2018年5月4日金曜日

風が冷たいみどりの日

出かけようと外に出ると冷たい風
ツマグロヒョウモン♂(タテハチョウ科)も冷たい風が吹いているためか
飛び上がってもすぐに地上に降りて草の上を移動していました。


  麦刈(かつ)て遠山見せよ窓の前

『句稿屏風』に「馬南剃髪三本樹(ぎ)にて」と前書した
(ぬぎ)かゆる梢もせみの小河かな」の句の次に出ている。
三本樹は丸太町から荒神口までの加茂川西岸で、水楼が多かった。
馬南は安永2年夏剃髪し、大魯と改めたが、その時の作である。
『落日庵句集』には「馬南剃髪三句」と前書してこの二句と
(もとどり)(すつ)るや苗の植あまり」とを出している。
はっきり剃髪のさまを詠んでいるのは第三句だけで、
他の二句は「脱かゆる梢」とか「麦刈て」とかいった自然の風景に借りて剃髪のことを暗示しているにすぎない。
場所が三本樹だから三句作ってみせたのだろうか。 
 麦刈の季節で、窓の前にはまだ刈っていない麦畑が黄金色に輝いている。
その麦を刈ったら遠山の景色がひろびろと展けてくるのであろう。
その大観を窓の前に繰りひろげてみせてくれと言ったのである。
馬南の剃髪が前途に新しい人生を開かせてくれることを期待し、
また希望するその気持がこの叙景句には含まれていよう。
(『與謝蕪村』山本健吉 講談社 昭和62年)
冬でも堪え忍んで葉を付けているという意味で
忍冬(にんどう)という名前があるのだけど、
困難を楽しんでいるような花に見えるのです。
ナガミヒナゲシ
1961年に日本への帰化が確認されて以来、各地で繁殖の著しい花。
地中海沿岸が原産。
秋の草刈りの前後に芽生え、越年して、
翌春に一気に成長して花を咲かせる。
花色は鮮明で鑑賞価値もあるため、
咲いている間は抜き去ろうとする人もあまりいない。
それに初夏の草刈りまでにさっさとタネをつくって枯れ、
跡形もなくなるので、誰の邪魔にもならない。
そのためヒトとは比較的良好な関係にある。
そのうえ、実の構造も秀逸。
熟すと頭部に展望台の窓のようにずらりと並んだ開口部ができる。
ナガミヒナゲシはこの穴を使い、茎が揺れるたびに、
菓子の材料でお馴染みの芥子(けし)の実さながらの、
小粒のタネをさらさらと降り撒くのである。
年々、各地で陣地を広げているのは、こうした特性のおかげであろう。
なお本種は面白いことに、生えている場所の土地の肥えぐあいや、
生えている密度によって、花弁の大きさが大きく変化する。
繁殖のうえで重要な花の大きさだけは変えない植物が多い中では異例の存在だ。
ケシ科の二年草。
(『スキマの植物図鑑』)
ツバメといえば、あの軽やかな飛び方です。
飛ぶ速度も速く、切り返しもみごとです。
ツバメがひゅんひゅん飛んでいるとき、
何をやっているかといえば、多くの場合、虫を探して捕っています。
よく見ると、口を開けて追っているのがわかります。
 ツバメが低く飛ぶと雨が降るといったりします。
これは、雨が降りそうになると、飛翔性の昆虫が低いところを飛ぶようになるので、
それを狙ってツバメも低いところを飛ぶのです。
(…略…)
(『身近な鳥の生活図鑑』)
青嵐(あおあらし)は青葉の頃に吹きわたる清爽な、やや強い風。
宮澤賢治の童話に出てくるような、青葉のざわめく音が聞こえてきそうです。
その風が緑の香りを運ぶとみたのが風薫(かぜかお)るです。
薫風(くんぷう)・風の香(か)とも用います。

