2025年1月11日土曜日

気温は低いけど

昨日までは、強風で寒かったです。
今朝は、霜が降りるほど風が吹いていませんでした。
被災地も穏やかな天気になってほしいです。

輪島市 仮設住宅の住民が協力して雪かき」(石川NHK 1月10日)
インフルエンザ 3連休中に症状が出たら?受診の目安は?」(NHK 1月10日)

学校が始まり感染も拡大していますね。
感染予防には
インフルエンザの感染を防ぐポイント「手洗い」「マスク着用」「咳エチケット」〟(政府広報オンライン)

新型コロナウイルスにはアルコール消毒が有効だと言われていて、一時、消毒液が品不足になっていました。
その消毒液は、ノロウイルスに効果がないと言われていましたね…
同じウイルスなのにと不思議だなと思いました。
(図は省略しています)

 第3章 ウイルスに感染すると、なぜ病気になるのか
ウイルスの基本的な形と構造
  
 
 多くのウイルスでは、タンパク質でできた皮膜(カプシド)が遺伝情報であるゲノム(DNAかRNAのどちらか)を包んでいる。
これがウイルスの基本的な構造である。
カプシドは12個の頂点と20個の面を持つ正20面体であることが多く、その中にゲノムが収納されている。
カプシドとゲノム核酸を合わせてヌクレオカプシドという。
また、一部のウイルスではカプシドの外側をエンベロープという脂質でできた膜に包まれていることがある。
(『ウイルスはそこにいる』宮坂昌之 定岡友彦 講談社現代新書 2024年)
 このエンベロープは宿主細胞由来の脂質膜である。
ウイルスはちゃっかりと宿主が作り出した脂質を借用して、自らを包む膜を作り出しているわけだ。
 エンベロープには、ウイルス由来の多様な糖タンパク質(=タンパク質を構成するアミノ酸の一部に糖鎖が結合したもの)が突き刺さっている。
その例が新型コロナウイルスのエンベロープから外に向かって突き出ているスパイクタンパク質だ。
ヒトの細胞に侵入するときに必要な構造である。
 先に述べたようにエンベロープは脂質からできているので、70%アルコールや石けん液に触れると壊れやすい。
これが感染防御のためにアルコール噴霧や手洗いが推奨されるゆえんである。
余談であるが、アルコールを噴霧しすぎると手指が荒れてくるのもヒト表皮細胞の脂質に影響するからである。
ちなみに、食中毒を起こすノロウイルスはこのエンベロープを持っていないので、アルコール消毒剤を使ってもウイルスの感染能力を失わせることはできない(もちろん手洗いそのものは、手に付いたウイルス量を減らすので、感染リスクを下げるために有効である)
(『ウイルスはそこにいる』宮坂昌之 定岡友彦 講談社現代新書 2024年)
SNSの投稿を見ていると、「ワクチンを打っていないのに発病しない」。
だからワクチンを打つ必要はないと書き込みをされている方を見受けます。
その人は「『幸運な祖先』の子孫たち」と言えるでしょう(『感染症の世界史』「まえがき」)
たとえばインフルエンザでも同じ空間(部屋)にいても発病する人もいるし、無症状の人もいます。
ワクチンを打っていても新型コロナを発症して39℃の高熱で苦しむ人もいます。
自分がこうだから人も同じだと発信するのは無責任だと思いますよ。
SNSの情報に右往左往するよりも信頼出来る情報にアクセスすることをオススメします。
トランプ氏が大統領に就任すれば、フェイクというウイルスが跳梁跋扈する。

“米メタ ファクトチェック廃止 恥ずべきこと”バイデン大統領」(NHK)
  第3章 ウイルスに感染すると、なぜ病気になるのか
 どうしてウイルスに感染すると病気が起きるのか?


