朝ご飯の用意をしているとテレビから「緊急地震速報」
いつまで地震が襲うのだろう。
「石川県 輪島 珠洲で震度5強 家屋5棟倒壊」(NHK)
地震で地盤が緩んでいるので少しの雨でも地滑りがおきる。
「東北と関東甲信 天気急変のおそれ 土砂災害に十分注意を」(NHK)輪島の人たちは、フラッシュバックに襲われたのではないだろうか。
揺れを感じなかった大阪でも「緊急地震速報」の音を聞いただけで
気が小さい私は、血圧が上がったみたいだったし、お腹の具合も悪くなった。
「長崎 雲仙・普賢岳の大火砕流からきょうで33年 犠牲者を追悼」(NHK)
日本は、世界でも類を見ないほどの自然災害の多い国だ。
次世代に語り継いで忘れないようにしないと。
毎日、イスラエル軍の攻撃を受けているパレスチナの人々を思う。
「イスラエル軍 “大量の武器発見”など主張 国内向けアピールか」(NHK)
3章 2023年 ついに勃発!
▼ハイテクの国が貧乏な国に負けた!
本章の冒頭に、用心深いイスラエルがハマスの奇襲を防げなかったのは、〝読み違い〟があったからだと説明しました。
イスラエルの誤ちの裏事情について、もう少し深堀りしてみます。
イスラエルとハマスは過去に4回戦っていますが、いずれも小規模なものです。
ハマスがちょっと強くなってきたら攻撃して力を削(そ)ぐ。
イスラエル風に言うと「芝刈り」です。
ハマス自身も「出すぎたらとことん叩かれる」とわかっているので、バカなことはしません。
〝暗黙の了解〟が双方にあったわけです。
イスラエルはこれに油断した。
一方、ハマスは逆手にとったのです。
(『なるほどそうだったのか! ハマスとガザ戦争』高橋和夫 幻冬舎 2024年) ガザでは仕事が少ないため、イスラエルに行って日雇い労働をします。
イスラエル側は、その人数を絞り、厳しく管理していました。
ところが、ハマス側は「もっと人数を増やしてほしい」と申請していました。
イスラエル側は、これでハマスは住民の「生活をよくしたいのだろう」と思っていました。
しかし、結果的に、イスラエルの油断を招きました。
「ガザの人々の生活が苦しい状況で、ハマスが大規模な攻撃をしかけてくることはない」と思ってしまったのです。
一般的なイスラエル人の感覚からすると、「自分たちはハイテクの国で軍事力もある。敷設した高い壁にはセンサーも付いている。われわれの国に、あんな貧乏で劣ったアラブ人が、大規模な戦争なんてしかけてこられるはずがない」と慢心していたわけです。 イスラエル人には、こういう傲慢なところがあるようです。
というのも、ちょうど50年前の1973年10月6日、第四次中東戦争でエジプトとシリアがイスラエルに奇襲攻撃をしかけました。
その時もイスラエルは「そんなバカな。アラブ人が戦争なんかできるわけない」と思っていたので、やられてしまいました。
その前の第三次中東戦争に大勝したイスラエルは、アラブ人は二度と挑戦してこないだろうと思い込んでしまっていたのです。
戦争に勝つとよくない面が出ます。
知らず知らず驕(おご)りが出て、傲慢になってしまうのです。 実は、今回の戦争が始まる前、いろいろな情報がイスラエルに届いていました。
たとえば、隣国エジプトは「危ないよ」と通告していましたが、耳を傾けなかったそうです。
最近では、現場からの報告を無視した、という話も漏れ出てきています。
望遠鏡で監視していたイスラエル兵が「ハマスが変な訓練をしている。危ないのではないか?」と上官に報告しましたが、「大丈夫。放っておけ」と言って取り合わなかったと。
報告をした兵士が女性だったため、「女が何を言ってるんだ」と取りつく島もなかったそうです。
いずれも、イスラエルの慢心と油断を物語るエピソードだと言えるでしょう。 ▼イスラエルの失態の内部情報が漏れてくる
今、イスラエルの失態に関する驚くべき情報が、イスラエルの内部から漏れ出てきています。
たとえば次のようなものがあります。
「イスラエル側がハマスの奇襲作戦が書かれた文書を1年ほど前に入手していた」という情報です。
「グライダーを使って奇襲をかける」などの情報を得ていたのに、「いや、この文書はハマスが『こういう作戦をやりたい』と言っているだけで、『実戦で実行する』と言っているわけではない」と楽観的に捉え、何も対処しませんでした。
結果は、件(くだん)の作戦文書に書かれた通りのことが起こっているわけです。 なぜ、重要文書は無視されたのか?
情報はどこまで上がっていたのか?
そして、なぜそのようなインサイダーの情報が、今になって出てきたのか?
