一気に暑くなりましたね(^-^;
まだ暑さに慣れる前に真夏になったような…
暑くなると同時にヤンマが飛びだしました。
ピントが甘いので自信はないのだけどクロスジギンヤンマかな?
今朝のチコちゃんに叱られる!(関西地方は再放送)
「“おにぎりが三角なのは?”“プロ野球のボール”ほか」で
おにぎりが登場するものとして源氏物語の中に
「屯食(とんじき)」が出ていると紹介されていました。
「桐壺」で源氏の君が12歳で元服されますが
その時の場面で描かれます。
初めに瀬戸内寂聴さんの現代語訳を転記します。
その後に、古文を転記しますφ(..)
また「宿木」にも登場するので
大塚ひかりさんの現代語訳を一部転記しますφ(..)
その日の帝の御前に供された折櫃物(おりびつもの)や、
籠物(こもの)の料理などは、
右大弁(うだいべん)が、帝の仰せを承って調進したものでした。
屯食(とんじき)や禄の入った唐櫃(からびつ)など、
置ききれぬほどあふれ、
東宮の御元服の時よりおびただしく、
かえって今日のほうがすべてにつけ、この上なく盛大になりました。
(『源氏物語 巻一』瀬戸内寂聴訳 講談社文庫 2007年)
その日の御前(おまへ)の折櫃(をりびつ)物、
籠(こ)物など、右大辨なむ、
うけたまはりて仕(つか)うまつらせける。
屯食(とうじき)、祿(ろく)の唐櫃(からびつ)どもなど、
所狹(せ)きまで、春宮の御元服の折(をり)にも、數まされり。
なかなか、限(かぎ)りもなくいかめしうなむ。
(『源氏物語(一)』山岸徳平校注 1965年 岩波文庫)
〝御産養(うぶやしなひ)〟…出産の祝宴。
出産三日、五日、七日、九日目の夜に催し、
関係者から衣服や食べ物、調度が贈られる…は、
三日目は恒例通り、ただ夫である宮が内々に。
五日の夜は、大将殿(薫)から、
〝屯食〟…下人(げにん)などに弁当用に与える握り飯…五十食、
碁や双六(すごろく)の賭物用の銭(ぜに)や、
〝椀飯(わうばん)〟…椀に盛った飯、料理…などは世間並みにして、
(後略)
(『源氏物語 第6巻 宿木~夢浮橋』
大塚ひかり翻訳 ちくま文庫 2010年)
屯食について日本史小百科(飲食)より一部転記しますφ(..)
弁当として、昔も今も日本人に愛用されている「おむすび」は
平安期に始まっている。
宮中や貴族の邸宅で宴会などがあった際、
下級の者に振舞われた強飯(こわいい)のおむすびを
「屯食」または「つつみいひ」と称した。
つつみいひは武家社会になって、
合戦の際の弁当、または旅行の携帯食として普及した。
(『日本史小百科16 飲食』
遠藤元男・谷口歌子 近藤出版社 昭和58年)
当座の食を弁ずる意味で「弁当」または
厨(くりや)で作る食を行先へ持運べるとして
「行厨(こうちゅう)」などとも書き、
容器には小形の柳行李、または竹の皮などが用いられた。
ことあってたくさんの屯食を運ぶ際に用いられた容器に
外居[(ほかい)または行器(ほかい)]や食篭(じきろう)がある。
外居は檜・杉などの薄い材を円形に曲げ、
底をつけて桶型にした蓋つきの容器で、
合わせ目を樺や桜の皮などで綴り、短い三脚をつけたものである。
食篭も円形の蓋つき容器で漆器が多い。
このほかに、破篭(わりご)も古くから携帯用食器で、
檜などの白木で作った内部に仕切りのある折箱である。
(『日本史小百科16 飲食』
遠藤元男・谷口歌子 近藤出版社 昭和58年)
なお、『古事類苑』に屯食について書かれています。
専門的で難しいのですが(^-^;
「古事類苑 第44冊」(234~240/554 国立国会図書館)