2019年1月8日火曜日

朝の方が暖かく感じる(^。^)

気温は低いですが、風がないので陽射しが暖かかったです(^。^)
椿の花を縁起が悪いという人、良いという人、どちらがホント?
喜寿、米寿、茶寿のまだ上に椿寿(ちんじゅ)がある

(…略…)

 さて、花が散るさまを表現するときは、桜は舞うといいますが、
椿は落ちるという言いまわしになります。
牡丹などは存在感があるため崩れる、
萩はこぼれるというように書くのがぴったりした表現です。
 家の中で静かにしているとき、椿が花弁をばらけさせず、
(しべ)をつけたまま一輪のまま落ちて
「バサッ」という音にびっくるさせられることがあるでしょう。
 これを首が落ちるイメージにとる人もあり、
縁起が悪いという言い方をされます。
だから病気見舞いなどには避けた方がいいとたしなめられるわけです。
(『暮らしの伝承』蒲田春樹 朱鷺書房 1998年)

椿の柄が嫌われる理由
 着物の柄でも、椿を嫌う人は少なくありません。
私が経営コンサルタントをしている関係上、
セミナーに講師として出席したときのエピソードを紹介しておきましょう。
 これは、和装品の販売にあたっておられる女性たちの勉強会です。
その席上で、ある方が次のような質問をされました。
「先生、きものを販売しているときに、
 椿の柄をあしらった素敵なきものがあったんです。
 お客さまも、買う気になっていらしたんですが、横合いから、連れのお客さんが
 『椿の柄は縁起が悪い。椿が落ちるときはポロッと首が落ちるようで、
 昔から着物には合わない』と口をはさまれ邪魔をされたことがありました。
 何かよいセールストークがありませんか?」
「あなたは何とおっしゃったんですか?」
「やむを得ず、これは椿とちがいます。さざんかの花ですと言い切ったんです。(笑)
 ですけど、そういいながら気になるので、
 キチッとした知識を覚えておいて知的武装したいとのです」
(『暮らしの伝承』蒲田春樹 朱鷺書房 1998年)
「なるほど。確かに、一部には、そういう人がいらっしゃいますが、
 それは大きな誤解です。
 中国に『荘子(そうし)』という学者が
 『樹齢八千年の大椿あり、八千歳をもって春と為(な)す、
 即ち、椿は長寿長命のシンボルである。
 椿寿(ちんじゅ)という単語の由縁(ゆえん)もそこにある』と言っています。
 これは日本漢和辞典にも載っています。
(『暮らしの伝承』蒲田春樹 朱鷺書房 1998年)

 ちなみに喜寿(きじゅ)が七十七歳のお祝い、米寿(べいじゅ)が八十八歳、
 白寿(はくじゅ)が九十九歳(これは百の一を取ると白になるところからきもの)、
 茶寿(ちゃじゅ)は八十八に草かんむりの二十を加え百八歳。
 椿寿はまだまだその上というえわけです。
 ともあれ、椿を縁起が悪いという人がなどがあったら、
 『とんでもございません。確かに昔は悪いように言う人もありましたけど誤解です。
 本当は縁起の良い柄なんですよ』と言ってあげてください」
 こんなやりとりがあったくらいです。
(『暮らしの伝承』蒲田春樹 朱鷺書房 1998年)

古代人はツバキに霊力があると信じていた
 それは、古代の日本人は椿に霊力があると信じていたようです。
「古事記」には天皇を神聖な椿に擬(ぎ)した表現が随所に見られます(仁徳天皇など)。
「日本書紀」でも景行(けいこう)天皇のところには、九州平定の際、
ツチグモと呼ばれる反対勢力を退治するために霊力のある椿の木で武器をつくり、
これを全滅させたと記述されています
(なお日本書紀では「椿」の字に「海石榴」と和名を当てています)。
(『暮らしの伝承』蒲田春樹 朱鷺書房 1998年)
 また東大寺正倉院には、孝謙(こうけん)天皇の天平宝字(757)から
現在に伝わる椿の卯杖(うずえ)があり、
京都上賀茂神社では、正月の初卯(はつう)の日に参詣に来た人に、
邪気を払い延命長寿をもたらす椿の卯杖を与える儀式が今も行なわれています。
(『暮らしの伝承』蒲田春樹 朱鷺書房 1998年)

・「その参『飾る』」(薫香「香りと室礼教室」)

・「上賀茂神社初卯神事」(上賀茂神社 睦月の行事)
 このように、椿が神聖な霊木とされるのは、
年中変わることのない艶(つや)やかな緑の葉を保ち、
春に先駆けて雪の中でも花を咲かせる、
この木の生命力に畏敬(いけいの)念を抱いたからでしょう。
(『暮らしの伝承』蒲田春樹 朱鷺書房 1998年)
 京都府の北部・加悦(かや)町の古墳近くに
樹齢千年を超える日本最古の椿があります。
私も車を走らせて確認して来たのですが、
現在でも赤紫のワインカラーも艶やかに、神秘的な趣をみせています。
 赤や白椿の花言葉は、理想的な愛、すばらしい魅力とあります。
霊力が、現在では魅力になったのでしょうか。
(『暮らしの伝承』蒲田春樹 朱鷺書房 1998年)

・「滝の千年ツバキ」(京都府与謝郡与謝野町)
去年、うっかり見落とした番組が1月10日(木)午後1時05分~再放送されます。
ハートネットTV「がんになって分かったこと~写真家 幡野広志 35歳~