2016年11月9日水曜日

行きと帰りで…

朝寒や人の情(なさけ)は我が命
(『井月句集』)
青空でしたが,12月並みの寒さでした…
行きは車の中が寒いので暖房をつけました。
ほつとさいたかひよろひよろコスモス
(『山頭火大全』 講談社 1991年)
(ひょろ「ひよろ」は踊り字)
歌よめどまだ渋(しぶ)ぬけぬ恥かきのへたは我身(わがみ)は生(うま)れつきつゝ
                  浜辺黒人(はまべのくろひと)

『狂歌若葉集』上。
唐衣橘州(からころもきつしゆう)編の同書は、
蜀山人編の『万載狂歌集』と同時の天明三年正月刊、天明狂歌大流行の端緒をなした。
作者の名は万葉歌人山部赤人のもじりだが、本名三河屋半兵衛、江戸は芝の書店主だった。
家が浜辺に近く、色黒で歯まで黒く染めていたのでこの狂名がある。
「述懐」と題する狂歌。
生来渋くて下手な恥かきの歌作りで、との卑下を渋の抜けぬまずいへたに見たてた笑い。
(『新編折々のうた』大岡信/朝日新聞社 1983年)
太字は傍点(、、
この子は渋柿ではありません(^^ )
 山寺の石の苔はむひたきかな  中 勘助
(『カラー図説 日本大歳時記[秋](旧版)』昭和57年)
地味だけれど 
今風ではないけれど
最後まで咲き抜く
菊の花の勁
(つよ)さが
好きだ

(『点滴ポール 生き抜くという旗印』)
枯れ葉の中に…
キタテハの秋型かな?違うのかも知れない…

検索するとクロコマノチョウが似ているかな(・・?
温暖化で分布を拡げているそうです。
ぼんやりと出で行く石榴割れし下
(『西東三鬼全句集』 沖積舎 昭和58年)
古き庁舎の門に邏卒のごとく立ちポプラは電車のわれを見送る
(『中城ふみ子歌集』)

らそつ【邏卒】
〔「邏」は,巡る意〕明治初期における,巡査の旧称。

(『新明解国語辞典 第<四>版』)
日向が有難いです(^-^)
帰りの車の中も日差しのおかげで暖房をつけなくてもよかったです(^_^)v
紅葉ばにたわるる鹿や色ごのみ

 紅葉が色づいた,その色づきにたわむれるかのようにいる鹿は,さしずめ色好みであろうという。
  原句「紅葉ゝにたハるゝ鹿や色このミ
(『捨女句集』)
なんかサソリのような雲( ^-^)
風が強いので雲が流れ次々と姿を変えていきました。
お母さんの木から離れたくないんだろうな(^▽^)

団栗の寝ん寝んころりころりかな   一茶
(『カラー図説 日本大歳時記[秋](旧版)』昭和57年)
花茎(はなくき)のあらはに太くわかれ咲く八ツ手の花は群れつつ小(ちひ)さし
                三ヶ島葭子
(『短歌歳時記』近藤芳美監修 長谷部淳編著 桜楓社 昭和58年)
接吻(くちづけ)をかなしく了へしものづかれ八つ手団花(たまばな)に息吐きにけり
                  宮 柊二
(『現代の短歌』)
    秋  

秋になると
やさしいことばがささやきにくる
ものをかんがへると
かんがへが物質のようにはっきりする

(『八木重吉全詩集2』)
わが庭の錦木の実を知るからに今朝も山より小禽来てをり  木村流二郎
(『植物歳時記』)