2024年10月20日日曜日

寒さを感じるほど…

公園に来ると前は、匂っていたのにと思ったら
キンモクセイの花がドサッと落ちていました。
昨日の雨と今朝の冷たい風のせいかな?

稚内・札幌など道内各地で初雪観測」(北海道NHK)
蕪村遺稿 秋
 戸をたゝく狸(たぬき)と秋をお(を)しみけり  (明和5・9・27)
(『蕪村俳句集』尾形 仂 校注 岩波文庫 1989年)

蕪村のこんな句が好きです。
なんか戸を開けると狸がにんまりとしているようなそんな情景を空想します。
もしかしたら狸と酒を酌み交わしているかも(^_-)
今朝は、寒さを感じるほどでしたが、明日からまたもや気温が高くなるみたい…
秋を楽しむことなく冬になるのかなぁ…
“ガザ北部の住宅地で空爆 子ども含む73人死亡” 中東メディア」(NHK)
何故、イスラエルはこのような残虐なことを続けるのか
なぜ、国際世論が停止を求めても聞く耳をもたないのか

 「訳者あとがき」つづき

 主著『トーラーの名において――シオニズムに対するユダヤ教の抵抗の歴史』( Au nom de la Torah:Une histoire de l'opposition juive au sionisme, Presses de l'université Laval,2004 )は長年ユダヤ人の間で多数意見だった、宗教的ユダヤ人によるシオニズムへの反対の歴史と諸理由を分析した著作で、「反シオニズム=反ユダヤ主義」という等式の批判を意図したものです。
また『イスラエルとは何か』( Comprendre l'État d'Israёl : Idéologie,religion et société, Écoscociété, 2014)では、イスラエルという国家、社会の特殊な性格が詳細に解明されています。
この二冊の著作にはすでに優れた日本語訳があります(いずれも菅野賢治氏訳、平凡社刊)。
(『イスラエルとパレスチナ』ヤコヴ・ラブキン著 鵜飼哲訳 岩波ブックレット 2024年)
 前者の出版時には著者の来日が実現し、一連の講演を通して読者、研究者と親しく交流して大きなインパクを残しました。
それまで日本で知られてきたユダ人によるシオニズム批判は、主として非宗教的な立場からなされたものでした。
ユダヤ教超正統派ネトレイ・カルタの信徒たちが、イスラエル国家不承認の立場を貫いていることは知られていても、イスラエル外の世界各地(いわゆるディアスポラ)のユダヤ教徒大衆のイスラエル国家観は、パレスチナ問題に関心を寄せてきた人々にとってもある種の死角になっていました。
それには「宗教」、とりわけユダヤ教に関する認識不足、人的・知的な交流関係の狭さ、シオニズムの歴史の一面的な理解など、複合的な要因があったと考えられます。
 本書では前著『イスラエルとは何か』に続き、パレスチナ自治区に対するイスラエル国家の占領政策がなぜ苛酷を極めるのかという、世界で広く共有されている疑問、驚き、憤りに応える形で、シオニズムの考古学ともいうべきものが粗描されています。
同時に、イスラエルの行動に対する怒りがユダヤ人全体に向かうことがないよう、ユダヤ史では圧倒的な長期間、ユダヤ人が自力で「聖地」に「帰還」することは厳重に禁じられていた事実を強調して、反ユダヤ主義の再燃を未然に防ぐという目的を持っています。
翻ってそのことが、イスラエルを批判すればたちまち「反ユダヤ主義者」というレッテルを貼られかねない、イスラエルおよび西側諸国における作為的な混同を断つことにもつながります。
 (以下、抜粋です)

 崩壊するシオニズム神話

 …略…

 宗教学者、歴史家としての著者の仕事は、近年次々に現れた以上のような画期的な研究と呼応しつつ、ユダヤ教の伝統的な立場、思想、倫理が、イスラエルの国教と言うべき「国民ユダヤ教」とは対極的なものであることを明らかにして、ヘブライ国家が世界のユダヤ人を代表するという主張に決定的な批判を加えました。
 暴力の系譜

