2018年7月28日土曜日

台風の影響が…

台風の動きを見ていると今までに記憶のないコースをたどるようです。
台風 千葉・静岡など暴風域 今夜遅く~あす未明 東海上陸か

  蓮の葉に此(この)世の露は曲りけり   一茶

此世の露―浄土のシンボルである蓮でも、
この世では、その葉におく露が曲がっているというのである。
これは露よりも、一茶の見方が曲がっているのであろう。
(『蕪村集 一茶集 日本古典文学大系58』
     暉峻康隆 川島つゆ校注者 岩波書店 1959年)
アリストテレス以来よく知られているとおり、セミで鳴くのは雄だけである。
一つには同じ種類のセミを近くに集めるため、もう一つには雌を呼ぶために鳴く。
したがって、一種一種鳴き声が違うのも当然なのだ。
一日のうちで何時ごろ鳴くかも種類によってだいたい決まっている。
セミといえば木の幹に頭を上にしてとまるものと思われている。
ところが、日本に5種いるエゾゼミ類は、なぜだかわからないがしばしば木の小枝に、しかも逆さまに止まって鳴く。
沖縄にいるイワサキクサゼミは木ではなく草に住み、今ではサトウキビの害虫となっている。
(『四季の博物誌』荒垣秀雄編 朝日文庫 1988年)
酷暑のせいかな?
桜の葉がすでに黄色くなっている…
多くのセミは主に枯れ枝中に産卵する。
生きた枝だと、やがて穴の口がふさがって、
かえった幼虫が外に出られなくなってしまうのである。
のこぎりのような産卵管で木に穴をあけ、その中に数個から十数個の卵を産み込む。
卵は種類によって違うが、早いもので、30日後、
アブラゼミなどでは300日後(つまり翌年)に孵化して体長2ミリに満たぬ幼虫が生れる。
地上に落下した幼虫は、土のすき間をみつけて潜り込み、長い地中生活を始める。
若い幼虫は割合浅い所にある木のひげ根に口をさし込んで汁を吸うが、
成長するにつれてトンネルを掘って移動する。
卵から成虫までの期間は、日本ではイワサキクサゼミが1~3年、ニイニイゼミが4年、
アブラゼミとミンミンゼミが5~7年というくらいしかわかっていない、
北アメリカには有名なジュウシチネンゼミ(周期ゼミ)がいる。
 セミの天敵は多いが、中でもセミヤドリガというガの幼虫は、
セミの足を伝わって腹部にくっついて体液を吸う。
数日でセミの体から離れて蛹となる。(林 正美)
(『四季の博物誌』荒垣秀雄編 朝日文庫 1988年)
ハエトリグモの仲間に会えました。
曇り空で暗い場所だった上に
小さくてピントを合わせることができなかった(T.T)
左夫流児(さぶるこ) 
(いつ)きし殿(との) 
鈴掛(すずか)けぬ 
駅馬(はゆま)(くだ)れり 
(さと)もとどろに
  巻十八・4110 大伴家持(おおとものやかもち)


左夫流児という名の遊女が
かしずく御殿に
鈴もかけない早馬が
都から下ってきた
里じゅうを轟かせて
(『NHK日めくり万葉集vol.7』中村勝行編 講談社 2009年)
――単身赴任先で、地元の女性と深い関係にあった夫のもとへ、
妻が訪ねてきたときの様子を詠った歌です。

(選者)倉田真由美
単身赴任している夫のところに、何も告げずに行ってみたら、
よその女を連れ込んでいた、
いま、日本や世界のどこかでも、きっと同じ場面が見られるんでしょう。
すごく想像しやすくて、共感しやすい歌です。
――この騒動の主役は、尾張少咋(おわりのおくい)という役人。
作者の大伴家持が地方長官を務めていたときの部下でした。
少咋は、奈良の都に妻を残して単身赴任していましたが、
左夫流児という地元の遊女に入れ込んでいました。
舞台は越中国、今の富山県です。

倉田真由美
夫側にすれば絶対安心な状態で単身赴任です。
いまで言えば、ブラジルあたりに赴任してるくらいの気分だったでしょう。

――安心し切って、夫婦のように左夫流児と馴れ合う尾張少咋。
その姿を苦々しく思った家持は、少咋を教え諭す長歌と反歌あわせて四首を万葉集に残しています。
その中の一首、

  あをによし 奈良にある妹(いも)
  高々(たかたか)に 待(ま)つむ心(こころ) 然(しか)にあらじか
  (巻十八・4107 大伴家持)

  奈良にいる君の細君が 
  いつ来るかと 使いを待っている心を思うと これではいけないんじゃないか

――家持の懸念は現実のものとなりました。
この歌を詠んで、はや二日後、少咋の妻が、はるばる奈良から突然訪ねてきたのです。

倉田真由美
ハチ合わせしたときによくあるパターンとしては、
「何でこんなところに来るんだ」と男が逆ギレして乗り込んだ妻に怒ったり、
「いや、彼女がおなかが痛いというから休ませてあげてるだけなんだ」みたいな、
いかにも無理な言い訳をしたり。
悪いのは男だから、そういう場面で一番傷つくのは男であるべきだと思うんです。
逆に、どちらの女性もなるべく傷つけないような対処ができる男って、いいなあ。
そういうときこそ、男の見せ所でしょう。
(『NHK日めくり万葉集vol.7』中村勝行編 講談社 2009年)

富士山で「笠雲」強風や大雨の前兆

  萍(うきくさ)のさそひ合せてをどり哉

[訳]浮き草があちこち誘い合わせて踊り興じていることよ。
[季]「おどり」秋。
[語]萍―根が地につかないで水に浮いている草。浮かれた若者に擬(なぞら)えた。
[解]中世末期から近世初頭に行われた少女による「やや子踊り」(小歌踊り)をイメージした作。
ややこ、身は浮き草よ、根を定めなの君を待つ、いのやれ月の傾く」(歌謠・おどり)をふまえた、恋を誘うおどり。
[参]七月三日、高徳院、兼題「踊」。
空存「浮草やまかぬ小町が歌の種」(ゆめみ草)。
(『蕪村句集 現代語訳付き』玉城 司訳注 角川ソフィア文庫 2011年)

歌舞伎の誕生」(江東区深川江戸資料館)

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