2025年4月20日日曜日

曇り空で

昨日は、青空が広がり気温が上がりました。
今朝は、曇り空で蒸し暑くても日ざしが雲で遮られていたので助かりました。
天気予報では、寒暖差が大きくなるので体調管理が大変!

近畿地方 初の真夏日 20日は気温低く体調管理に注意を」(関西NHK 4月19日)
山のエリアは今も工事が行なわれていて
シロバナタンポポに出会っていた所の土が
掘り返されていて立ち入り禁止になっている。。
見ることができないと諦めていたら別の場所で咲いていました(^_^)b

いろいろなタンポポ」(小学3年)

心筋梗塞を発症した後、9月に退院してから
近くの公園から始めて、次に淀川の堤防でリハビリをしていました。
しばらく堤防を歩いていましたが、木陰がほとんどなく
夏は、無理だなと思ってこちらの公園でリハビリ散歩をするようになりました。
東京オリンピックを招致する時、当時の首相は、
スポーツをするのに最適な季節だと演説していました。
万博などに来日する旅行者は、日本特有の蒸し暑さを知っているのか心配です。
鷲田精一さんが紹介してくれた本

折々のことば:3383 鷲田清一

今日 ぼくは さみしいことが あったから
つまらないことが あったから
知らない道を とおって 帰る 

               酒井駒子

 気落ちした少年はその日、普段と違う道を通って帰った。
(くさむら)に壊れたオルガンがあった。
音の出ない鍵盤を叩(たた)いていると、バッタやカラスが寄ってきた。
嫌なことがあっても我慢したり刃向かったりするのとは別の道がありそうと思った。
蛇が出るぞと警備員の人に脅されたが、蛇にも会いたかったと。
短編集『金曜日の砂糖ちゃん』から。
  2025・4・17
酒井駒子さんの「著者より(刊行時に寄せられたメッセージ)」に
これら大切に送り出された3人の子ども達、どうぞ手に取って、眺めてやってください

鷲田さんが紹介しているのは二つ目のお話「草のオルガン
辛い時にただ頑張って苦しみ続けるのではなく
知らない道を とおって いくと
新たな出会いや発見があるかもしれない。
ドラマ10「しあわせは食べて寝て待て

麦巻さとこさんのように突然、人生の方向を変えなければならないこともあると思います。
私も心筋梗塞を発症するまでは、父や母のように定年退職後も働こうと思っていました。
集中治療室のベッドに横になりながら、これからどう社会復帰しようかと考えていました。
でも、主治医の先生に心臓が上半分壊死して動かない映像を見せてもらいながら
いつ突然死してもおかしくないと告げられました。
職場の仲間に迷惑がかかると思い職場復帰を諦めました。
旅行や山歩きをしたいという願いもしぼんでしまいました。
膠原病ではないけれど、麦巻さとこさんの気持ちが、少しは分かるし
鈴さんたちの言葉に励まされ、癒やされています。
そして出来なくなったことを数えるより、できることを探したいと思っています。
原作「しあわせは食べて寝て待て」も、時々、読み返しています(^_-)
一方、世界情勢を見ていると……
私のように先の短い人間はいいとしても、若い人たちが気の毒になります。
どうも世の指導者は、幻想を抱き、私たちも騙されてしまうのが「金融緩和」。

