2016年9月26日月曜日

この蒸し暑さは…

昔の中国では,秋になるとスズメが海に潜って蛤(はまぐり)になるといわれていました。
これはおそらく,この時期になると,スズメが身のまわりにいなくなって姿を見せなくなることと,
スズメの羽の模様が蛤の貝殻の模様と似ていることから,
洒落て(または本気で)そのように表現していたのだと思います。

(『スズメの謎 身近な野鳥が減っている!?』三上修 誠文堂新光社 2012年)
 万葉集巻第十二(寄物陳思) 3069
赤駒(あかごま)のい行(ゆ)きはばかる真葛原(まくずはら)なにの伝(つ)て言直(ことただ)にし良(よ)けむ 

赤駒が進みかねるような真葛原があるとしても,なんで伝言などなさるのです。
じかにお話しになったらいいでしょう。
▽上三句は二人が逢うのを妨げる困難の譬え。
(『万葉集(三)』佐竹昭広他校注 岩波文庫 2014年)
山水はどこにも沁(し)み出る赤のまま
(『花句集』中村汀女 求龍堂 昭和58年)
なんでもない道がつゞいて曼珠沙華
(『山頭火著作集Ⅱ この道をゆく』大山澄太編 潮文社 昭和47年)

かたつぶり酒の肴(さかな)に這(はは)せけり   寶井其角(たからいきかく)

◇御馳走はないが、庭の蝸牛の風情で一杯やってくれの意。
(『近世俳句俳文集 日本古典文学大系92
   阿部喜三男・麻生磯次校注/岩波書店 昭和39年)
 「ジョロウグモはなぜ多い? ジョロウグモの生きる秘密」(小学校4年女子)
(詳しい観察の後に)
研究を終えて 
ジョロウグモは、ナガコガネグモに劣る点もあるが、それは必要ないからだ。
自分で工夫して生きているから、今の環境でも個体数が多いのだ。
クモは一見、気色悪いけど、本当は害虫を食べてくれる良い生き物だ。
これ以上、人間が環境を変えてはいけないと思う。
キツツキの長い舌」(小学3~6年)
雲行きが怪しいなと見上げているのかな(^。^)
 啄木鳥の話も山も土産かな
(『俳句で綴る変哲半生記』小沢昭一 岩波書店 2012年)


 マミジロハエトリ(ハエトリグモ科)
コバネイナゴ(バッタ科イナゴ亜科)
ヤマボウシ
 多数の花から1個の集合果ができる。
表面の蜂の巣模様は個々の花の境界,突起は雌しべの残存だ。
集合果の内部は一体化し,果肉は甘くとろけて美味。
後の楽しみに冷蔵庫に入れたら数日で甘味は失せ,食感もザラザラに。
陶酔の美味は期間限定だった。
実の中のタネの数や大きさはまちまち。

(『野に咲く花の生態図鑑』多田多恵子 河出書房新社 2012年)
今回も遠くて…胸の縦の斑が見えるので
エゾビタキ
 山家集 下 雑(恋百十首) 1266
朝露に 濡れにし袖を 乾すほどに やがて夕立(ゆふだ)つ わが袂(たもと)かな

後朝(きぬぎぬ)の別れの涙と家路を辿る折の朝露とに濡れた袖を乾かす間に,
もう夕立に逢ったかのように涙に濡れるわが袂だよ。
(『《新潮日本古典集成》山家集』西行、後藤重郎校注 新潮社 1982年)
 今朝は,気温はそれほどでもなかったのですが,蒸し暑くて…
秋雨前線と台風17号の影響があったのかな(・・?

 秋雨前線(あきさめぜんせん)
秋の長雨をもたらす前線。
南東に後退していく真夏の高気圧と,
北西から広がってくる秋晴れの高気圧の間に出来ることが多い。
九月中ごろから十月中ごろにかけて,
日本の南岸沿いに停滞し,秋の長雨をもたらす。
前線が活発になったり,台風が近づいたりすると秋雨前線豪雨を起こす。
梅雨明けのときに北上した梅雨前線の季節的な戻りと考えられるが,
東アジア全体の気流系から見ると違いがある。

(『雨のことば辞典』倉嶋厚・原田稔編著 講談社学術文庫 2014年)