早くも萩(ヤマハギ)が咲きだしていました。
気象予報士さんが今日の気温は
ひと月早い気候だと話していましたが…
ちょっと早すぎるような…
父もハギが咲いているのを見つけて撮っていました。
栗田勇さんの『一遍上人―旅の思索者―』の中に
因幡堂を訪れたときのことが書かれていました。
(「第7章 はねばはねよ をどらばをどれ」より)
(…略…)
今回は、(一遍)智真自身、心に期するところがあった。
すでに、九州では大友という大檀那(おおだんな)を得、
吉備では三百人近い信者を持つ、小なりといえども教祖である。
信徒の、往生をあずかる、阿弥陀仏の化身である。
それを京の都で認めさせる必要があった。
もちろん、単なる権勢欲や世俗的な成功のためではない。
が、いたずらに山野にこもって身を修めてよしとする験者ではない。
市(いち)にあって、掃溜(はきだめ)のような都で、
底辺の下民を救うことによって、
はじめて智真の信仰の正しさが証明されるからである。
それが、智真の、
「信、不信をえらばす、浄、不浄をきらはず」
ただ六字の名号をすすめれば、
仏の悲願に通ずるという信念だったからだ。
(『一遍上人―旅の思索者―』栗田勇 新潮文庫 平成12年)
京に入って、五条烏丸東の平等寺因幡堂に身を寄せようとしたのもそのためだった。
というのも、ここの本尊は、
村上天皇の天暦(てんりゃく)三年(949)に
因幡守(いなばのかみ)橘行平(たちばなのゆきひら)が夢想によって
因幡国賀留(かる)の津で、金色の浪(なみ)の中から、
等身大の薬師をとりあげたのが、
行平が京にあったとき、長保(ちょうほう)五年(1003)に、
虚空(こくう)をとんで如来が京に来給(きたも)うたので、
屋敷をすてて御堂をたてたといわれている。
この本尊は、善光寺の阿弥陀如来、嵯峨清凉寺の釈迦如来とならんで、
三国伝来の三如来といわれている、外来の御仏である。
また、絵詞(えことば)によれば、
釈迦如来御自作の栴檀(せんだん)の像で、
天竺祇園精舎(てんじくぎおんしょうじゃ)の療病院の本尊だったという。
この伝説から推測できるのは、この因幡堂が、京のなかでも、
病者にたいする施療(せりょう)では他の寺院にくらべて盛んな信仰をうけ、
それだけ特別な活動をしていたこと、
また、わざわざ因幡にちなんで三国伝来ということから、
現実的な医療において、
特別な外来の系譜の技術をつたえていたことを考えても無理はあるまい。
とすると、智真は、みずからの技術で医療をたすけ、
また、ここに伝わる技術を学んで、
衆生済度に役立ちたいと考えたのであろう。
だが、数人の道衆を伴って御堂を訪れた智真の申し入れにたいして、
京の都の反応はにべもないものであった。
智真たちは、
「か様の修行者は、止住(しじゅう)することはならぬ」として、
内陣に入れられず、縁にしめ出されたのである。
教祖としてはもちろん、同格の僧とも技術者としても認めない。
これが、まずは都の評価であった。
智真が意外にもここではなはだ苦い想(おも)いをしたことは、
わざわざ、この不快な出来事を、
「聖絵」に聖戒が書きのこしていることからも知られる。
ぬれ縁や縁の下には、
薦(こも)をかぶった非人や顔を白布で包んだ癩(らい)者がごろごろ転がっている。
その夜、堂の執行が夢のお告げがあって、
一遍を大事な客人と伝えたという話は、むしろ蛇足だろう。
智真の献身的な働きによって認識を変えたとみるべきである。
彼は、ここに泊まって、八月まで数カ月は、
癩者の救済に全力をかたむけていた。
しかし、この実践的な忍耐強い作業も当然のことながら、
その労力しか認められなかった。
そうでなければ、ここを布教の拠点として、
なんらかの発展があったはずである。
しかし、記録は何も語っていない。
一遍の努力もむなしく、
宗教家としての彼の活躍の余地は、まだ京にはなかった。
彼の悩みは深刻だった。
信よりも名声が、実体よりも虚像が、
この京という、いわば架空の情報社会で人を動かしていた。
智真は、みずからの信仰はそれとして、
布教のしかたについて、深刻な疑問を抱いたことであろう。
だから、京での布教の行きづまりによって、
彼はとことん、殆(ほとん)ど絶望の淵(ふち)にまで追いこまれていた。
(後略)
(『一遍上人―旅の思索者―』栗田勇 新潮文庫 平成12年)
スズメの朝ごはんは…
ヤブキリ(キリギリス科)だったと思います。
足を踏ん張って格闘していましたp(^^)q
今朝の父の一枚です。
リュウキュウアサガオ(ヒルガオ科)です。
午後から病院で心臓リハビリを受けました。
一回目なのでエルゴメーターで負荷を与え
心電図を計測しながら実施しました。
これから厳しい季節になり、体調を崩すことが多いので
運動しながら心電図や血圧、脈拍、酸素飽和度などを
測ってもらい日常生活に役立てることができますp(^^)q