終章 マネーの未来史
 ◇マネーは人々の目を欺くことはできるが、問題を解決する力は持たない


 これまで、マネーの歴史を第2次世界大戦まで辿ってきた。
 戦後の世界では、ブレントンウッズ体制が確立された。
これは、ドルを基軸通貨とし、それに対して各国通貨が固定為替レートでリンクする制度だったが、1971年のニクソンショックをへて、変動為替制に移行した。
 この制度におけるマネーは不換紙幣であり、その気になればいくらでも増発できる。
 しかし、日本は高度成長期であり、マネーの力に頼らなかった。
頼る必要がなかったのだ。
この期間の経済成長は、リアルな要因が主導した。
 他の国も概してそうだった。
とくに西側先進国ではそうだった。
(『マネーの魔術史―支配者はなぜ「金融緩和」に魅せられるのか―』野口悠紀雄 新潮選書 2019年)
 しかしその後、日本経済はマネーに翻弄されるようになる。
つまり、経済の実体は何も変わらないのに、貨幣的な要因によって経済が大きく変動するようになったのだ。
 1980年代の後半に、日本経済はバブルに呑み込まれた。
銀行が経済の構造変化に対応することを怠って不動産融資にのめりこんだ結果、不動産価格が暴騰した。
 これは、実体経済的な面から見れば日本経済が衰退したことの結果生じたものだったのだが、多くの人は逆に、日本経済が繁栄の絶頂にあるかのような錯覚に陥った。
そして、投機に狂奔した。
 1980年代末になってバブルは崩壊。
それが90年代後半の金融危機をもたらし、日本経済は大混乱に陥った。
マネーのために、多くの人びとの人生が翻弄されたのだ。
 バブルにまつわるさまざまな出来事は、『戦後日本経済史』(新潮選書)や、『戦後経済史』(東洋経済新報社)で述べた。
 1990年代には、世界経済に大きな変化が起きていた。
中国の工業化やIT(情報技術)の登場で国際競争力を失った日本は、円安に頼るようになった。
技術開発などで生産性を高めるのではなく、自国通貨の価値を落として国際競争力を高めようとする政策だ。
 これは、エリザベス女王が登場する前の16世紀のイングランドが行なった貨幣大悪鋳と同じものだ。
エリザベスはイングランド国民のためにグレシャムのアドバイスを容れて貨幣の価値を回復させた。
しかし、日本では、グレシャムもエリザベスも現れなかった。
 2000年代においては、アメリカで証券化商品が登場し、住宅価格のバブルが生じた。
アメリカ人は、住宅価値の上昇を利用して消費を増やした。
とくに自動車の購入が増えた。
それが、自動車をはじめとする日本の輸出を増加させ、日本に外需主導型経済成長と言われた景気回復をもたらした。
 つまり、2000年代の日本の景気回復は、アメリカのバブルと密接に結びついていた。
間接的にではあるが、マネーによって引き起こされた「偽りの回復」だったのだ。
 アメリカの住宅価格バブルは2007年頃をピークとして崩壊。
アメリカ経済は2008年にリーマンショックという金融危機に直面した。
それとともに日本の輸出も急減し、日本の輸出産業は壊滅的な影響を受けた。
 以上の背後にあったメカニズムは、『金融危機の本質は何か』(東洋経済新報社)、『経済危機のルーツ』(東洋経済新報社)で論じた。
 リーマンショック後、世界各国が金融緩和政策を導入した。
日本では、2013年から「異次元金融緩和」政策を導入した。
これらについては、次の書物で論じた。
金融緩和で日本は破綻する』(ダイヤモンド社)、『金融政策の死』(日本経済新聞出版社)、『異次元緩和の終焉 金融緩和政策からの出口はあるのか』(日本経済新聞出版社)。
 異次元緩和政策導入で確認できたのは、マネーは人々の目を欺くことはできるが、リアルな経済問題を解決する力は持っていないことだ。
 日本は、超高齢化社会という、これまで世界のどの国も経験したことがない事態に直面する。
 年金や高齢者医療費を中心として社会保障費はとめどもなく膨れ上がるが、それを支えるべき財政的な手当はなされていない。
 また、労働力人口が激減する半面で、医療・介護に対する需要は増え続ける。
そうした条件下で経済活動をいかに維持できるか、見通しがつかない。
 事態はこのように深刻だが、日本人の危機意識は、きわめて希薄だ。
 財政が破綻するのはほぼ確実だが、市中にあった国債を異次元緩和で日銀が買い上げてしまったため、財政負担は意識されなくなってしまっている。
 われわれは、ただ騙されているだけのことだ。
(『マネーの魔術史―支配者はなぜ「金融緩和」に魅せられるのか―』野口悠紀雄 新潮選書 2019年)

試し読み」で「はじめに」が読めます。
現在、品切れになっているようです。
今朝の父の一枚です(^^)/
花が散ってすっかり葉桜になっています。
父は、いつもなら来園者が多い日曜日は避けているのですが
これから通院などで散歩を休む日が多くなるので歩きました。

 「花の話 三」つづき

 日本人の古い信仰では、いろいろ関係の近い事柄はみな、並行していると考えた。
たとえば田に蝗(いなご)が出ると、人間の間にも疫病が流行すると考えていたのも、それだ。
平安朝の末になると、ことに、衛生法が行届かなくなって、死人は賀茂の河原や西院に捨てて置かれるほどである。
そこで、普通の考えでは、春と夏の交叉期、すなわち、ゆきあいの時期に、あらかじめ起こって来そうな疫病を退散させるために、鎮花祭は行なわれたものであると言うているが、実はそうではない。
これ以前に、もっと大切な意味があったのだ。
すなわち、最初は花のやすらうことを祈ったのであった。
それが、蝗が出ると、人の体にも疫病が起こるというので、それを退散させるための群衆舞踏になったのだ。
これによって、桜が農村生活と関係があったことはわかると思う。
そういう意味で、山の桜は、眺められたのである。
 …後略…
(『古代研究Ⅱ 民俗学篇2』折口信夫 角川ソフィア文庫 2017年)