2022年12月26日月曜日

霜が降りていた

公園の草地を見ると霜がおりていました。
今朝は、あまり風が吹かないなぁと思っていると
黒い雲が空を覆うと冷たい風…
寒さはこれからで、1年前、大雪で大規模な立ち往生がありました。

滋賀県で大雪予想の場合 通行止め区間を従来より拡大へ」(NHK 滋賀)
これは2年前のこと
吉村知事「コロナに効く」から2年、うがい薬研究ひっそり終了……〟(読売新聞 12月25日)
関西の民放は、連日、大阪知事を出演させていたが
「大阪モデル」は基準がコロコロと変わり破綻していた。
例えば2020年12月4日の日記

和歌山県の「和歌山モデル」は効果をあげていた。
「和歌山モデル」で第3波に立ち向かう〟(NHK 2020年12月2日)
読売新聞の記事に
 「政治家なども人々の反応を期待して安易に発信してしまうことがある。」(田中幹人・早稲田大教授)

中国・レモン奪い合い 「コロナに効果」デマで……〟(テレ朝NEWS 12月23日)
中国の状況は、かつての日本の状況と重なります。
うがい薬も吉村知事の発言以来、しばらくの間、薬局の棚から消えていました。
民俗学の視点からコロナ禍での人々の行動について分析しているのが

 伝染する流言蜚語
 異常な行動は「普通の人々」が起こした


 常ならざる事態に遭遇したとき、社会に流言蜚語が飛び交う。
わが身に何らかの被害が及ぶ恐れを抱いた「普通の人々」が、根も葉もない噂を耳に傾け、貴重な情報だと信じてデマや誤情報を拡散させていく。
 これまで遭遇したことのない状況に陥ると、デマや誤情報に惑わされた人々が、危機感をもとにした異常な行動に駆られることもある。
また、ウイルスに感染しないためにの「処方」を求めようと、わらにもすがる思いで得た情報が、科学的に妥当性が証明されないものだった、というケースも少なくない。
 噂とデマ、誤情報の氾濫はコロナ禍でも繰り返されている。
そうしたなかかから典型的なパターンのいくつかを挙げてみる。
そして、歴史的に展開されてきた風評との闘いを振り返りつつ、私たちがなすべきことについて考えてみたい。
(『医療民俗学序説』畑中章宏 春秋社 2021年)
 噂が招いたトイレットペーパー不足(省略)

 次々と否定された「予防法」の情報

 治療法やワクチンが見つかっていない、新型コロナウイルスに対する身近な防御法の情報にとびつく人も少なくなかった。
「感染を予防するには、特定の飲料や化学物質が効果的だ」というデマや誤情報が横行したのである。
 たとえば「予防には紅茶や緑茶がお勧め」だという情報がツイッターやFacebook上で拡散したと報じられた。
茶葉に含まれている成分に、抗ウイルス作用があるという説にもとづくもののようである。
しかし専門家らによると、新型コロナウイルスへの感染を防ぐ効果があると証明した研究結果は、まだ存在しないとされている(「新型肺炎予防、デマSNS拡散…「紅茶・唐辛子に効果」など医学的根拠なし」ヨミドクター・読売新聞)。
 また「「次亜塩素酸水」を加湿器などに入れて噴霧すると、空間除菌ができる」との情報が流れたこともあると報じられた。
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は「次亜塩素酸水の新型コロナウイルスへの有効性は確認されていない」と予防効果を否定。
世界保健機構(WHO)も「消毒剤を人体に噴霧することはどのような状況であっても推奨されない」としている(「「次亜塩素酸水」等の販売実態について(ファクトシート)」NITE)。
 新型コロナウイルス対策をめぐっては、8月に入ってまもなく、大阪府の吉村洋文知事が「重症化を防ぐには、うがい薬が有効」と記者会見で発言、混乱を招いたばかりだ。
 吉村氏は、殺ウイルス効果がある成分を含むうがい薬を使うと、唾液検査で陽性になる割合が減るとしる研究結果を紹介。
しかし専門家からは「新型コロナウイルスへの予防について、科学的な根拠は確立していない」といった批判の声が上がった(「「うがい薬推奨」根拠は?大阪知事「唾液検査で陽性率減」相次ぐ品切れ、副作用懸念も 新型コロナ」朝日新聞デジタル)。
 行政が〝公式〟に、科学的には不確かな情報を発信したため、効果に疑問の余地が残るうがい薬が瞬く間に売り切れてしまったのである。
 「ラッキョウ入りおにぎり」が爆弾除けに?

