2024年10月13日日曜日

猛暑が続いたので

公園では、連日の猛暑でサクラやスモモなどの葉が
紅葉することなく散ってしまっている
春に咲くはずの花が咲いている。
昨日の画像ですが、エナガに出会えました。

岩波書店『世界』編集部の投稿(10月10日)

作家のハン・ガンさんがノーベル文学賞を受賞されました。おめでとうございます!
本誌11月号では、作家・映像作家の中村佑子さんが「読書・鑑賞日記 読んで、観て、聴いて」で最新邦訳『別れを告げない』(斎藤真理子訳、白水社)を取り上げています。
どうぞご覧ください。
読書・観賞日記
 読んで、観て、聴いて
 中村佑子(作家/映像作家)

 2024年8―9月

 パリ五輪を眺めながら、実にさまざまなことを考えた夏だった。
ロシアの選手は呼ばれずイスラエルが出場したことは、欧米にとっての倫理とはどんな意味を持つのか、考えさせた。
逃げ場さえない民間人の虐殺に、正統性など存在するのか。

 …中略…

 賀淑芳(がしゅくほう)『アミナ』(及川茜訳、白水社)というマレーシアの女性作家の小説にも、社会の曖昧さを強く感じた。
…中略…
(『世界 2024年11月号』岩波書店)
 ファン・ジョンウン『百の影』(オ・ヨンア訳、亜紀書房)もまた、社会に封殺される声を純粋な形で守り抜こうとする小説だった。
…中略…

 ハン・ガン『別れを告げない』(斎藤真理子訳、白水社)はまた「被傷」の可能性ということを考えさせた。
この小説にはさまざまな傷が出てくる。
国家による民間人の虐殺、済州島四・三事件を生き抜いた人々の記憶、彼らの傷を自ら被ろうとする映像作家の女性は、指の切断というリアルな傷を負う。
…中略…

 ハン・ガンは朝日新聞のインタビューで「希望と文学には共有する点があります。文学ですることもまた、粘り強く想像することです」と述べている。
パンドラの箱の底には、それでも「希望」だけが残ったという。
私たちは、想い続ける。
(『世界 2024年11月号』岩波書店)
2001年10月に放送された
ETV2001 テロはなぜ生まれるのか 緒方貞子 ニューヨークで語る

インタビューで緒方さんはパレスチナ問題についても語っています。

あれだけ毎日のようにパレスチナの人たちがインティファーダと(民衆蜂起)いう形で抵抗して殺されて
それに対して 効果的な対応が出てきてないっていう現実はこの全ての動きに無関係じゃないと思いますし
去年 行ったんですけどね 招待があって
それで 両方見てきましたけどやっぱり… 
パレスチナ国家というものをきちっとつくって
そしてその範囲できちっとした行政もし
それでイスラエルとの共存というものを考えていく必要はあるんだろうと思いますけどね。
最後に去年の交渉過程では非常に永遠の問題っていう面もあるもんですから
そう一日二日では解決すると思いませんけれども


…中略…
無視してるわけですからねあれだけのひどい…
暴力っていってもせっぱ詰まった暴力の場合が片っぽはあると思うんですね
パレスチナ人の場合には生活していく上でも。
将来の何かの見通しを得るためでも非常に何かを必要としてると
それに対してイスラエルの方は多少 そういう… バラク政権の時は
そういうものを組み入れながら共存の道を探してたんですけど
今の政権は非常に強い態度をとってますからね。
やっぱり もっともっと本格的な交渉による解決したいっていうね
状況を作っていかなきゃなんないんじゃないでしょうかね。


…後略…

ETV2001 テロはなぜ生まれるのか 緒方貞子 ニューヨークで語る

23年前の緒方さんの言葉が、活かされなかった。
【解説】ノーベル平和賞 受賞理由と背景は」(NHK 10月11日)
日本被団協受賞のニュースで、一回目は故佐藤栄作元首相が受賞したと報道されていますが

佐藤栄作元首相 ノーベル平和賞受賞」(NHKアーカイブス 1974年)
あとでボロボロいろんなことが出てきました。

佐藤栄作元首相のノーベル平和賞 受賞当時の選考資料 初公開」(NHK 2024年1月5日)
当時はアメリカとソビエトを中心とする東西冷戦のさなかで、佐藤氏への授賞は核兵器の脅威や拡散に警鐘を鳴らす狙いがあったと見られていますが、その評価は今も分かれています。

