2021年12月29日水曜日

通院日

昨日は、歯科でマウスピースの点検と歯周病の予防に歯石を取ってもらっていました。
今日は、来週(来年)循環器科の診察があるので血液検査と尿検査。
 この二日間、待ち時間に読んでいたのが『悲しみの秘義
前から気になっていた本ですが、
理想本箱 君だけのブックガイドもう死にたいと思った時に読む本」で紹介されました。

俵万智さんが「解説」を書かれています。

 解 説

  見失いがちな「人生を俯瞰する視点」を
  宝石のような言葉が思い出させてくれる
                俵万智

 もしあなたが今、このうえなく大切な何かを失って、暗闇のなかにいるとしたら、この本をおすすめしたい。
 あるいは、目の前のことに追われすぎて、ささいなことでイラついたり、何が大事かということさえ考える余裕がなかったりするなら、やはりこの本をおすすめしたい。
 ずいぶんタイプの違う人にすすめるようだけれど、つまり両者に必要なのは「人生を俯瞰する視点」だと思うから。
 実はここ数ヶ月、私はかなり心に余裕がなかった。
近視眼的にしか、ものを考えられない状態だった。
その中で本書を開くと、日常とは明らかに違う時間が流れはじめるのを感じた。
心がしーんとして、人生の中で、自分がどのへんで何をしているかということや、大事にしなくてはならない人をおろそかにしていないかということを、なんというかとても清浄な気持ちで考えられるのだ。
たぐいまれな美しい装幀が、そういう気持ちに寄り添ってくれることも心地よかった。
(文庫化にあたって新たな装いとなると伺い、それも楽しみだ)
これからも、俯瞰する目を失いそうになったら、この本に助けてもらおうと、いざというときのために何と心強い一冊を得たかと、救われる思いだった。
 宮澤賢治、須賀敦子、神谷美恵子…本書で引用される人たちの多くは、愛する者を人生の途中で失うという経験をしている。
引用の達人である著者は、切り出してきた宝石のような言葉たちに独自の光をあて、そのまま出会ったら気づかないような輝きを見せてくれる。
「読むことは、書くことに勝るとも劣らない創造的な営みである。」とは本書の一節だが、まさにそのことが体現されている。
 死者や悲しみの孤独について書かれた文章を、これほどまでに著者が読み解き、そこに自身の心を見出す理由は、「彼女」という章で明らかになる。
引用の達人、などと簡単に書いてしまったけれど、それは魂を賭けて言葉を味わった軌跡なのだ。
    (歌人)
(『悲しみの秘義』若松英輔 文春文庫 2019年)

また、
理想の本箱君だけのガイドブック「将来が見えない時に読む本」(見逃し配信:12月30日まで)

茨木のり子さんの詩が取り上げられていました。
さらにWEB特集に「人生を変える“言葉” 韓国で出会った茨木のり子」(NHK 12月28日)

番組の影響力は大きいみたい。
私も読みたいと思った斉須政雄さんの『十皿の料理

朝日出版社第二編集部のTwitter(12月24日)に

Amazonでは売り切れてしまって、4000円近くに値が上がってしまっているのですが、年明け早々に重版いたしますので、どうかしばらくお待ち下さい。
お腹から励まされる本なので、ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。(お)