 前にも述べたごとく、われわれの身の回りにはたくさんのウイルスがいるが、多くのものは病気を起こさない。
それどころか、一部のものはわれわれの中に棲みついていて生理的な役割を果たすものもある。
ところが、誰にも覚えがあるはずだが、われわれが病原性のあるウイルスに感染すると、さまざまな不快な症状が現れ、やがて病気となる。
どうして一部のウイルスは病気を起こすのだろうか?
(『ウイルスはそこにいる』宮坂昌之 定岡友彦 講談社現代新書 2024年)
 ウイルスが宿主に感染して病気を起こすかどうかは、ウイルスと宿主の組み合わせに依存する。
この点、大事なのは、ウイルスの宿主に対する感染性と病原性である。
 ウイルスの感染性とは、ウイルスが宿主の細胞内に侵入して増殖できるか(あるいは持続的に存在できるか)どうかということである。
つまり、細胞内に入って増殖できる(あるいはそのまま維持される)ウイルスはその宿主に対して感染性を持つ。
一方、細胞内に入れないウイルスはその宿主においては感染性がない。
これはウイルスが細胞なしには活動できないことから当然であろう。
 したがってウイルスが病気を起こすためには、親ウイルスがまず宿主の細胞膜に結合して、細胞内に侵入することが必要である。
そのために必須の構造が、ウイルス表面に出ている特定のタンパク質だ(新型コロナウイルスの場合にはスパイクタンパク質がこれに当たる)
 一方、宿主細胞の表面には、この物質に対する受容体(レセプター)があり、ここにウイルスの特定のタンパク質がうまく結合すると、細胞内にまんまと侵入できる。
ウイルスが持つ特定のタンパク質という「鍵」と、細胞の受容体という「鍵穴」の形がピタリと合ったときにだけ感染が成立するわけだ。
 たとえば肝炎ウイルスは肝臓の細胞に感染するが、これは肝炎ウイルスの特定のタンパク質が、肝臓の細胞にだけ存在する受容体に結合できるからである。
 ただし、感染したからといっても必ず病気を起こすわけではない。
「不顕性(ふけんせい)感染」といって、感染してもまったく症状を起こさないことがある。
からだに免疫力が強いと、ウイルスが一定以上増えることができず、そのために症状が出ないという状態だ。
不顕性感染の多くは一時的なものであり、やがて体内からウイルスが消えてしまう。
 しかし、病原ウイルスが増殖して、その量が一定の閾値(いきち)を超えると、はっきりとした症状が出てくる。
これが「発症」であり、「顕性感染」という状態だ。
たとえば、多くの人が経験するように、インフルエンザに感染して発症すると、急に高い熱が出て、頭痛、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感(だるさ)などが出て動けなくなる。
 これは、細胞内でウイルスが増えるとそれが感染細胞を刺戟し、そのためにさまざまなことが起きるためである。
 たとえば、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスでは、呼吸器系の上皮細胞に感染して細胞内でウイルスが増殖すると、細胞が急いで炎症性サイトカインを作り始める。
炎症性サイトカインとは、炎症を起こすサイトカイン(=細胞どうしが互いにシグナルをやりとりするときに使う一群のタンパク質)のことで、からだに的が侵入してきた際の警報役として機能する。
 よく知られている炎症性サイトカインとしては、インターロイキン-1(IL-1)、IL-6、TNFαなどがある。
いずれも、自分やまわりの細胞に異物侵入の警報を出し、異物に対する反応を強化させる物質だ。
炎症性サイトカインは免疫系、神経系、筋肉骨格系などいくつもの生体系に働く。
 こうし炎症性サイトカインは、われわれのからだに生まれつき備わった自然免疫という病原体の侵入を防ぐ仕組みを動きやすくさせる(詳しくは第6章で解説する)
 第1章でも説明したように、自然免疫系はわれわれが生後に獲得する仕組みである獲得免疫系にも働いて、その主役であるリンパ球が外敵に反応しやすい状態にする。
これらのことから炎症性サイトカインが作られると、ウイルスに対するからだの総合的な防御力が高まる。
 ただし、「過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如し」。
炎症性サイトカインが作られすぎると、不快な症状が出てくるようになる。
たとえば、ウイルスが細胞内で増殖しすぎて宿主細胞が傷つき死ぬと、組織にお掃除役として存在するマクロファージなどの食細胞が死細胞を取り込み、多量の炎症性サイトカインを作るようになる。
すると、炎症性サイトカインが血管内に入り、さらに脳の血管に働いて、脳内である種の生理活性物質が作られ、これが脳の体温調節中枢に働いて発熱をもたらし、さらには疲労感、全身倦怠感や頭痛などの原因ともなる。
これがいわゆる典型的な「風邪症状」だ。
いずれも、からだの動きを鈍らせることとなり、結果的に自己保存的な行動につながる。
一種の受動的な防御反応ともいえる。
 一方、体内へのウイルスの侵入量が少ないときや、からだの免疫力がウイルスの増殖を抑えることができるときには、ウイルスの増えすぎは起こらず、そのために炎症性サイトカインの作りすぎにはならないので、結果的に先に述べた「不顕性感染」となる。
「知らないうちに罹っていた」という場合がそれだ。
(『ウイルスはそこにいる』宮坂昌之 定岡友彦 講談社現代新書 2024年)

私が新型コロナを発症した時(8月2日)は、
熱帯夜で睡眠の質が低下していたからだと思います(翌日には平熱の36℃台)。
30代の頃、年末に39℃も発熱したことがありますが、
連日、夜遅くまで仕事をしていて寝不足になっていました。
この時もインフルエンザワクチンを打っていたおかげか1日で熱が下がりました。
睡眠不足になると免疫力が落ちます。
今朝の父の一枚です(^^)/
今日から三連休ですね。
blogの更新を三連休しましたが、天気が悪くて散歩を諦めたことや父の通院などで休みました。
天気の悪い時は無理をせず更新を休みます。

 第1章 ビル街の鳥―スズメ 人とともに生きる非凡な生活
  都市空洞化現象

 
 スズメは、地味な色彩で、ウグイスのような美声でもないためか、身近な鳥のわりに注目されることがない。
しかし、人に目立たない生き方は、都会や村落といった人の住む人工環境を住処(すみか)に選んだ野鳥にとっては大変重要なことである。
 スズメは、人里離れた森林の奥深くや無人島などにはすみ着いていない。
スズメの生息しているところには人が住み、人の住んでいるところにはスズメが生活している。
だから、過疎の村で人が住まなくなると、いつの間にかスズメの姿も消えてしまう。
逆に、スズメの生息していなかった山中にゴルフ場やスキー場が建設され、人の生活がはじまると、いつの間にかスズメもすみ着き、繁殖を始める。
 野鳥の多くは、自然破壊や自然の開発によって姿を消してしまったのに対し、スズメの場合には、人類の繁栄に伴い、人工環境の増大によってますます分布を拡大してきた。
 他方、東京の都心部では、中央区兜(かぶと)町や、千代田区の神田地区などの一角のように、スズメが生息していない地域がある。
銀行や証券会社、商社などのビル街では、地価高騰や都市再開発などにより、そこで生活している住民は極端に減少してしまった。
都心部では昼間人口は過密でも、夜間人口は激減し、いわゆる都市空洞化現象が進行している。
スズメの目から見れば、東京の都心部は過疎の村と同じように見えるのかもしれない。
(『都市鳥ウオッチング 平凡な鳥たちの平凡な生活』著:唐沢孝一、絵:薮内正幸 ブルーバックス 1992年)