衆議院 横路孝弘元議長の証言記録を公開」(NHK 3月29日)

ねほりはほり聞いて! 政治のことば「今回は密約問題」(NHK)
その故佐藤栄作氏が勲章を授与したのが
勲一等、「親授」せず〟(編集委員上別府保慶 西日本新聞 2018年5月17日)
どれだけ国民が国際法違反の空爆で殺戮されたか
佐藤氏は、なんとも思わなかったかもしれない。

その空軍参謀総長のカーチス・ルメイ大将が
ケネディに核戦争を迫った様子が描かれていたのが
映像の世紀バタフライエフェクト「キューバ危機 世界が最も核戦争に近づいた日
 2022年11月30日の記事

早乙女勝元さんの『東京が燃えた日 戦争と中学生』より転記した

「私は、日本の民間人を殺していたのではない。日本の軍需工業を破壊していたのだ。日本の都市の家屋は、すべてこれ軍需工場だった。スズキ家がボルトを作れば、お隣のコンドウ家はナットをつくり、おむかいのタナカ家はワッシャをつくっていたというぐあいに。……東京や名古屋の木と紙でできた家屋の一軒一軒が、すべてわれわれを攻撃する武器の製造工場になっていたのだ。これをやっつけてなにが悪いことがあろう。日本では女も、子どもまでが軍需産業にたずさわっていたことは以上の通りだが、残虐さは戦争そのものに帰せられるべきである」
と、ルメー司令官は自伝の中に書き残した。


イスラエル軍がガザを空爆して子どもなど民間人を殺戮しても処罰されない…

国連総会 事務総長 国際法違反“処罰されない世界”問題と指摘」(NHK 9月25日)。
国連事務総長 イスラエルの入植活動など停止求める報告書発表」(NHK 10月10日)

「パレスチナ人に対するイスラエルの差別的で抑圧的な支配はさらに強固なものになった」と批判しています。

イスラエル軍 国連平和維持部隊を攻撃 兵士4人負傷 批判強まる」(NHK 10月12日)

一方のイスラエル軍は「ヒズボラは意図的に市民や平和維持部隊の近くで活動する。隊員たちには、建物の中に退避するよう事前に伝えていた」などと説明し、地上侵攻を続ける構えを崩していません。

朝ドラ「虎に翼」第19週「悪女の賢者ぶり?」で美佐江が寅子に問いかけますよね
どうして人を殺しやいけないのか

10月7日の記事で紹介した
96歳の辻信太郎さんがどうしても許せない言葉「戦争だから仕方がない
今朝の父の一枚です(^^)/
昨日、ソメイヨシノが咲いているのにビックリしていました。

Q31 「狂い咲き」はどのような仕組みで起きるのか?

 …前略…

 サクラの花芽や葉のもとになる芽(葉芽)は夏に分化し、秋から冬に向かって越冬芽を形成し、成長が停止したままの状態(休眠)に入ります。
越冬芽は冬の低温で傷害を受けないように「芽鱗(がりん)」とよばれる鱗状の小片で堅く守られています。
休眠を誘導するのは、葉でつくられる植物ホルモン(160ページ「コラム11」参照)のアブシシン酸で、芽(葉芽・花芽)や種子の胚などの成長を抑制することが知られています。
 夏から秋にかけて日照時間が短くなると、葉はその変化を冬に向かうシグナルとして受取り、葉でアブシシン酸を多くつくり、葉芽や花芽に輸送します。
秋から冬にかけて葉は落ちてしまいますが、葉芽や花芽は休眠状態になるため生長しません。
 そして冬の低温を経験するあいだにアブシシン酸は減少し、同時に成長を促す植物ホルモンのジベレリンなどの量が増加して、やがて休眠状態が解除されます。
春になって気温が上昇し始めると、越冬芽は成長し始め、開花するのです。
 いわゆる狂い咲きは、花芽が形成された後に台風などで葉が異常落葉したりしてアブシシン酸の供給がなくなり、しかもその後高い気温が続いたりすると、休眠状態を経ないで成長し、開花してしまうものと考えられます。
つまり、狂い咲きは花芽の分化ではなく、花芽の成長と関係したことなのです。
 …後略…
(『これでナットク! 植物の謎』日本植物生理学会編  ブルバックス 2007年)