  働いてくる日くる日の青嵐  宇多喜代子(うだきよこ)
(『もっと知りたい 美しい季節のことば』)
コナスビ(小茄子)
「ナスビ」という名前がつくけどサクラソウ科(^。^)
ユリノキは北アメリカ原産。
明治初期に日本にもたらされました。
太い幹がまっすぐ立ち、堂々とした樹形になるので、街路樹によく植えられます。
 葉は奇妙な形です。
先端がすぱっと切り落としたかのように四角く、
ちょうどTシャツか半てんのように見えます。
それで別名「ハンテンボク」とも呼ばれます。
 モクレン科は古いタイプの被子植物で、
特のユリノキ属は北アメリカと中国にそれぞれ1種類ずつが現存するのみ。
日本でも化石は出てきます。
いうなれば「生きた化石」ですが、
今は人の手で育てられて繁栄しているというわけです。
 花は若葉のころ、枝の先に咲きます。
高い樹上でさらに上を向いて咲くので気づきにくいのですが、
クリーム色の地にオレンジ色の斑紋が入った、きれいな花です。
形がチューリップの花に似ているのでアメリカでは「チューリップ・ツリー」と呼ばれています。
学名も「チューリップのようなユリの木」という意味で、和名はそこからきています。
 花には蜜がたっぷり、じつは祖国のアメリカでは、
蜜を吸う鳥の仲間が花に来て花粉を運んでいます。
花びらのオレンジ色は、鳥の目に目立つためのサインなのです。
日本では最近カラスがこの蜜の味を覚え、開花時にはうるさく群がります。
でも、乱暴なカラスは花ごと食いちぎってしまうので、
花粉の運び手としては役立ちそうにありません。
ミツバチもこの花の蜜を集めて、おいしいハチミツを提供してくれます。
 モクレン科の花の構造も原始的です。
花の中心には、たくさんの雄しべに囲まれて雌しべもたくさんあります。
そこで、雌しべがそれぞれ受精すると、
1個の花からたくさんの実ができてくることになります。
このような実を、集合果と呼んでいます。
 樹上で実が育つころ、独特の形をした大きな葉は、
日に日に緑の濃さを増しながら枝全体を包み込みます。
豊かな樹陰を広げて、ユリノキは人々を見守ります。
(『種子たちの知恵』)
ものすごい図鑑 クマバチ」はおすすめです(*^O^*)/
今朝の父の一枚です。
ツバメが低空飛行している所に出会えて喜んでいました(^_^)v

○ ○ ○ ○

(…略…)
 特定の鳥に対する価値観は地域や時代によって様々で、
なかには日本と西洋では正反対の見方という例も珍しくありません。
 しかし、ツバメは古くから世界中で広く好意的にみられており、
いろいろ調べてみても嫌われるような評価は見当たりません。
欧米でもツバメは「良い鳥」として愛されてきたようで、
そのことを雄弁に物語っているのが19世紀の英国の作家オスカー・ワイルドの童話『幸福の王子』でしょう。
 美しく飾られた王子像が、貧困や不幸にあえぐ庶民のために、
自分の体から金箔や宝石をツバメに剥(は)ぎ取らせて届けさせる物語で、
渡りの途中だったツバメは王子に頼まれるまま、あちこちの人々に幸福を届け続けます。
しかし、南へ渡る機会を逸してしまったツバメは、雪が降り始めた頃、
金箔が剥がれてみすぼらしい姿に変わり果てた王寺像の足もとで、凍え死んでしまいます。
自己犠牲もいとわない心の美しさが描かれたこの作品に、ツバメはその象徴として登場しています。
成長期の子供たちにとって、純粋に他を思いやる豊かな心を育む名作だといえましょう。
 古今東西、様々な伝説や文学などに登場する多くの野鳥たちの中で、
ツバメはこの物語によって最高ランクの賛辞を獲得したのだと私には思えるのです。
(『日本野鳥歳時記』)

2 件のコメント:

  1. こんばんは~

    ほんとうに今日は風が冷たいみどりの日になりました。
    それで、明日は夏日かも?らしいです。(^-^;
    気温が上がったり下がったりのジグザグのようなGWです。

    青嵐のような風
    こちらでも、モミジもヤマブキも雪柳も枝ごと揺れるような強い風でした。

    風薫るくらいの風がいいです。(^^♪
    歩いてもここちよい五月の風。
    燕もとても気持ちよさそうに飛んでいるように見えます。
    これぐらいがkazeさんのお散歩にいいですね。

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    1. カイさんこんばんは(*^O^*)/
      昨日は、夏を通り過ぎて秋になったような肌寒さでしたね…
      >気温が上がったり下がったりのジグザグのようなGWです。
      体調管理が大変ですよね(ーー;)
      昼から図書室に資料探しに行きましたが、
      風で帽子が飛ばされてしまいました(°°)
      >風薫るくらいの風がいいです。(^^♪
      今朝は、風薫るような爽やかな立夏でした(^_^)v
      今日の散歩は、気持ちよかったです!

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申し訳ありませんが,日本語だけを受けつけますm(_ _)m