2024年6月15日土曜日

曇ると思ったけど…

日ざしがきつい朝
天気予報を見ていると次第に曇る予報だったけど
歩いている間は青空で暑かったです。
昨日のニュースですが、これから覚悟しないといけないのかなぁ……

京都市など4か所でことし初の猛暑日 引き続き熱中症対策を」(京都NHK 5月14日)
 法隆寺で「玉虫厨子(たまむしのずし)」を見たことがあるのだけど、
くすんでいてその美しさが分らなかった…
出会ったタマムシは、キラキラ光り輝き美しい虫でした。

タマムシ 玉虫

【名前の由来】 「玉」とは宝石のこと。
「宝石のように美しい虫」という意味である。
英語でも jewel beetle (宝石甲虫)という。
(『散歩で見つける 虫の呼び名事典』森上信夫 世界文化社 2013年)
 玉虫厨子は有名だが、この虫の生きた姿を実際に見たことのある人は意外に少ないのではないだろうか。
決して珍しい虫ではないのだが、ここに行けば会える、というポイントが定まらず、昆虫愛好家といえども、なかなか狙って会える虫ではない。
夏のよく晴れた日に、高木のてっぺん付近をブンブン飛んでいるが、地上で見かける機会は、メスが枯れ木に産卵するために降りてきた時ぐらいである。
畑などで、鳥よけにCDディスクを紐でぶら下げている光景を時々目にするが、タマムシの体そのものがCD並みに輝き、これに鳥の捕食を回避する効果があるのかもしれない。
タマムシの仲間には、他にも右のアオマダラムシのような美麗種が多数知られるが、実は褐色系の地味な小型種の方が多い。
(『散歩で見つける 虫の呼び名事典』森上信夫 世界文化社 2013年)
朝ドラ「虎に翼」第11週「女子と小人は養い難し?」 (55)
多岐川が花岡奈津子が描いた絵を見ながら

人間 生きてこそだ。
国や法、人間が定めたもんはあっという間に ひっくり返る…。
ひっくり返るもんのために死んじゃあならんのだ。
法律っちゅうもんはな、縛られて死ぬためにあるんじゃない。
人が幸せになるためにあるんだよ。
幸せになることを諦めた時点で矛盾が生じる。
彼が、どんなに立派だろうが法を司
(つかさど)る我々は 彼の死を非難して怒り続けねばならん。
その戒めにこの絵を飾るんだ。


山口良忠(よしただ)判事が餓死したことは、知っていたけど
モヤモヤするものがあっただけに多岐川の言葉ですっきりしました。
崔 香淑(汐見香子)のことも物語が進む中で新たな展開が訪れると思っています。
朝ドラ「虎に翼」第11週「女子と小人は養い難し?」 (54)に登場した「ピンピン体操」
研修生たちの命名がぴったりです(^_-)

第3章 理想の裁判所を求めて

 七 理想の学校


 …前略…

 宇田川は時々、授業の前にノート片手に教室に入ってきて、入り口に近い席を陣取った。
そして得意げにこう言った。
「ぼくも勉強するんだ」
 ところが居睡りが多く、すぐにこっくりこっくりと始めてしまう。
迷惑なのは隣りに座った研修生である。
起こしていいのかどうか困ってしまう。
講師も怒るわけにはいかない。
そういうちょっと間の抜けたところも、研修生たちに愛された。
(『家庭裁判所物語』清水聡 日本評論社 2018年)
 健康法を考えついたと言って、研修生に体操を教えたこともある。
手を上げて何回も振るだけの単純なものだが、本人は「ピンピン体操」と名づけて大まじめである。
言われるとおりに全員で手を上げて「ピンピン、ピンピン」と繰り返したが、珍妙な光景にみんな大笑いした。
研修生たちから「宇田川式体操」ならぬ「疑わしき体操」と命名されている。
 今田(洋子)はこう話してくれた。
「多くの調査官にとって、そして私自身の人生にとって、この当時の研修所は忘れられない宝物のような一年でした」
 内藤(頼博)が作り、宇田川が引き継いだ「理想の学校」で毎年全国の調査官たちは学び、そうして、各地の家庭裁判所に戻っていった。
彼らはそれぞれの職場で、後輩たちに教えを伝えていく。
 家庭裁判所の理想はこうして静かに、全国へと広まっていった。
(『家庭裁判所物語』清水聡 日本評論社 2018年)

( )内は引用者。
6月11日の日記で
映像の世紀バタフライエフェクト「奇妙な果実 怒りと悲しみのバトン
少し触れたビリー・ホリデイのことではありませんが

[第二章]三淵嘉子―初の、女性裁判長
 第13節 野に下る
<『黒人の詩』>


 野に下って1年4ヵ月後の日記には、こう書いてある(昭和56年〔1981年〕3月22日付)。
 「テレビ朝日で『黒人の詩』マイヤーアンジェラスを見る。三歳で父母が離婚。母の愛人に17歳で強姦され、子を生み、売春婦や売春宿のおかみなどをした。
 自叙伝がベストセラー。詩人で自作の力強い詩をテレビで放送しているという。
(『三淵嘉子・中田正子・久米愛 日本初の女性法律家たち』佐賀千惠美 日本評論社 2023年)
 母校の高校を訪れるが、そこも荒廃している。しかし、彼女は生徒たちに、自分を高めるために学ぶことを忘れてはいけないと語りかける。彼女は常にトップの成績だったという。母校の壁にも、出身者の一人として、肖像が飾られている。
 黒人でどん底の生活をして、そこからはい上がって、黒人社会の良心として尊敬されていることに、アメリカの自由な豊かな社会を見る思いがする。堂々と売春婦、父のない子を生んだことを公にしながら、居直った太さではない。繊細なインテリジェンスを感じさせる。彼女を社会が受け入れているということは、日本では考えられない。
 日本は狭く、そしてあるべき型にはまっていなければ許されぬ社会だと思う。
 そして、彼女の詩は、弱い人を励ます、実に力強いたくましいものだ。これは彼女の今日ある、本当の姿なのだろう。感銘を受けた」(同日記から)
 66歳で書いたと思えぬほど、素直な感動が表されている。
嘉子の魂も開かれていた。
男社会で生きた嘉子である。
日本はあるべき型にはまっていなければ許されないと言っているのが、痛々しい。
(『三淵嘉子・中田正子・久米愛 日本初の女性法律家たち』佐賀千惠美 日本評論社 2023年)

「マイヤーアンジェラス」を検索したのですが、わかりませんでした。
今朝の父の一枚です(^^)/

ネムノキ 合歓木 マメ科ネムノキ属

 眠(ねぶ)りの木

 ネムノキは名前も可愛らしく漢字も「合歓」と、何とも素敵な植物です。
夜になると葉が垂れ下がって小葉が閉じるので、「眠りの木」からネムノキになりました。
『万葉集』の紀郎女(きのいらつめ)の歌にこうあります。

  昼は咲き 夜は恋ひ寝る合歓木の花
   君のみ見めや 戯奴
(わけ)さへに見よ

紀郎女が年下の大伴家持(おおとものやかもち)に、なかばからかい気味に贈った歌です。
家持を戯奴(年少の召使)扱いにして、私と一緒にネムノキの花を見ようと誘っています。
「眠りの木」にはどこか蠱惑的(こわくてき)な印象があったのでしょう。
 また、漢字を音読みして「かふくわの木」と呼んだようです。
『新撰和歌六帖』には葉室光俊(はむろみつとし)

 山深み いつよりねぶと名をかへて
  かふくわの木には 人まどふらむ


が載っています。
(『有職植物図鑑』八條忠基 平凡社 2022年)