2019年12月5日木曜日

曇ると寒い…

気温が低くなりました。
メタセコイヤの球果が難しい顔をしていました(*´▽`*)

メタセコイア スギ科
生きている化石として知られている中国原産の針葉樹です。
さくらんぼのような形ですが、これは球果(松ぼっくり)で、松ぼっくりと同じように、鱗片のすきまにタネができます。
タネには平たい翼があり、風に飛びます。
(『実とタネキャラクター図鑑』多田多恵子 誠文堂新光社 2017年)
昨日のニュースでショックだったのは中村哲さんが亡くなったこと
まだまだやり残したことがいっぱいあるだろうに
ETV特集「武器ではなく 命の水を~医師・中村哲とアフガニスタン
再放送してくれないかなと思っていたら…

nhk_EtokuのTwitter
今週土曜日23時のETV特集は亡くなられた中村哲医師を追悼し2016年に放送した「武器ではなく 命の水を」のアンコール放送を行います。
11日(水)深夜24時からの再放枠でも放送します。
Eテレです。
「ETV特集「ある特攻隊員の死~祖母とたどる兄の最期」は来週14日(土)23時から放送します。

父も一緒に見ていて中村さんの活動に感動していました。
中村さんは用水路など建設に最新の技術でなく
アフガニスタンの現地の人々が参加できる形で支援されていました。
それは中村さんの後継者を育成していたのだと思います。
中村さんの遺志を継ぐ人たちが育っていると思います。
龍は水の神です。
中村さんは龍になってアフガニスタンの大地を見守っているのではないかなと思います。

なんか龍のように見える雲が流れていきました。
アジアの民話』より「ちいさな龍のたたかい」を転記しますφ(..)
ちいさな龍のたたかい
 ずっとむかし、大理(ターリー)のちかくの小さな村に、長者の家で下働きをしている娘がおりました。
 ある日のこと、娘が谷川で野菜を洗っていますと、緑色の桃が流れてきました。
 娘は手をのばしてひろいあげると思わず食べてしまいました。
ところが、この桃は龍の玉だったのです。
(『アジアの民話』文・君島久子 絵・太田大八 講談社 昭和57年)
 龍の玉を食べた娘は、日ましにおなかが大きくなりました。
 長者のおかみさんはそれをみつけ、「よめいりまえの娘が赤んぼうをうむなんて」とおこって、娘を追いだしてしまいました。
 娘が泣き泣き歩いていくと、村はずれにわらぶき小屋がありました。
娘はその中で男の子をうみました。
母と子はその小屋に住んで、まずしい毎日を送っていました。
 母は人にたのまれて草かりにでました。
赤んぼうを草原のかたすみにねかせておき、一日じゅう仕事をしました。
ふしぎなことに、赤んぼうが泣くと、大きなうわばみがやってきて、赤んぼうにお乳をのませるのです。
こうして、その子は大きくなっていきました。
 ちょうどそのころ、大理の湖に住んでいる大きな黒龍が、じまんしていた宝の衣をなくしてしまいました。
衣はどうしてもみつかりません。
黒龍はかんしゃくをおこし、湖の流れ口をせきとめてしまいました。
そうしておいて、湖の中をかたっぱしからさがそうというのです。
 せきとめられた水は、日ましに水かさをましていきました。
湖のはとりの村を水びたしに、田畑の作物が流されました。
 黒龍はいよいよあばれまわり、波をたて、風をおこして、かずかぎりない人びとをおぼれさせました。
 ある日のこと、畑から帰った子どもがいいました。
「かあさん、黒龍を退治したものは、ほうびをだすと、おふれがでていました。わたしが退治にいこうと思います」
「めっそうもない、おまえに……」
 ひきとめる母親をしりめに、子どもは役所に出かけていきました。
 役人は子どものいうことを、なかなか信じようとしません。
「おまえのような子どもが、いったいどのようにして、龍を退治しようというのだ」
「銅でつくった龍の頭と、二対の鉄のつめ、六本の剣(つるぎ)。パオツ(肉まん)三百個と鉄のパオツ三百個。それに、わらの龍三びき。これだけ用意してください。きっと、あの黒龍を退治しておめにかけます」
 役人は村人たちに、子どものいった品物をととのえさせました。
 子どもは、銅でつくった龍の頭をかぶり、手足の指には、鉄のつめをはめました。
口に一本の剣をくわえ、せなかに三本の剣をくくりつけ、両手に一本ずつもちました。
 そして、水にはいるまえに、まず三びきのわらの龍を湖の中になげいれました。
「こうして、さきにたたかわせておいて、黒龍をつかれさせるのです」
 子どもはにっこり笑うと、しんぱいそうに見まもる人びとにたのみました。
「ではみなさん、これから湖にはいります。水面に黄色い水がわきあがったら、ほんとうのパオツをなげこんでください。もし、黒い水がわきあがったら、鉄のパオツをなげてください」
 子どもは、さっと湖にとびこみました。
すると、たちまち、小さな黄色い龍のすがたとなって、波まにかくれていきました。
 村びとたちは、船をこぎだし、水しぶきのあとをついてまわってさけびました。
「黄色い龍よー、がんばれやー」
 黄色い水がわきあがって、龍が頭をだしました。
「ほれ、パオツを食わしてやれ」
 みんなは、黄色い龍が口をあけているのをめがけて、パオツをなげこみました。
 龍はそれを食べると、元気をとりもどして、いきおいよく水にもぐっていきました。
しばらくして、こんどははらのへった黒龍が、黒い水しぶきをあげて頭を出しました。
火ばちほどもあるまっかな口をあけて、食べものをさがしまわります。
「ほれ、鉄のパオツをぶちこめ」
 みんな力いっぱい、黒龍の口の中に鉄のパオツをなげこみます。
黒龍はそれをのみこむと、ますますはらがへっておなかが痛みだします。
 こうして、このたたかいは三日三晩つづきました。

