2021年7月29日木曜日

休養日

今日は、私のワクチン接種ではないけれど、妹の2回目のワクチン接種。
この暑さなので父にも休養してもらいました。
妹を送る帰りに三人で買い物。
東京 感染者数 京大 西浦教授が試算“来月上旬に1日3000人超”」(NHK 7月22日)
と予想されていたより早いけど、その通りになりました(それ以上に急加速している)。

東京都 新型コロナ 新たに3865人感染確認 3日連続過去最多更新」(NHK)

 〝「五輪で『楽観バイアス』 緊急事態宣言 意味なさなく」専門家〟(NHK)
これだけ選手の活躍で盛り上がっているのですから、危機感は薄らぎます。

西浦博さんが断言「間違いなくこれまでで一番厳しい状態」 デルタ株の強い感染性で加速化する感染拡大〟(岩永直子 BuzzFeed)
昨日、本屋さんの棚に並んでいたので購入しました。
この国のかたちを見つめ直す

第1章 国家に問う 今こそ歴史を見直すべき
 五輪開催の可否は科学的知見で
 国内外への説得の論理――終戦の詔書の考察から


 今や2月も後半。
夏の東京オリンピック・パラリンピックまで半年を切った。
ワクチンの効果は絶大なようだが、新型コロナウイルス変異株の脅威もまた大きそうだ。
人間界では、大会組織員会トップが女性蔑視発言を機とした内外の批判により辞任した。
直近の時事通信の世論調査では、再延期・中止論が6割超あり、国論が二分された状態はなお続いている。
 言葉には力がある。
ここまではよいだろう。
だが、「起きてほしくない事態=プランB」を考えず「開催」でけを唱え続ける態度、日本の政策決定でよく目にする「言霊(ことだま)対応」は、もはや許されない状況となった。
日本と世界の感染状況に対応し、科学的知見に裏づけられた、科学的検証に堪えうる施策が実施できるかどうか。
ここに、開催可否の基準が置かれるべきだろう。
この場合の科学的知見は、公開性かつ共有性が担保されていなければならない。
科学に基づいて判断がなされた、と内外から信頼される政治決定が求められる。
「開催貫徹=プランA」は、既に組織員会によって十分検討されているはずだ。
よってここでは、「プランB」、感染の規模やワクチン接種の状況を鑑み開催困難となった時、政治の側が発すべき言葉について考えてみたい。
国論が二分された状況下、極めて重要な物事が止められた例を、歴史のインデックスから探してみると、巨大な先例として、第二次世界大戦最終盤における、終戦という選択がそれに当たると気づかされる。
 2021年1月に長逝した半藤一利氏は『日本のいちばん長い日』(文春文庫)で、ポツダム宣言受諾による終戦と、天皇の聖断による降伏が紙一重の真剣刃渡りだった歴史を描いた。
編集者としての半藤氏の辣腕(らつわん)ぶりは、本作品が書かれる2年前、同名の題で挙行した大座談会(『文藝春秋』1963年8月号)からも察せられる。
1945年8月15日正午、玉音盤によるラジオ放送が流れた。
ここに至る24時間に関係した当事者30人が一堂に会した大座談会中、興味深い発言が見いだせる。

……(中略)……

 感染状況が思わしくなければ、内なる国民と外なる世界の人々双方の生命の安全を確保しつつ五輪を開催するのは難しい、こう素直に言明したらどうだろう。
ゼウス神にささげる宗教儀礼から始まった五輪。
生命は契約に優先する、こう断言できる世は来るだろうか。
   (2021年2月20日)
(『この国のかたちを見つめ直す』加藤陽子 毎日新聞出版 2021年)

中略した部分にクーデターが起きても不思議でない危険な状況をどう乗り切ったのかについて書かれています。