今朝も暑かったけど
風が心地よかったのが救いでした(^^)
上田弘一郎さんの『竹と暮らし』より
「春さきに〝紅葉〟する竹――竹の秋――」と
「竹と竹林の寿命――永遠の寿命――」を転記しますφ(..)
春さきに〝紅葉〟する竹――竹の秋――
マダケやモウソウチクなど、春にタケノコの出る種類の竹林は、
主として春さきに紅葉し、やがて、一斉に落葉する。
この時季はずれの紅葉は庭竹の見どころでもあるが、不思議である。
病気ではないかと、よくまちがえられる。
これは病気ではなく、竹の葉変わりであって、
葉の同化作用による能率を低下させないようにする巧妙な竹の知恵をいえよう。
(『竹と暮し 小学館創造選書59』上田弘一郎 小学館 昭和58年)
この時期は主として春さきだが、
その種類や気候などによって、ずれがみられる。
たとえば、モウソウチクはマダケよりも早く、
同じ種類でも暖地では早く、寒地ではおそくなる。
また、土壌の水分によっても変わり、
冬季に日照りがつづくと、水分不足のため冬季でも紅葉してしまう。
こんなときは、紅葉期間が長く、タケノコの出方がわるくなるので、
早く灌水すると緑にもどり、元気を取りもどす。
雨期と乾期がはげしく現われる熱帯地方では、
乾燥期に水分不足によって紅葉する。
熱帯では、乾燥期は、ふつう12月から2月にかけてあらわれ、
このころ竹林は一斉に落葉して休む。
春の紅葉のころ、葉をつける小枝の根元をみると、すでに、
そのそばに節(ふし)から新しく芽がふくらみかけているのに気づく。
そして、古い葉が落ちると、入れ替わりに、
すばやく若葉が開き、間もなく新緑に早変わりする。
いわば、紅葉、落葉期は、
俗に、「竹の秋」と呼ばれるが、新緑のシーズンでもある。
こうして、竹林は年中緑を保ち、大気汚染の防止に役立っている。
竹の「葉変わり」は、春さき、
竹林のすべての竹にあらわれるのではなく、
一部には、秋までかかって、
古葉を若葉に変えるものもあることをつけ加えておきたい。
これは、同化作用の能率を落とさないようにする、
きめこまやかな配慮と思われる。
なお、竹の葉変わりは特技といえよう。
この特技によって、たとえ、大気汚染で紅葉、落葉しても、
すぐに若葉を出してよみがえるのである。
以上は稈(かん)の太くなる竹の葉変わり方である。
ササ類の葉変わり方はまちまちで、
小枝の葉のうち、下の葉が落ちたら、
上方へ若葉が出るという一枚ずつの変わり方と、
毎年、稈の下方から若い稈を出す変わり方をするものがある。
この変わり方は種類によってちがうので、
刈り込むときの注意が大切になる。
竹と竹林の寿命――永遠の寿命――
このことは、よく誤解される。
太い竹でも、生えてから20年たつと枯れてしまう。
竹一本の寿命としては、長いとはいえないが、
毎年からだ続きに地下茎の芽が伸びて若竹が出る。
そして、毎年若竹を見て楽しめるのである。
たとえ、花が咲いて枯れても、
からだ続きに新しく花を咲かせない地下茎が伸び出し、
よみがえるのである。
こうして、竹一本ずつには寿命があるけれど、
からだ続きの一つの生命体としてみるとき、
竹林の寿命は永久といえる。
こうして、毎年タケノコが出て、数か月で成竹し、
これをくり返しながらつづくことは、木では見られない現象である。
(『竹と暮し 小学館創造選書59』上田弘一郎 小学館 昭和58年)
今朝の父の一枚です。
竹が黄色くなっているのを見て
枯れたのではないかと心配していました。
竹の花が咲くと不吉なことの前兆だといので
図書室で調べていました(^^)v