2018年7月25日水曜日

ピンチをチャンスに…

朝6時を過ぎると元気な声が聞こえる。
まるでセミに時計があるような、ただでも暑いのに一層、暑さが増してくる(^0^;)

  蟬(せみ)の音(ね)に薄雲(うすぐも)かゝる林かな  建部巣兆(たけべそうちょう)

夏の昼さがり、風もまったくなく、蒸れるような暑熱である。
鬱々(うつうつ)と茂った林からは、降るような蟬の声が聞こえてくる。
蟬時雨(せみしぐれ)ともいうように、無数の蟬がいっせいに鳴きたてるさまは、すさまじいほどの喧噪(けんそう)である。
その噪音と熱気とが入りまじり、一種の温気(うんき)のたちこめたような感じを、「薄雲かゝる」と大胆に表現したもの。
鋭い感覚的なとらえかたである。
季語は「蟬」で夏。

薄雲―実際の雲ではない。蟬の噪音と暑熱のたちこめた感じを、こう表現したもの。
ほかに「打水(うちみず)の雲きりにたつ牡丹かな」という作もあり、同様の手法が見られる。
(『近世俳句俳文集 日本古典文学全集42』栗山理一他校注・訳 小学館 昭和47年)
人心、常ならずといふことをよめる
とにかくに あなさだめなの 世の中や 喜ぶ者あれば侘(わ)ぶる者あり

人の心は一定でないということを詠んだ歌。
いずれにせよ、ああ、何ともひとしなみにゆかない世の中だ。
喜ぶ者がいるかと思えば、一方では苦しみ悩む者がある。

同じ事柄に対しても人の受けとり方は様々で、
利害が異なるなど悲喜交々(こもごも)である。
為政者としてそうした現実を何度も体験した実朝ならでは歌であろう。
(『金槐和歌集(旧版)』樋口芳麻呂校注 新潮社 昭和56年)
  あぶら蟬杉の木膚をいだくときそのたまゆらを目守(まも)らむとする   斎藤茂吉

 <あぶら蟬>はふつうよく見る蟬。
その名のもつ、<あぶら><木膚をいだく>という言葉。
幹や枝の言葉は用いられない。
<たまゆら>という言葉。
一つの歌の中に置かれるときに蟬の息づきと合致して情景化される。
そして見えてくるものを、<目守(まも)らむとする>は、われ、である。
(「目守」で「まも」)
(『岩波現代短歌辞典(書籍版)』岡井 隆 監修 岩波書店 1999年 )
睡蓮 晩夏 未草(ひつじぐさ)
【解説】
沼や池に生育する熱帯原産の多年生水草で、自生もするが池や水鉢で栽培される。
地下茎は水底泥中深く埋まり、多数の葉を水面に浮かべる。
葉は根茎から長い柄を出して水面に浮かび、円形・卵形・楯(たて)形などで光沢があり、葉裏は紫紅色のものが多い。
夏になると花茎を伸ばし蓮に似た美しい花を開く。
花は白・黄・紅・紫色などがあり、日中開いて夕刻閉じる昼咲きと、夕刻開いて朝閉じる夜咲きのものがある。
(ひつじ)の刻ごろに開花するので未草の別名をもつ。
〔野澤節子〕
(『講談社版 カラー図説日本大歳時記[座右版]』 昭和58年)
チョウトンボ(トンボ科)は数が減っているそうです。
羽化に失敗するセミもいます。

殻をぬぐ蟬の目色がかなしいとそんなところをうろついてゐた
(『明石海人歌集』村井 紀編 岩波文庫 2012年)
アオスジアゲハヤブガラシにやってきました。
  向日葵をつよく彩る色は黒  京極杞陽

「色は黒」と下五に据えるあたり、ここにも紀陽独特のものがある。
向日葵は黄色であるがそのアクセントをつけているのは黒色だと言うのである。
絵で言えば黄色の大輪の向日葵を黒の線でくっきりとふちどって描いた、
かなり勁(つよ)い筆致の絵である。
炎天下の向日葵で影も皆黒で彩られている場合もある。
黄の反対色は紫であるけれども、黒の中に置いた黄は最も印象的であり効果的である。
マチスが室内人物の背景に黒と黄の大きな縞の幕を大胆に描いて、素晴らしい効果を上げているが、
紀陽の向日葵の黒も同様によく効いている。
(略)
(『忘れ得ぬ俳句』野見山朱鳥 朝日選書 1987年)
逆光でしっかり撮せなかったのですがタイワンウチワヤンマかな?
父の一枚です(^。^)
今の酷暑は父には負担が大きいので短時間で散歩を終わりました。
今週のたなくじは「ケセラセラ吉 なりゆきにまかせよ」でしたが
この方の発言を見ているとなりゆきにまかせると大変な事になると思う。
森喜朗会長が語る、この猛暑が東京五輪成功のカギに
会長さんの発言を読んでいると戦時中の竹槍訓練や焼夷弾に対してのバケツリレーを連想する。
父や母は正直、馬鹿げたことだと思いながらも参加しないと非国民扱いされた。
海外メディアが危惧する報道をしていることを(ピンチ)をチャンスとして
日程を変更しても批判されることはないと思うのだけど…
海外メディア “猛暑で東京五輪を不安視”の報道相次ぐ
ちなみにこんな記事もあります〝首相「冷暖房はなくてもいいんじゃないか…」〟
外国訪問で大盤振る舞いをする首相のオモテナシのようです。
エアコンを使わない高齢者

2 件のコメント:

  1. こんにちは~=^_^=
    我が家の近辺は何故かセミの鳴き声が聞こえません
    猛暑で死んでしまっているんでしょうかと介護タクシーの方が話していました
    セミも抜けるのに失敗するんですか?これも暑さのせいなんでしょうか
    生きる命も短いのに可哀相ですね

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    1. 蘭☆☆さんこんばんは(*^O^*)/
      セミはこの暑さをものともせずに鳴いていますが…
      以前、冷夏の年にセミが羽化できずにたくさん死んでいたことがあります。
      セミに限らず、脱皮をすることは大変な事で
      途中で亡くなる虫たちもいますし、その途中でなんらかの事故(翅が枝に引っかかるなど)で翅が変形してしまったトンボなどを見たこともあります。
      自然は、厳しいし、生きていること自体が奇蹟的なことだと思います。

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申し訳ありませんが,日本語だけを受けつけますm(_ _)m