2020年3月17日火曜日

風は冷たかったけれど

暖かくなると思っていたら、今朝の風も結構冷たかったです。
それでも日差しが暖かいので途中で、一枚脱ぎました。
寒さは17日朝まで 日中は暖かく」(えりの気象日記 3月16日)

3月17日 
万里小路時房が危篤の下女(げじょ)を乞食小屋に移した。 1441(嘉吉<かきつ>元)年
 万里小路時房(までのこうじときふさ)はこの日、危篤におちいった下女に屋敷内で死なれることをおそれ、乞食の家をみつけて、これに移させた。
移したのは夕方の六ツ時(6時ころ)で、四ツ時(夜の10時ころ)にはもう死んでしまったと下男から報告があった。
時房は穢(けが)れないですんだとホッと胸をなでおろした。
 これは、室町時代の公家(くげ)の知識人であった時房の日記の記事である。
平安時代以来、貴族は、自分のまわりで死者がでると、「触穢(しょくえ)」といって、ケガレたと考え、朝廷への出仕もとりやめるならわしであった。
そうしたケガレの思想はこのころも強烈だったわけである。
 永年召し使った下女が死にそうになると、乞食小屋に捨てさせるとは何と非人間的なことだろう。
このころ乞食はケガレた人であり、ケガレを片付ける人と考えられていた。
(『カレンダー日本史 岩波ジュニア新書11』永原慶二編著 1979年)
 「NY株式市場 約3000ドル値下がり 過去最大」(NHK)
G7会議をしても株の暴落に歯止めがかかりませんね。
G7会議 首相『治療薬開発など結束を オリ・パラ開催に支持』」(NHK)
首相が大丈夫と仰っても投資家は、信用していないみたいです。
敬愛する高田渡の「値上げ」を思い出してしまう。
値上げ」を「延期」や「中止」に置き換えることができます。
今の日本に、高田渡のように歌える気骨のある人がいるのかな…
やっていることを見せたいだけのショーみたいな首脳会談よりも
“新型コロナ” データベース化」(NHK 関西)の方が重要で有益だと思う。
マスクの品不足を嘆くばかりでなく
『ふきん』で簡易マスク」(NHK 関西)という知恵もあるのですね。
前から書いているけど、マスクで感染防止をするのは難しいです。
でも、人に感染することを軽減することができます。
紹介されている簡易マスク作り方は
抗菌ふきんで簡単に作れる手作り抗菌ガーゼマスク」(サンベルム)
話を変えて(^^ゞ
30年ほど前に昔の登山道を歩きたくて徳本峠から新島々へ歩いたことがあります。
今は、徳本峠小屋も新しくなったみたいですが、
宿泊客が多く玄関?で寝たような記憶があります(*´▽`*)
新島々へ下りながら、この登山道を上がるのは大変だなと思った。
芥川龍之介の作品に大正9年6月の槍ヶ嶽登山の紀行文で、
雑誌「改造」に7月発表された「槍ヶ嶽(やりがたけ)紀行」があります。
数回に分けて転記したいと思いますφ(..)
槍ヶ嶽紀行

