2016年11月23日水曜日

真冬のような勤労感謝の日

この家に枇杷の花咲けり我が親子今日からここにうつり住むなり  新井洸(あらいこう)
(『日本の詩歌29 短歌集』 中央公論社 昭和45年)
山家集 中 雑 797
   十月中(なか)の頃,宝金剛院の紅葉見けるに,上西門院おはします由聞きて,
   待賢門院(たいけんもんいん)の御時思ひ出でられて,
   兵衛(ひやうゑ)殿の局(つぼね)にさし置かせける

紅葉見て 君がたまとや 時雨(しぐ)るらん 昔の秋の 色をしたひて

上西門院のお供をして宝金剛院の紅葉を御覧になるにつけ,待賢門院をお偲び申し上げて,
紅葉を染めた時雨のごとく涙にかきくれられることでしょう。
女院御在世の折の秋の様子をお慕いになって。

・宝金剛院 法金剛院とも。山城国葛野郡(現在京都市右京区花園)。
平安初期,清原夏野の山荘を仏寺とし,双丘寺と称したのがはじめ。
大治五年(1130,西行13歳)待賢門院再興,養和元年(1181,西行64歳)炎上。
・上西門院 鳥羽天皇第二皇女統子内親王。御母待賢門院。
保元四年(1159)二月院号宣下。
・待賢門院の崩御は久安元年。この歌は上西門院の院号宣下後の作であるから,
十数年以上遡って,待賢門院在世の折を思い出しての詠。
なお待賢門院は保延元年(1135)にも鳥羽院と共に宝金剛院に渡御,
その折を慕うとすればさらに十年ほど遡る。
山家集』)
口をへの字に曲げて「はなれるもんか!」と頑張っているp(^-^)q
巻第八 1516
   山部王(やまべのおほきみ)の秋の葉(もみち)を惜しめる歌一首
秋山にもみつ木(こ)の葉の移りなばさらにや秋を見まく欲(ほ)りせむ
秋山に,名残り惜しさに黄葉する木の葉が散ってしまったら,さらに次の秋を見たいと思うだろうか。
(『万葉集(二)』)
一かぶの八ツ手の花の咲き出でしわが庭の木にのこる葉もなし  島木赤彦
(『短歌歳時記』近藤芳美監修 長谷部淳編著 桜楓社 昭和58年)
嘴の色がはきりわからないので?ですが
クロガモかな(・・?
今朝は,寒くて真冬のようでしたが母も一緒に散歩
鳩が来ていますが,「何もないよ」(^^ )

わがめぐり次々と鳩が降り立ちて赤き二本の足で皆立つ  奥村晃作
(『現代の短歌』)
(あつらへ)の精進物(しやうじんもの)や石蕗(つは)の花

○精進 精進料理。魚介,肉類を用いない料理。
(『井月句集』)
白鷺 しらさぎ  はくろ
[名前の由来・文化]
 白色のサギ類は,奈良時代から「しらさぎ」「さぎ」「しらとり」の名でよばれていた。
「しらとり」は「さぎ」の枕詞としても使われたが,ハクチョウの異名でもあった。
古くから日本画に描かれているシラサギは後頭部に冠羽があり,多くはコサギと思われる。

(『俳句の鳥・虫図鑑』復本一郎監修 成美堂出版 2005年)
脇へ行くな鬼が見るぞよ寒雀  一茶
(『カラー図説 日本大歳時記[冬](旧版)』昭和57年)
  初冬
ひひらぎの白き小花の咲くときにいつとしもなき冬は来むかふ
(『日本の詩歌8 斎藤茂吉』)