これを明らかにすることで、今のイスラエルの内情が見えてくると思っています。
調べ直したこの情報は『ニューヨーク・タイムズ』がスッパ抜きました。
イスラエルのメディアは、軍部や情報関係の規制がかかっており、「これ、ダメ」と言われたら印刷できません。
このため〝何者か〟が『ニューヨーク・タイムズ』にリークしたというわけです。 誰がリークしたのか? それはわかりません。
でも、2つの方向性が考えられます。
もし私がネタニヤフ首相なら、リークするだろうと思います。
「こういう文書があったのに自分のところまで来なかった。だから自分の責任じゃない」と批判をかわせます。
あるいは、現場の人ということもあり得ます。
上層部の腐敗ぶりがひどい場合です。
実際に危険を背負うのは現場ですから、せっぱつまった状況を変えるために決死の覚悟で内部告発をする。 いずれにしても、イスラエルの傲慢さによって、組織の機能が鈍化していたことは間違いありません。
サイモン&ガーファンクルの『ボクサー』という曲の一節にこうあります。
「それでも人は聞きたいことを聞いて、聞きたくないことは無視するんだよね」(著者訳)
ちなみにサイモン&ガーファンクルもユダヤ系です。
(『なるほどそうだったのか! ハマスとガザ戦争』高橋和夫 幻冬舎 2024年)
The Boxer (P.Simon)
……
Still,a man hears what he wants to hear
And disregards the rest
……
「紅麹問題受け 機能性表示食品制度見直し 政府対応方針まとまる」(NHK 5月31日)
いい加減な制度だったんだ
成立時に忖度があったのではないかと疑ってしまう。
(よく「反対ばかり」と批判する人たちがいる)
小見出しと一部を転記します。
「紅麹」サプリ事件の深層
神里達博(千葉大学教授)
四半世紀ぶりの大事件 (省略)
「製薬」という名の化学メーカー (省略)
食と養生の歴史 (省略)
健康食品ブームの背景 (省略)
「機能性食品」と「トクホ」 (省略)
米国サプリメント業界vs.FDA (省略)
(『世界 2024年6月号』岩波書店) アベノミクスと「機能性表示食品」
話を日本に戻そう。
健康食品の世界に、国が作った「保健機能食品」というジャンルが設けられ、「特定保健用食品」と「栄養機能食品」が位置づけられた。
そこに今から10年ほど前、さらに新しいカテゴリーが加わった。
それが「機能性表示食品」である。
健康被害を出した小林製薬のサプリメントもその一つだ。
そしてこの動きには、「アベノミクス」による規制緩和が大きく関わっている。 2012年末に政権に返り咲いた安倍晋三首相(当時)は、翌年1月18日、かつて存在した規制改革会議を復活させる。
その第二回会合において委員の一人が、健康・医療分野における規制改革を求める提言を行った。
そこで打ち出されたのが、医薬品・医療機器の審査迅速化と、サプリメントの機能性表示の規制緩和であった。
4月4日には同会議の下に設置された健康・医療ワーキンググループ・第二回会合が開催されたが、そこに業界団体「健康食品産業協議会」の会長も参加し、保健機能食品には該当しない一般の健康食品についても、機能性表示を認めるよう要望した。 6月5日、規制改革会議は首相へ答申し、そこには「一般健康食品の機能性表示を可能とする仕組みの整備」が明記された。
これを受け、首相は内外情勢調査会でのスピーチにおいて、以下のように述べている。
「健康食品の機能性表示を、解禁いたします。(中略)現在は、国から「トクホ」の認定を受けなければ、「強い骨をつくる」といった効果を商品に記載できません。お金も、時間も、かかります。(中略)アメリカでは、国の認定を受けていないことをしっかりと明記すれば、商品に機能性表示を行うことができます。」
そし、このトピックの最後に、「世界で一番企業が活躍しやすい国の実現。それが安倍内閣の基本方針です。」と付け加えた。
アベノミクスのいわゆる「三本目の矢」の中に位置づけられた、この規制緩和の方針に基づき、2015年4月、「保健機能食品」の三つ目のカテゴリー、「機能性表示食品」制度がスタートした。 改めて確認しておくが、機能性表示食品は、事業者の責任において機能性を表示する食品であり、安全性と機能性の根拠についての情報を消費者庁長官に届けるだけで、機能についての表示が可能になる。
国は審査をしないので、安全性は効果についての責任を負わない。
「トクホ」とは全く異なる制度であり、先ほど述べたDsHEA(アメリカで1994年に成立した「栄養補助食品健康教育法」)の枠組みに近いと考えられる。 また、最初に「トクホ」が作られた際は、それなりに時間をかけて制度設計がなされた。
しかし機能性表示の解禁は、審議会で提案されてから実質的に数ヶ月で決定している。
拙速な対応の背景には、米国のローカルな状況を「世界標準」と見なし、追随する姿勢があったのではないか。
そして何よりも、経済的な利益のために作られたということを忘れてはなるまい。 現実の米国では先ほど述べた通り、業界団体がロビーイングでFDAを無理矢理押さえ込む格好で、サプリメントの自由化がなされてきた。
この辺りのより詳細な事情は、ニューヨーク大学の公衆栄養学者、マリオン・ネスルの著書『フード・ポリティクス』に詳しいが、彼女も含め、米国にはサプリメント規制の甘さに対して異論を唱える専門家は少なくない。
実際、米国では、サプリメントにより、年間に万単位の人が救急外来を受診しているとの報告もある。
昨年もハーバード大学医学部の運営するハーバード・ヘルス・レターの編集長が、サプリメントのリスクを啓発する呼びかけを行った。
「境界領域」に注意 (省略)
(『世界 2024年6月号』岩波書店)今朝の父の一枚です(^^)/
メジロがビワの実にやってきていました。
び わ
びわは
やさしい きのみだから
だっこ しあって うれている
うすい 虹ある
ろばさんの
お耳みたいな 葉のかげに
びわは
しずかな きのみだから
お日(ひ)に ぬるんで うれている
ママと いただく
やぎさんの
おちちよりかも まだ あまく
(『まど・みちお 人生処方詩集』詩と絵:まど・みちお 選詩:市河紀子 平凡社 2012年)
まど・みちおさんも昭和18年に応召されて、日本に帰還できたのは昭和21年です。
「まど・みちお 100の歴史」