2019年8月22日木曜日

しだいに曇ってきたけど…

風がなくて蒸し暑い(^-^;
カラスがくわえているのは青い柿の実
どうするのかなと思って見ていたら
藪の中に入っていって突いていました。
青いうちは渋いと思うけど味覚がないのかな?
こんな記事がありました(*´▽`*)
カラスの好物 改訂版」(カラスブログ)
オススメの番組です(^^)/
明日NHK総合で午後2時05分から再放送があります。
目撃!にっぽん「せかいに1つだけの石けん」
「目撃!にっぽん」の本放送は日曜日の午前6時10分からなので
日曜日くらいは寝坊したいと思っている方が多いと思いますが
次回も面白そうですよ(^^)v
キム・ジヨンと女性たち~韓国小説からの問いかけ~
原民喜の「愛を大空に」を転記しますφ(..)
   愛を大空に
 きようもひとり部屋を出て、僕は五日市街道を西荻窪の方向へむかつて歩いて行つた。
うつすらと曇つた静かな午後だつた。
見上げる空に枯木の梢は淡く、竹藪の横手にひろがる径は夢のように仄暗いのだ。
僕は何を考え、何を嘆いているのだろうか。
そうだ、あのことかもしれない。
札幌にいる僕の友人が酔ぱらつて前歯を折つたというそんなハガキを僕にくれたのだ。
それほど泥酔しなければならぬほど、やりきれないものが彼にあつたのだろう。
僕は……?僕の生活の前歯はまだ折れてはいないのだろうか。
(『定本原民喜全集Ⅱ』 青土社 1978年)
 生活の前歯……?
それで嚙み砕けるだけの生活が僕にあるというのだろうか。
僕は何ものだ。
僕は侘しい日本の無名作家……。
僕は西荻窪の駅に向かう狭い商店街をとぼとぼ歩いてゐた。
たつたこの間、火事で焼けた跡に今はもう新しい家が出来上つているのだ。
無力な戦災者の僕にこのことは驚嘆に価するのだ。
そうだ、世の中は速い、世界は動いている、ぐるぐる滅茶苦茶に、そして整然ととにかく軌道に乗つているのかもしれない。
 僕は電車に乗りたくなつた。
西荻の駅に来て、切符を買つてホームの腰掛に腰を下ろした。
それからふと、僕は隣りに腰かけているマンドリンをかかえた異様な老人に気づいた。
その人の腕の白い布きれには<愛を大空に>という文字がしるされて腕章のようにくつついているのだ。
<愛を大空に>突嗟に僕は何ごとかを憶い出した。
そして僕は相手の姿をぼんやり眺めた。
あの男だろうか……?
僕がまだ少年の日、広島の家の玄関にやつて来てマンドリンを弾いた青年がいた。
放浪音楽家だと称するその青年は一つの信念に燃えているような顔つきだつた……が。
今、僕の眼の前にいる男は、そのもしやもしやの白髪も、額の深い皺も、粗末な服も、がつしりした靴も、すべてが長い歳月を耐えて、遠い路を踏みしめて来たことを語つているようなのだ。
 だが、相手は今、雑嚢からコツペイパンをとりだすと、平気でむしやむしや喰べはじめた。
 それにしても、この暗い、激しい、数年間を彼はどうして生きて来たのだろう。
僕はつくづく驚嘆するばかりだつた。
 が、さきほどから、僕の前に立つて、老人をしげしげ眺めていた中年の紳士も、同じことを考えていたのにちがいない。
『おじさんは元気だなあ……』
 とふと彼は懐かしそうに口をきいたのである。
老人はただ黙々とうなずいていた。
<愛を大空に>そうだ、このことは、あの前歯を折つた友にも知らせてやろう。
彼もまた思い出すにちがいない。
僕は電車に乗るとすぐ思いついていた。
(『定本原民喜全集Ⅱ』 青土社 1978年)
一旦、原民喜の作品の転記を終わりますが、
文庫本などで読むことができます。
若松英輔さんが
言葉を読む、それは学びに留まらず、ときに哀悼の営みにもなるのです。
と語ったように原民喜の言葉を味わってほしいなと思います。

『原民喜』刊行記念トークイベント 梯久美子×三浦しをん」(岩波書店のWEBマガジン「たねをまく」)
8月22日 
 朝鮮を併合して日本の植民地にした。 
         1910(明治43)年
 「韓国併合ニ関スル条約」がこの日調印され日本は朝鮮を領土の一部とした。
日本は列強の介入をおそれて、一挙に朝鮮を植民地にしようとはせず、数年かけて韓国から外交・軍事などの権限を一つずつ奪いとってゆき、ついに完全な植民地としたのだった。
(『カレンダー日本史 岩波ジュニア新書11』永原慶二 1979年)
列強は日本の行動を黙認したが、反日ゲリラが各地で立ちあがった。
日本は朝鮮総督府を設置するとともに、各地に憲兵を置いて朝鮮人を威圧し、普通の官吏や小学校の先生にまでも金筋(きんすじ)の入った制服を着せ、サーベルをつけさせた。
また教室では日本語だけを使わせた。
(『カレンダー日本史 岩波ジュニア新書11』永原慶二 1979年)
韓国併合ニ関スル条約」(国立公文書館)
日清戦争-中学」(動画)
キツネノマゴ(キツネノマゴ科)を見ていると達磨に見える。
達磨と言えばすぐ思い浮かぶのが白隠禅師
達磨図(白隠慧鶴筆)」(文化遺産オンライン)