2016年11月26日土曜日

暖かな光(o^^o)

つるばみ 橡[万葉] 都流波美[万葉]
(略)
[今名]くぬぎの実(ぶな科)
[考証]ツルバミは『倭名類聚抄』に「橡 和名都流波美 櫟実也」とあり,
また『本草和名』にも「橡実 和名都流波美乃実」とある。
昔はこの実の煎汁を黒褐色の染料に用いた。
これで染めた衣がツルバミの衣である。
 山林に多い落葉木で,葉はクリに似て,五月頃尾状の花穂をたれ,
果はほぼ翌年の秋に成熟して褐色になる。
俗にドングリと呼んでいる。
薪炭材として重要な木で,今名クヌギは「国木」の意味である。

(『古典植物辞典』松田修 講談社学術文庫 2009年)
ピッケルの先啄木鳥を聞きながら  佐々木鳳石
(『川柳歳時記』奥田白虎編 創元社 昭和58年)
今朝は日ざしが暖かい(^_^)b
雲一つなく青空が広がっていました。


メジロがいたのは柊(ひいらぎ)の中
σ(^_^;ならチクチクするのが嫌なんだけど…
巻第十六 哀傷歌 859  大江千里
  病にわづらひはべりける秋,心地のたのもしげなくおぼえければ,
  よみて人のもとにつかはしける
もみぢ葉を風にまかせて見るよりもはかなきものは命なりけり

紅葉の葉を風が吹き散らすのにまかせて見るよりも,はかないものは命なのであった。
○もみぢ葉 風に散る紅葉ははかないものと見られていた。
(『新版 古今和歌集』高田祐彦訳注 角川ソフィア文庫 2009年)
   片戀
ゆるしなき色とはしれど戀衣こき紅(くれなゐ)にひとりそめつゝ  賀茂真淵

○ゆるしなき色―ゆるしの色の反対で,中古,一般に着用することの出来なかった衣服の色。
紅色・紫色のこいものは許されなかった。
○恋衣こき紅にひとりそめつゝ―ある人を心中はげしく恋い慕うようになったことの比喩。
▽許されない色とは知っているが,恋の衣を,濃い紅色に、ひとりで染め染めしたことだ。
(あの人を深く片恋してしまったことだ。)
(『近世和歌集 日本古典文学大系93』高木市之助・久松潜一校注 岩波書店 昭和41年)
巻第七 1094  柿本朝臣人麿の歌集
我が衣(ころも)色つけ染めぬ味酒(うまさけ)三室(みむろ)の山は黄葉(もみち)しにけり

私の衣に色をつけて染めよう。
味酒の三室の山は黄葉していることだ。
色つけ 美しく匂わせる。事実染めるのではない。
三室 ミモロに同じ。三輪山。
(『万葉集(二)』中西進 講談社文庫 1980年)
葉が落ちた後の木に
枯れ木に花を咲かせましょうではないですが烏が集まっていた(^^ )
山家集 中 雑 819
送りおきて 帰りし野辺の 朝露を 袖に移すは 涙なり

袖が濡れたのは,亡骸を墓所へ送りおいて帰ってきた野辺の朝露のためと思ったけれど,
実は涙のせいであったよ。
*二位局の死をめぐっての歌
紀伊局,従二位朝子。信西入道(少納言藤原道憲)の後妻。成範・脩範(ながのり)の母。 
待賢門院に仕えたので「院の」という。後白河院の乳母(めのと)。
仁安元年(1166)正月十日薨(西行49歳)
(『山家集』西行著 後藤重郎校注 新潮社 1982年)
魚の骨が秋風に揺れていました(^o^)

あばら骨なでじとすれど夜寒哉

[訳]あばら骨をなでまいとするけれど,夜寒が骨身にしみる。
[解]病気のために,痩せ細って出たあばら骨をなでれば,いっそうみじめになる。
それでも,夜寒のためにさすってしまう病身のあわれ。
(『一茶句集 現代語訳付き』玉城司訳注 角川ソフィア文庫 2013年)
   記憶の樹木

樹木がすんなりと二本三本
どこでみたのか
その記憶が私を揺すつてゐる……
入日に浸つて黄色くなつた
最後の葉つぱ
その葉の落ちてくるのをそれとなく待つてゐた
それが自分達の上でひるがへり
冬の日は寂しく暗くなりかけた
風の日はいまも其の木木
骨のやうになつた梢の嗄
(しはが)れ声
(『山村暮鳥全詩集』 彌生書房 昭和39年)
    花  

たまらなくなってくると
さびしくなってくると


さっとてのひらで わたしのまへを切る
きられたところから
花がこぼれる

(『八木重吉全詩集2』ちくま文庫 1988年)