山家集 上 秋 479
もみぢ葉の 散らで時雨(しぐれ)の 日数経(へ)ば いかばかりなる 色にあらまし
紅葉した葉が散らないで,もっと長く時雨にあったならば,
どんなに深い紅の色に染められることであろうか。
(『山家集』)
もみぢ葉の 散らで時雨(しぐれ)の 日数経(へ)ば いかばかりなる 色にあらまし
紅葉した葉が散らないで,もっと長く時雨にあったならば,
どんなに深い紅の色に染められることであろうか。
(『山家集』)
昨夜からの雨がやんでくれました(^-^)
(「神をおもふ秋」より)
こすもすは
やさしいうでをのばしてゐる
そのひとつひとつのうでのさきには
ひとのこころをなごむるものをもってゐる
やわらかげなあきぞらのもとに うすももいろ
のまるいものらよ
(『八木重吉全詩集1』)
こすもすは
やさしいうでをのばしてゐる
そのひとつひとつのうでのさきには
ひとのこころをなごむるものをもってゐる
やわらかげなあきぞらのもとに うすももいろ
のまるいものらよ
(『八木重吉全詩集1』)
心中をせんと泣けるや雨の日の白きこすもす紅(あか)きこすもす
(『与謝野晶子歌集』)
(『与謝野晶子歌集』)
薔 薇
薔薇には叡智がある
薔薇は空をまことの愛とし
そして私には他の目がある
かつて瞑(と)ぢたことのない第三の目
いやはての世界を作り
音の中の光りに,いのちは
一切の影をゆめむ
薔薇は聖なる三位一体
どうぞ帰る逕をおしへてください
私には他の目がある
(『山村暮鳥全詩集』 彌生書房 昭和39年)
薔薇には叡智がある
薔薇は空をまことの愛とし
そして私には他の目がある
かつて瞑(と)ぢたことのない第三の目
いやはての世界を作り
音の中の光りに,いのちは
一切の影をゆめむ
薔薇は聖なる三位一体
どうぞ帰る逕をおしへてください
私には他の目がある
(『山村暮鳥全詩集』 彌生書房 昭和39年)
落ちる葉に執着持たぬ木木の枝
(『しづ子』)
(『しづ子』)
なんかクリスマスツリーのように思えた。
今日は,七五三ですが,町の中ではクリスマス商戦がもう始まっていますね(*´∀`*)
今日は,七五三ですが,町の中ではクリスマス商戦がもう始まっていますね(*´∀`*)
巻第三 416
大津皇子(おほつのみこ),死を被(たまは)り時に,
磐余(いわれ)の池の堤(つつみ)にして涙を流して作らす歌一首
百伝(ももづた)ふ 磐余(いはれ)の池に 鳴く鴨を 今日(けふ)のみ見てや 雲隠(くもがく)りなむ
右,藤原の宮の朱鳥(あかみとり)の元年の冬の十月。
磐余(いわれ)の池に鳴いている鴨を見るのも今日を限りとして,この身は雲のかなたに去りゆくのか。
・謀反のかどで朱鳥元年(686)10月3日に処刑された。年24歳。
・池は皇子の訳語田(おさだ)の邸近くにあったか。
自己の死を凝視して詠んだ最古の辞世歌。
生きていることの実感を,鴨を「見る」ことの一点に絞って,死に臨む心境を詠じた。
実際は後人仮託の作であろう。
◇百伝ふ 「磐余」の枕詞。百(もも)に伝いゆく五十(い)の意。
無限に続く意を提示し,第四,五句のはかなさと対比させている。
◇鳴く鴨 生きているものの生命感を表わす。
◇雲隠りなむ 「雲隠る」は貴人の死をいう。
ここでは皇子の霊魂が鳥に化して雲隠れるイメージを喚起する。
(『萬葉集(一)』)
大津皇子(おほつのみこ),死を被(たまは)り時に,
磐余(いわれ)の池の堤(つつみ)にして涙を流して作らす歌一首
百伝(ももづた)ふ 磐余(いはれ)の池に 鳴く鴨を 今日(けふ)のみ見てや 雲隠(くもがく)りなむ
右,藤原の宮の朱鳥(あかみとり)の元年の冬の十月。
磐余(いわれ)の池に鳴いている鴨を見るのも今日を限りとして,この身は雲のかなたに去りゆくのか。
・謀反のかどで朱鳥元年(686)10月3日に処刑された。年24歳。
・池は皇子の訳語田(おさだ)の邸近くにあったか。
自己の死を凝視して詠んだ最古の辞世歌。
生きていることの実感を,鴨を「見る」ことの一点に絞って,死に臨む心境を詠じた。
実際は後人仮託の作であろう。
◇百伝ふ 「磐余」の枕詞。百(もも)に伝いゆく五十(い)の意。
無限に続く意を提示し,第四,五句のはかなさと対比させている。
◇鳴く鴨 生きているものの生命感を表わす。
◇雲隠りなむ 「雲隠る」は貴人の死をいう。
ここでは皇子の霊魂が鳥に化して雲隠れるイメージを喚起する。
(『萬葉集(一)』)
水に隠れてしまいましたが…
水鳥ではありません(^▽^)
ジョウビタキ♂は空を見上げながら何を思っているのかな…
養はるるゆゑに遊びと見られゐむ嘆きうたへば曇天のいろ
(『中城ふみ子歌集』)
(『中城ふみ子歌集』)