「防ごう熱中症」
巻第八 1461
紀女郎(きのいらつめ)の大伴宿禰家持(おおとものすくねやかもち)に贈れる歌
昼は咲き夜(よる)は恋ひ寝(ね)る合歓木(ねぶ)の花君のみ見めや戯奴(わけ)さへに見よ
昼は花ひらき夜は恋いつつ寝る合歓木の花を、あるじだけ見ていてよいだろうか。
お前も見なさい。
合歓木の花―夜葉を閉じるのを寝る姿と見てネブという。合歓を共寝に見立てて、心を托する。
君―主君。自分をいう。ワケに対して。
戯奴さへ―「君」の上に加えて。
(『万葉集 全訳注原文付(二)』中西進 講談社文庫 1980年)
「落語家の桂歌丸さん死去 81歳」ご冥福をお祈り申し上げます。
翅がちぎれていますね。
歌丸さんも呼吸器の病気や腸閉塞などで入退院を繰り返しながらも
最後まで落語家として人生を全うされました。
花ざくろ紅(あけ)おとろへず散る方に古井残りて水の湧おと 松村英一
(『昭和萬葉集 巻十八 高度成長の終焉 昭和48年』講談社 昭和55年)
さま変(かは)れる御住(す)まひに、御簾(みす)の端(はし)、
御几(き)帳も青鈍(あをにび)にて、
ひまひまより、ほの見えたる薄鈍(うすにび)、くちなしの袖口など、
なかなか、なまめかしう、奥(おく)ゆかしう、〔源氏は〕思ひやられ給(たま)ふ。
(『源氏物語(一)』山岸徳平校注 1965年 岩波文庫)
(藤壺の)様変わりしたお住まいに、御簾の端、御几帳も青鈍(あおにび)色で、
隙間隙間からほの見える薄鈍(うすにび)や梔子(くちなし)色の袖口などかえって優美で、
中のことが奥ゆかしく想像されます。
(『源氏物語 第一巻 桐壷~賢木』大塚ひかり翻訳 ちくま文庫 2008年)
源氏物語に描かれている「くちなしの袖口」(梔子色)は赤みのかかった黄色です。
ネジバナにアリが訪問していました。
昨夜のダーウィンが来た!第556回「意外に弱い!? ヒアリの素顔」を見て思ったのは
生態系を考えずにヒアリを退治しようとすると、
結局しっぺ返しを受けるのは人間が繰り返してきた過ちですね。
(レイチェル・カーソンの『沈黙の春』が紹介されていました)
キジバトが真剣な目で朝ご飯を探していましたp(^-^)q
鳩の声肩にとゞくや夏木立 堀麦水
夏木立の中を行くと、梢の方から鳩の声が聞こえてきて、
その声が親しげに肩のところまで届くようである、の意。
夏木立の中は、緑のにおいにむせるようで、自然が身近なものに感じられるから、
鳩の声もすぐ近くに聞こえるような気がする。
「肩にとゞくや」が巧みである。
季語は「夏木立」。
(『近世俳句俳文集 日本古典文学全集42』
栗山理一他校注・訳 小学館 昭和47年)
巻第四 773
大伴宿禰家持、久邇の京より坂上大嬢(さかのうへのおほいらつめ)に贈る歌
言(こと)とはぬ 木すらあぢさゐ 諸弟(もろと)らが 練(ね)りのむらとに あざむかえけり
口のきけない木にさえも、あじさいのように色の変る信用できないやつがある。
まして口八丁の諸弟(もろと)めと知りながら、
そいつのうまいご託宣の数々にのせられてしまった。
相手の愛を伝えた使いを信じてばかを見たという歌。
◇あぢさゐ ユキノシタ科の低木。夏、花を開き、その色がすぐ変ることで知られる。
◇諸弟 使いの名であろう。
◇錬りのむらと 錬りに練った巧みな一群の予言の意か。
「むら」は群、「と」は祝詞(のりと)、呪詛(とこい)などの「と」で、重要な発言の意。
「言とはぬ」に対立する語で、使いの言葉をわざと重々しく表現したもの。
(『萬葉集(一)旧版』青木生子 他校注 新潮社 昭和51年)
タイサンボク(モクレン科)
たましいの不安のごとく広がれる梅雨雲がありその下を行く
(『道浦母都子全歌集』河出書房新社 2005年)
もうフヨウ(アオイ科)が咲きだした(°0°)
フヨウは雌しべの先端が曲がり、五つに分かれています。
歌ではカラスウリが人気ですが、
ベビーパウダーとして利用されるのはキカラスウリの実だそうです。
樹液酒場でケンカのようです(*´∀`*)
カナブンも負けていませんでしたよp(^-^)q
「夏のこん虫のさがしかた」(動画)
ホシミスジが訪問していたのはナンキンハゼの花です。