)の頭部が、カナトコ状に横に広がるときにもできる。
積乱雲は、どうかすると、何百キロも遠くの空まで、頭部から絹雲を送り出す。
したがって、ある方向の絹雲が、目に見えて濃くなるようなときは、
雷雨の活動が始まっているといえる。
濃絹雲は、また、台風の上空からも四方へ大きく吹き出している。
人工衛星からの写真によると、大西洋のハリケーンから吹き出す絹雲は、
ヨーロッパやアフリカまで到達していることがあるという。
 雨は、ほとんどの場合、過冷却水滴の雲に、氷晶がまざったときに降る。
人工降雨術は、氷晶を作る核を雲の中にまきちらす。
自然界では、絹雲が雨の〝種まき〟をしていることになる。
絹雲は、見た目に美しいばかりでなく、
気象の上でもたいへん重要な役割を演じているのである。
(『暮しの気象学』倉嶋厚 草思社 1984年)
   日の光

おてんと様のお使いが
揃って空をたちました。
みちで出逢ったみなみ風、
(何しに、どこへ。)とききました。

一人は答えていいました。
(この「明るさ」を地に撒(ま)くの、
みんながお仕事できるよう。)

一人はさもさも嬉しそう。
(私はお花を咲かせるの、
世界をたのしくするために。)

一人はやさしく、おとなしく、
(私は清いたましいの、
のぼる反り橋かけるのよ。)

残った一人はさみしそう。
(私は「影」をつくるため、
やっぱり一しょにまいります。)
(『金子みすゞ童謡集』ハルキ文庫 1998年)
万葉集巻第二 106
  大津皇子竊(ひそ)かに伊勢神宮に下り、
  上り来る時、大伯皇女(おおくのひめみこ)よませる歌二首
二人行けど行き過ぎがたき秋山をいかにか君がひとり越ゆらむ

 歌意
 二人で行っても行き過ぎにくい秋の山を、
どのようにして君はひとりで行かれるのであろうか。
(『万葉秀歌(一)』久松潜一 講談社学術文庫 1976年)
  語釈
行き過ぎがたき秋山 秋山はさびしいものであるから、
二人でも行きすぎ難いといったのであろう。
伊勢から大和へ出るには種々の行程がある。
 このばあいはどの道を通ったのか明らかでないが、
おそらく亀山へ出て加太越(かぶとごえ 鈴鹿山脈)をして、
笠置から木津へ出る道であったであろう。
加太越の峠道などを想像してよまれたかも知れない。
いかにか どのようにして君がひとりで越えてゆかれるのであろう。
大津皇子の悲傷な思いを大伯皇女は察して、
一層このような感じをもたれたのであろう。
(『万葉秀歌(一)』久松潜一 講談社学術文庫 1976年)
  鑑賞
 前の歌は皇子を送られた時の御歌であり、
これは見送ってからさびしく去ってゆかれた皇子を思いやってよまれたのである。
 ただでさえ秋の山はさびしいものであるのに、
人生行路の険難を思いやられての切ない心情が調べのうちに現われている。
この二首だけをよんでも大伯皇女のすぐれた歌人であることがわかる。
そうして同じく母音や行音などを多く用いて声調の中に哀感が表われている。
(『万葉秀歌(一)』久松潜一 講談社学術文庫 1976年)
行音」の「」に脇点「
ウは防寒性・防水性よりも攻撃性を選んだ
 水に浮かぶ鳥は、からだ全体がしっかり浮いている鳥もいれば、
からだの後ろ半分が水に沈んでいる鳥もいます。
カモは前者の客船タイプ、ウは後者の人魚タイプです。
 水は皮膚から容赦なく体温を奪って、私たちの唇を紫色にします。
しかし、紫色のくちばしのカモはいません。
それは防寒対策が万全だからです。
カモは撥水性の高い羽毛をもち、羽毛と皮膚との間に温かい空気を溜めています。
彼らは浮遊時の快適さを重視した、防御型の戦略をとっているのです。
一方のウは、防御よりも攻撃重視です。
羽毛に空気を溜めると浮いてしまうので水に潜りにくくなり、
鵜飼のときに恥をかいてしまいます。
潜水して魚を追いかけるウにとって、快適さよりも遊泳能力がたいせつです。
このため彼らの羽毛は撥水性が低く、水になじみやすくなっています。
(『トリノトリビア 鳥類学者がこっそり教える 野鳥のひみつ』川上和人 マツダユカ他 西東社 2018年)
 鳥の羽毛は、表面のとても小さな構造によって撥水性を得ています。
そして、鳥は腰にある「尾脂線(びしせん)」という突起から
油分を出して羽毛に塗ります。
この油分は羽毛の耐久性や防水性を高めていると考えられますが、
ウの場合は尾脂線があまり発達していません。
ここでもやはりウは攻撃的な姿勢が垣間見えてきます。
 撥水性の高いカモの羽毛は、水から出るとすぐに乾きます。
しかしウの場合はそうはいきません。
水辺には、杭などにとまり、翼を広げて乾燥させているウの姿がよく見られます。
撥水性の低い羽毛は、びしょびしょで乾きにくいのです。
・ウの羽毛が黒いのは、もしかしたら太陽熱を吸収して温めて、
乾きやすくするためかもしれないね。
(『トリノトリビア 鳥類学者がこっそり教える 野鳥のひみつ』川上和人 マツダユカ他 西東社 2018年)
カワセミ[翡翠] ブッポウソウ目カワセミ科
大きさ:全長17cm
見られる季節:通年
見られる場所:市街地の公園、池、河川、湖沼
     水辺の樹木や杭から魚を狙う
鳴き声:チッチッ、チーッ、キキキキーッ

 水辺の宝石と呼ばれる鳥
輝くようなコバルトブルーの羽。
自然を守る象徴として取り上げられるカワセミ。
水のキレイな川にしかいない、と思われているが、
案外、ごく普通の川にもいる。
その美しい色彩もさることながら、
空中をホバリングしている様子など、
カメラマンがこぞって撮りたがる特別な鳥だ。
(『子どもと一緒に覚えたい 野鳥の名前』山崎宏監修 momobook 2018年)
今朝の父の一枚です。
ハクセキレイに会うと追いかけて撮していますp(^-^)q
母がいつもハクセキレイに会うのを楽しみにしてたからかもしれません。

2 件のコメント:

  1. こんばんは~

    >水辺の宝石と呼ばれる鳥
    野鳥は、たぶんどの鳥も可愛いと思いますが、やはりカワセミと出会うとハッとしそうです。(^-^;
    コバルトブルーの羽が魅力的です。

    >ハクセキレイに会うと追いかけて撮していますp(^-^)q
    お母さまに喜んでもらえますね。(^^)/

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    1. カイさんこんばんは(*^O^*)/
      カワセミに出会うとワクワクします(^-^)
      野鳥を撮影されている方は、三脚を立ててしっかりと撮影されているのですが
      σ(^_^;は、ピントも露出も合わせることができなくて
      出会った証拠のメモでしかありません(^^ゞ

      父は、ハクセキレイの写真を母の遺影の前に飾っています(o^^o)

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