 イスラエル国家の暴力性は、どんな国家にも内在する暴力性一般には還元できません。
なぜなら同質の暴力が、政治的シオニズム運動によって、国家樹立のはるか以前からすでに行使されていたからです。
この点で、著者がロシアの出身であることは重要です。
…略…

 当時ヨーロッパ・ユダヤ人の間でごく少数派だったシオニズムの暴力が、思想を異にするユダヤ人にまず向けられたことはある意味で必然でした。
「ユダヤ教の拒絶と新しい人間の形成」の章で述べられているように、シオニストによる最初の暗殺の犠牲者は、オランダ・ユダヤ人の弁護士ヤコブ・デ・ハーンでした。
…略……
 神から民族へ

 ユダヤ教とその歴史の理解にとって大切な事柄が、本書には簡潔ながら、豊かな学識に裏打ちされた深い含蓄をもって記されています。
またユダヤ人の歴史のなかでイスラエル国家の樹立が、どのような断絶を意味したかが詳細に説明されています。
 …略…
 イスラエルと国際規範

 …略…

 イスラエルは国連決議から誕生した国ですが、そのイスラエルが国連に対して示す敵意の激しさに驚かされます。
ガザでは多数の国連職員が殺されています。
このような国家がどのように形成されたのか、本書を通じて私たちは、その歴史的背景を深く知ることができるでしょう。
…略…
 レニングラードとガザ――植民地主義とヨーロッパの責任

 著者は第二次世界大戦が終結を迎えた年に、サンクトペテルブルクに、この街がレニングラードという名前だった時代に生まれました。
レニングラード封鎖の記憶は、著者の幼年期にはまだ生々しいものだったのでしょう。
 ガザとレニングラードの封鎖の比較が意味を持つのは、著者によれば、この二つの戦争がいずれも植民地主義的な意図から出た、民族浄化のための絶滅戦争だからです。
…略…

 本書がパレスチナ惨状に日々胸を痛め、100年を超えるこの紛争に公正な解決がもたらされることを希求する、多くの読者に出会えることを願って止みません。
 2024年8月26日  鵜飼 哲
(『イスラエルとパレスチナ』ヤコヴ・ラブキン著 鵜飼哲訳 岩波ブックレット 2024年)
父は今朝もモズ♀に出会っていました。
遠く離れていたうえに風が強かったので苦労したと話していました。

モズのはやにえの不思議
 冬の保存食説を検証してみよう!

 
 冬の保存食説には説得力があります。
しかし、ありきたりのでおもしろみに欠ける内容であるためか、検証例はこれまでありませんでした。
これは、はやにえ研究の先駆者になれるチャンスです。
もし、はやにえが冬の保存食ならば、モズは気温の低い(=エサの少ない)時期にはやにえを活発に消費するはずです。
そこで、この予想を確かめるため、私ははやにえの生産や消費の時期をつぶさに観察することにしました。
 観察地は大阪府南部の里山で、私がモズの生態調査を長年してきた場所です。
モズは9月ごろにここに渡ってきて、越冬のためのなわばりを巡って争い始めます。
10月になるとなわばり争いも落ち着き、モズはなわばりの中にはやにえをせっせと貯えるようになります。
はやにえの生産は越冬シーズン(10~1月)後の繁殖シーズン(2~5月)にも続いていく可能性があったため、はやにえ調査は10~5月に月1回の頻度で行ないました。
 調査方法はいたってシンプルです。
なわばりの中にある木の枝先や鉄条網、農作用の杭先などすべて見て回り、はやにえの生産時期と消費時期をひたすらモニタリングするだけです。
約2100個のはやにえをモニタリングした結果、おもしろいことがわかってきました。
(『日本野鳥の会のとっておきの野鳥の授業』日本野鳥の会編、上田 恵介監修 山と渓谷社 2021年)