 黒龍はひもじくなるばかりで、水面に大きな口をあけては、食べものをあさります。
そのすきに、小さな龍は、ぱっとその口の中にとびこみました。
 なにしろ、からだに六本の剣をつけたままごろごろとおなかの中をころげまわったからたまりません。
痛いのなんの、黒龍はむちゅうでぐーんと水面にとびあがりました。
「それっ、やっつけろー」
 まちかまえていた村人たちが、いっせいに鉄のパオツをぶっつけます。
 こうなってはさすがの黒龍も「なあ、ちび龍よ、はやくはらから出てくれ、たのむ」と、元気のない声でいいました。
「おまえが出てくれたら、この湖をゆずる。おれはもう、どこかへおちのびていくよ」
「よし、じゃあ、おれをどこから出してくれるのだ」
「おしりのあなはどうだろう」
「ばかいえ、ウンチをするついでに出されたと思われちゃあこまる」
「そうだな、鼻のあなはどうだい」
「鼻水といっしょにかみ出されたと思われちゃいやだ」
「耳のあなにするか」
「耳くそといっしょに、ほじくり出されたっていわれるぞ。だめだ」
「なあ、ちび龍よ、いいかげんに出てくれよ。もうたまらん。わきの下からでもはい出してくれ」
「だめだ、そこからはい出せば、おれをはさみ殺すにきまっている」
「それなら、手のひらに、あなをあけてとび出すがいい」
「だめだ、手のひらから出たら、おれをつかみ殺すにきまってる」
 こうして、黄色い龍はまたもや剣をふりたてたまま、ごろごろと黒龍のはらのなかであばれまわりました。
 黒龍がうなりをあげて水面に出ると、波しぶきのあとをつけまわして、応援している村人たちが、「それ、黒龍だあ。やっつけろ」とばかり、鉄のパオツをなげつけます。
黒龍は、息もたえだえに、「ちび龍よ、もうかんべんしてくれ。さあ、おれの目玉をくりぬいて出ていけ」
「よかろう」
 黄色い龍はやっとしょうちして、黒龍の目玉をくりぬき、おどり出ました。
黒龍は岩に穴をほりぬいて、そこから逃げ出し、大理の平野にあふれていた水も、その穴から流れおちていきました。
 さて、黄色い龍はどうなったでしょう。
 黄色い龍は、もう二度と人間のすがたにもどりませんでした。
 母親が湖の岸べに立って、なんどもむすこの名を呼びました。
すると、「かあさん、もう帰っておくれ。おかあさんといっしょに家に帰ることはできないよ」と水の中から声だけ聞えました。
 母親はなみだを流しながら、「おまえがそういうならあきらめよう。だけど、ひとめだけおまえの顔をみせておくれ」
 すると、湖のおもてにさざ波がたち、中から龍の頭があらわれました。
それをみて、母親はあっとおどろき、その場にたおれてしまいました。
(ペー族、李星華編 「白(ペー)族民間故事伝説集」より)
(『アジアの民話』文・君島久子 絵・太田大八 講談社 昭和57年)