2024年12月29日日曜日

冷たい風がふいていて

今朝も冷たい風で体が冷えました。
空気が乾燥しているので火事のニュースが多いですね。

大阪 門真の工場で爆発 3人重症」(関西NHK 12月28日)
ガザの病院にイスラエル軍突入 WHO「死刑宣告だ」と強く非難〟(NHK 12月28日)

朝日新聞「天声人語」(12月27日)

 …前略…

▼「異常な状況について話します」で始まった赤根さんの演説は、緊張感に満ちていた。
ICC職員への攻撃や圧力があること。
職務を忠実かつ勤勉に遂行したために深刻な脅しを受けいてること。
「法律にのみ従う」覚悟であること。
▼名指しはなかったが、こうした状況の原因が、プーチン大統領やネタニヤフ首相への逮捕状にあるのは明らかだ。
ロシア政府は反発し、赤根さんらを指名手配した。
イスラエルを支持する米国の議会にも、経済制裁を科す動きがある。
▼ウクライナとガザで続く戦争で、国際司法は新たな危機を迎えたのだと改めて実感した。
124の国・地域が加盟する裁判所が公然と批判され、脅される事態なのだ。
脅しているのはICC非加盟とはいえ、国連安保理の常任理事国である。
▼個人の戦争責任を問う。
勝者が敗者を、ではなく、国際社会が裁く。
そのために22年前、ICCが設立された。
▼二つの大戦後の模索を経てできた仕組みが存亡の危機にあるという。
赤根さんが見てほしいと訴えた「月」は戦争犯罪であり人道主義の侵害であり、それらを裁くための法の支配なのだろう。
  2024・12・27
今朝放送された
こころの時代~宗教・人生~〝シリーズ徹底討論 Vol.9「宗教と政治」 「信教の自由」を問う
早朝なので見ておられない方が多いと思いますが、
「アメリカ、中国そして日本における『信教の自由』の現状を検討し、宗教と政治のあるべき姿」について話し合われていました。

NHK NEWS おはよう日本」(12月27日 午前5時43分過ぎ)

マラク・マタールさんへのインタビュー

「これはガザの子どもたちが、世界中の子どもたちと同じように
安全・安心、尊厳ある生活をおくる権利があることを気づかせるための絵本です。」

「ある日隣のすてきな高齢女性が目の前で殺されました。
体は引き裂かれていました。
『これが死だ。私もすぐに殺される』と思いました。
私はまだ14歳でした。
自分を表現したい、話したいという思いでアートを始めました。
現実逃避しているような感覚でした。

絵を描くのはメッセージを送るすばらしい方法、
私にとっての目的や使命となりました。
ガザには人々の強い決意と逆境に負けない力
海の美しさ、果物やバラの花の豊かさもある。
私は、ガザの美しさを伝えようとしてきた。
故郷が消滅していくのを見るのはとてもつらい。
自分が育った場所がもはや存在しないのだから
それまでは希望があった。
灰やがれきの中から立ち上がる人々の姿をいつも見ていたから。
しかしあれから10年たち希望を持っていたからこそ
いまの大量虐殺に打ちのめされた気持ちになります。

読み聞かせをしていても最後の一文は
いつも他の人に読んでもらいます。
なぜなら読むのがつらいからです。
私はガザに戻りたいのです。
たとえガザがもう存在していないとしても
ただのがれきになっていたとしても
ガザが私のふるさとなのです。

Malak Mattar」(Instagram)

ガザで生まれ育ったパレスチナ人女性が描いたガザの思い出『おばあちゃんの白い鳥』」(講談社BOOK倶楽部 今日のおすすめ 10月31日)
 解 説 長沢美抄子(中東文化研究家)

 2023年10月7日、イスラエルによるパレスチナのガザ地区への攻撃がはじまりました。
空と地上からのひどい攻撃が、今(2024年8月)も続いています。
最初の6か月で、少なくとも1万4千人以上の子どもが亡くなったそうです。
安全なところはどこにもなく、食べ物も水も足りず、親やきょうだいを亡くした子もいます。
にげだしたくても、どうにもなりません。
ガザのまわりは高いかべにおおわれいて、海に出ていくことも禁じられ、いつもきびしく見はられているからです。
ガザの子どもたちがうけている心の傷の深さは、想像もできません。
(『おばあちゃんの白い鳥』マラク・マタール著、さくま ゆみこ訳 講談社 2024年)
でもこれは、今とつぜんにはじまったことではないのです。
『おばあちゃんの白い鳥』には、10年前の2014年に、作者マラク・マタールさんが実際に経験したできごとが描かれています。
マラクさんの過ごしたおそろしいガザの夏は51日間続き、2200人もの人たちが亡くなりました。
それより前も、ガザはこれまでに何度も、攻撃されてきたところなのです。
マラクさんの子ども時代から今も変わらない「空へのあこがれ」が、この物語のひとつのテーマになっています。
おばあちゃんの鳥が鳥かごを出て、空を、そして世界を飛びまわる夢を見る、マラクさんのような子どもはガザにはたくさんいます。
生まれて一度もガザから出たことがなく、空からの爆弾の音にいつもおびえて生きてきた子たちなのです。
恐怖の中、マラクさんは空を見上げ、自由に世界を飛ぶ鳥に自分を重ねて、未来を想像しました。
そして絵を描(か)くことで心の傷をなおしてきました。
マラクさんはその後も絵を描きつづけ、努力して外国で勉強し、今では注目の若手画家です。
ガザの子どもが夢中になる遊びに、たこあげがあります。
一度にあげたたこの数の世界記録をうち立てたこともあるほどです。
子どもたちは海岸に集まって空高くたこをあげ、心のつばさを広げて、自分たちも飛んでいくのです。
2011年の東北大震災の直後には、ガザの子どもたちが、東北の子どもたちのために、たこあげをして元気の風を送ってくれたこともありました。
ガザにはかつて国際空港がありました。
けれども、空爆され、わずか3年でなくなってしまいました。
残念ながら、空を飛ぶのは、鳥やたこだけではありません。
戦闘機も空を飛びます。
今ではドローン兵器も空からおそいかかります。
だからこそ、私たちは平和な空、安全な空に見守られて生きていたいと願います。
マラクさんが見上げて、自分をなぐさめた同じ空の下、いっしょになかよく生きていける世界になることを夢見ます。
夢と希望と愛を失わないで生きぬいて、とじこめられたかごの外へとはばたける日が来ることを、いのらずにいられません。
(『おばあちゃんの白い鳥』マラク・マタール著、さくま ゆみこ訳 講談社 2024年)