 感染症の拡大も命に関わる切実な事態だが、戦時中にとんでもないデマや誤情報が流布したようである。
 太平洋戦争の末期、昭和20年(1945)の3月から4月にかけて、ある荒唐無稽な流言が広がり、新聞などで取り上げられたという(佐藤健二『流言蜚語』有信堂高文社 1995年)。
「敵弾はいつどこに落ちるかわからない。こういう事態になると、いわゆる御幣(ごへい)かつぎや迷信がよく出てくるものだが、今巷(ちまた)におかしな迷信が広まっている。それは、赤飯にラッキョウを入れたおにぎりを作ってたべると、絶対に爆弾をうけないというのだ。」(朝日新聞、1945年3月6日)
 あまりにも荒唐無稽な話だが、ラジオから聞こえてきた「敵機が脱去(だっきょ)した」というニュースを、「ラッキョウ」と聞き間違えたのではないかと現在では推測されている。
そして戦前にも、似たような状況はすでに生じていた。
 松山巌の『うわさの遠近法』(講談社学術文庫 1993年)によると、明治10年(1877)10月に千葉の鴨川でコレラ患者が出たとき、漁師たちのあいだで、「コレラが流行するのは小湊町にある医師と警官が井戸に毒薬を入れ、病院に隔離した患者の生き胆を投げ入れているためだ」との噂が立った。
そこへまた患者が発生したため、その医師が隔離しようとすると、漁民は反対して彼を追い詰めたので、医師は川に飛び込んで逃げようとして溺死した。
 コレラ騒動は一揆まで引き起こし、明治13年(1880)に9件も発生したことが記録に残っている。
当時の報道から一揆の原因を推測すると、役人が井戸に消毒薬を入れるのを見て毒を流し込んだと誤解したとか、「病院に入ると西洋人に生き胆を抜かれる」とかいった噂がもとになったようである。
 いずれにしても、にわかに信じがたいものから、「もっともらしい」と思える内容まで、デマや誤情報は有事の人間心理と密接に結びついてきたと言える。
時代が下っても、こうした傾向がおおむね引き継がれていることは、今日の状況を見れば明らかではないだろうか。
 誤りを記録にとどめ、反省するという務め

 コレラをめぐる無根拠な風説は、安政5年(1858)の大流行の際にも存在した。
長崎の外国人を敵視した噂が流布したというものだが、このときには「異人」に対する恐怖が重ねられていたという。
 何気ない言葉が一人歩きし、やがて社会全体を惑わす。
その危険性を可視化することは大切だろう。
佐藤健二の『流言蜚語』(有信堂高文社 1995年)には、民俗学者の赤松啓介が昭和55年(1980)に著したこんな文章が引用されている。
「いま戦時記録として、空襲被害の記録化がさかんであるけれども、それは表面的な形式記事になりがちである。むしろ、空襲にあわぬようなマジナイ、弾丸に当たらないマジナイ、あるいはヤミ経済、ヤミ物資の買い出し、運び屋の形態、戦時食の調理方法、ヤミ価格の変動、村落共同体と疎開者たちの対抗、そうした日常生活、その体験を記録することの方がもっと重要であると思う」(「村落共同体と性的規範」)
 江戸時代に起きた感染症をめぐるデマや誤情報が、素朴な民間療法や切実な民間信仰の形で記録・記憶されていることで、私たちは、その怖さと教訓を現代にいかすことができる。
もし、過去に起きた騒動の記録がまったく残っていなかったら、今回の新型コロナウイルスによって引き起こされたデマや誤情報が真実として流布し、パニックを引き起こしていただろう。
事態をさらに深刻化させていた可能性もあるのだ。
 噂やデマに惑わされ、また信じ込んだ人々を糾弾するばかりでなく、かつての誤りを記録にとどめ、反省する。
このことも、現在進行形の危機にさらされている私たちの務めかもしれない。
(『医療民俗学序説』畑中章宏 春秋社 2021年)
今朝の父の一枚です(^^)/

 トコトコ歩いてエサ探し! 白黒の「コンビニ鳥」

 コンビの前で、尾をピコピコと上下に振る、白黒の鳥を見たことがありますか?
そのよく見られる場所から、「コンビニ鳥」や「駐車場の鳥」ともいわれますが、正しい名前はハクセキレイです。
この仲間の英名「Wagtail」も、尾( tail )を振る( wag )鳥という意味です。
 尾を振る理由は、詳しくわかっていませんが、天敵などを「警戒」しているときによく振るという研究結果があります。
 自然の中では、草地や河川敷、農地周辺などに生息しています。
 地上をトコトコ歩いてエサを探しますが、飛ぶ昆虫を捕らえるフライングキャッチも得意です。
人がエサをくれるかもしれないと思って近づいてくることもあります。
尾を振り、こちらを見つめる仕草は、おねだりしているようで可愛いのですが、安易な餌付(えづけ)は控えましょう。
(『身近な「鳥」の生きざま事典』一日一種著 SBクリエイティブ 2021年)