天気予報では晴れでしたが、気温が低く
今にも降り出しそうな空模様でした…
石蔵(いはくら)より野老(ところ)おこせたる手箱(てばこ)に、
草餅入(くさもちひい)れてたてまつるとて
花の里(さと)心もしらず春の野(の)にいろいろ摘(つ)める母子餅(ははこもちひ)ぞ
石蔵 石蔵の宮。帥の宮と和泉との間に生まれた御子であろう。
野老 山芋の一種。
花の里心もしらず 花の匂う里に出かける気にもならず。
母子餅 母子草で作った餅。
(『和泉式部集・和泉式部続集』)
愁ひつつ丘に登れば花茨(いばら)
「愁ひつつ」という言葉に、無限の詩情がふくまれている。
無論現実的な憂愁ではなく、青空に漂う雲のような、
また何か旅愁のような、遠い眺望への視野を持った、
心の茫漠(ぼうばく)とした愁(うれい)である。
そして野道の丘に咲いた、花茨の白く可憐(かれん)な野生の姿が、
主観の情愁に対象されている。
西洋詩に見るような詩境である。
気宇が大きく、しかも無限の抒情味に溢(あふ)れている。
(『郷愁の詩人 与謝蕪村』)
巣立ったんですね(^-^)
餌をねだるときの仕種は、なかなか愛らしく、羽を小刻みに震わせる動きをします。
「ちょうだい、ちょうだい、ちょうだい、ちょうだい」と早口で言っているような感じです。
すると親鳥はすぐさまやってきて、餌を与えます。
(『身近な鳥の生活図鑑』)
ひつじ草(ぐさ)音たてて花閉ざしたり少し考えを変え立ちあがる 岡井隆
蓮の花の咲くときに音がするという俗説を逆手にとったものだろう。
「ひつじぐさ」の柔らかな音も効果的。 (大谷雅彦)
(『岩波現代短歌辞典』書籍版)
けし一輪かざして連れゆく白い象を
(『石牟礼道子全句集 泣きながら原』)
今日枯るる楝(あふち)と知らずむらさきの花咲かん日を十年待ちき
(『宮柊二歌集』)
母の第四十九回忌
たんぽぽちるやしきりにおもふ母の死のこと
(『山頭火句集』)
(昭和15年)
三月六日曇―晴。
けさもずゐぶん早かった、早すぎた、何もかもかたづいてもまだ夜が明けなかった。
亡母第四十九回忌、御幸山大権現祭日、地久節、母の日週間。
出校の途次、一洵さん立ち寄る、母へお経をよんでくれる、ありがたう、
望まれて近詠少々かいてあげる、いづれ何かの埋草になるのだろう。
道後で一浴、爪をきり顔を剃る、さつぱりした。
仏前にかしこまつて、焼香諷経、母よ、不孝者を赦して下さい。
(…略…)
(『山頭火文庫 4巻 一草庵日記・随筆』)
・昭和15年10月11日未明松山市一草庵で死亡(59歳)。
更衣(かうい)をよめる
惜しみこし 花の袂(たもと)も 脱ぎかへつ 人の心ぞ 夏にありける
更衣 衣更え。ここは四月一日に夏の装いに改めること。
惜しんできた華やかな春の衣服もすべて脱ぎ替えた。
こうしてみると、人の心ほうがまず夏になったのだ。
人の心は変りやすく、春を見捨てて夏を求めるので更衣も行われるのだというもの。
(『金槐和歌集(旧版)』昭和56年)
・旧暦の四月一日は5月15日だそうです。
スズメは、ゲンゲの蜜を吸っているのではありません(^▽^)
今朝の父の一枚です。
カルガモの表情がかわいいです(^_^)v
(2012年5月10日)
今日は、母の月命日です。この時、猫ちゃんに会えてホッコリしてました(^。^)
悲しみも慈光のごとく母逝けり
2009年春
(『石牟礼道子全句集 泣きながら原』)
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