     一


 ――島々(しましま)という町の宿屋へ着いたのは、午(ひる)過ぎ――
もう夕方に近いころであった。
宿屋の上がり框(かまち)には、三十恰好(かっこう)の浴衣(ゆかた)の男が、青竹の笛を鳴らしていた。
(『芥川龍之介全集 第五巻』編集者:伊藤整、吉田精一 角川書店 昭和43年)
 私はその癇高(かんだか)い音(ね)を聞きながら、埃(ほこり)にまみれた草鞋(わらじ)の紐を解いた。
そこへ婢(おんな)が浅い盥(たらい)に、洗足(せんそく)の水を汲んで来た。
水は冷たく澄んだ底に、粗(あら)い砂を沈めていた。
 二階の縁側の日除(ひよ)けには、日の光が強く残っていた。
そのせいか畳も襖(ふすま)も、残酷なほどむさくるしく見えた。
夏服を浴衣にに着換えた私は、括(くく)り枕を出してもらって、長々と仰向けに寝ころんだまま、昨日(きのう)東京を立つ時に買った講談玉菊灯籠(たまぎくどうろう)を少し読んだ。
読みながら、浴衣の糊(のり)の臭いが、始終気になって仕方がなかった。
 日がかげるとさっきの婢が、塗りの剝(は)げた高盆(たかぼん)に湯札(ゆふだ)を一枚のせて来た。
そうして湯屋は向う側にあるから、一風呂浴びて来てくれと言った。
 客は私一人ぎりであった。
もう薄暗い湯壺に浸っていると、ぽたりと何かが湯の上へ落ちた。
手に掬(すく)って、流しの明りに見たら、馬陸(やすで)という虫であった。
手のひらの水の中に、その褐色の虫がはっきりと、伸びたり縮んだりするのを見ることは、妙に私を寂しくさせた。
 湯屋から帰って、晩飯の膳に向った時、私は婢(おんな)に槍ヶ嶽(やりがたけ)の案内者を一人頼んでくれと言った。
婢は早速(さっそく)承知して、竹の台のランプに火をともしてから、一人の男を二階に呼び上げた。
それは先刻上り口で、青竹の笛を吹いていた男であった。
「槍ヶ嶽のことなら、この人は縁の下の五味(ごみ)まで知っております」
 婢はこんな冗談を言いながら、荒らされた膳を下げて行った。
 私はその男にいろいろ山のことを尋ねた。
槍ヶ嶽を越えて、飛騨(ひだ)の蒲田(がまた)温泉へ出ることができるかどうか。
近ごろ噴火の噂がある、焼嶽(やけだけ)へも登山できるかどうか。
槍ヶ嶽の峯伝いに穂高山(ほたかやま)へ行くことができるかどうか。
――そういうことが主(おも)な問題であった。
男は窮屈(きゅうくつ)そうに畏(かしこま)りながら、無造作にそれらは容易だと答えた。
「旦那さえお歩けになれりゃ、どこでも訳はありません」
 私は苦笑した。
上州(じょうしゅう)の三山、浅間山(あさまやま)、木曽の御嶽(おんたけ)、それから駒ケ嶽(こまがたけ)――そのほか山と名づくべき山には、一度も登ったことのない私であった。
「そうさな。まず山岳会の連中並みに歩ければ、見っけものと思ってもらおう」
 男が階下へ去った時、私はすぐに床(とこ)を敷いてもらって、古蚊帳(ふるがや)の中に横になった。
戸を明け放った縁側の外には、暗い山にただ一点、赤い炭焼きの火が動いていた。
それがかすかながら、私の心に、旅愁ともいうべき寂しさを運んで来た。
 やがて婢が戸をしめに来た。
戸の走るたびに山の上の星月夜が、私の眼界から消えて行った。
(ま)もなく私の寝ているまわりは、古蚊帳の四方を遮(さえぎ)られた、行灯(あんどん)ばかりの薄暗がりになった。
私は大きな眼をあきながら、古蚊帳の天井を眺めていた。
するとあの青竹の笛の音(ね)が、かすかにまた階下から聞こえて来た。
島々 長野県南安曇郡安曇村。上高地への入口。

講談玉菊灯籠 江戸吉原の名妓、玉菊の純粋な愛情を講談に仕組んだもの。

飛驒の蒲田温泉 岐阜県吉城郡上宝村にある温泉。

焼嶽 長野・岐阜県境にあり、飛騨山脈中の活火山。上高地に近い。

上州の三山 上野(群馬)の赤城、榛名、妙義の三山。

山岳会 明治39年に設立された日本山岳会。
(『芥川龍之介全集 第五巻』編集者:伊藤整、吉田精一 角川書店 昭和43年)
今朝の父の一枚です(^^)v
風車の丘ではチューリップがこれから伸びてくるようです。
見ていると気の早い子がいるみたいです(*´▽`*)
午後から、プリンターのインクと用紙を買いにショッピングセンターに行くと、こんな貼り紙がありました。
愛煙家の皆さんは辛いかもしれないけど
いつもこの喫煙所の側を通る時に、あまり間隔がなく並んでおられるなと思っていました。
 喫煙所の当面のご利用休止のお知らせ
(略)
厚生労働省の発表では「屋内などで、お互いの距離が十分にとれない状況で一定時間いることが、感染のリスクを高める」とされています。
喫煙所においても、そのような環境にあると考え、感染拡大の防止という観点から、当面の間のご利用を休止させていただきます。
(略)
 2020年3月3日

去年の自殺者2万169人 10年連続減少 過去最少に」(NHK)とニュースにあるけど
2万169人を365日で割ると1日に約55.3人もの方が自殺されている。
新型コロナウイルスで毎日50人以上の方が亡くなったらどれだけパニックになるか。
3月17日現在で
世界で感染者が173,344人で死者が7,019人

日本では感染確認が1,547人で死者が35人

2018年に自殺された方の中に赤木俊夫さん(54歳)がおられる。
「自殺者数」(警察庁)を見ると働き盛りの男性が多い。
ロッキード事件をスクープした立花隆さんのルポを掲載したのも文藝春秋社の『月刊 文藝春秋』だった。
「すべて佐川局長の指示です」森友事件で自殺した財務省職員「遺書」入手〟(週刊文春3月26日号)
永年仕えた下女を乞食小屋に移した万里小路時房を思った…