2018年3月30日金曜日

ひんやりするけど…

ひんやりとした朝でした。
昨日の暑さより、歩きやすかったです(^_^)b

  菜の花や壬生(みぶ)の隠家(かくれが)誰たれぞ

[訳]菜の花が美しく広がっている。
壬生の隠れ家に住む人は、いったい誰か。
[語]壬生―京都市中京区。壬生にある壬生寺では3月14日から24日まで大念仏会があり、そこで演じた壬生狂言が有名。
隠家―「隠家トアラバ、柴の庵 山の奥 世の浮時 吉野山 鳥の落草 市の中」(連珠合璧集)。
[解]壬生狂言は、仮面劇で土地の住民が俳優を演じた。
仮面から隠れ家や隠者を類推し、菜の花の美しさの中に隠れ住む人は誰と誰かと問いかけた。
(『蕪村句集 現代語訳付き』玉城 司訳注 角川ソフィア文庫 2011年)

連珠合璧集 隠家」60/90(国文学研究資料館

壬生狂言 京都 壬生寺 無言の説法」(動画)
歩くでも泳ぐでもなく、じっとしているときに首を上下に振る鳥たちもいる。
たとえばカワセミだ。
(…略…)
 さて、このカワセミを観察していると、ひょいっと首を上に伸ばして、その後に縮める仕草を見せる。
この一連の動作は、いったい何なのだろうか?
 実はこれは、光の反射などによって見づらくなっている水中の獲物や天敵を見やすくするための行動である。
私たちも川や池にいる魚を見ようとすると、光の加減で水面が反射してしまい、よく見えないことがある。
そんなとき、ちょっと頭の位置を変えてみると、見やすくなることがある。
それと同じことを、カワセミは上下に首を振ることで行っているのである。
(『ハトはなぜ首を振って歩くのか』藤田祐樹 岩波科学ライブラリー 2015年)
散り際こそが美しい
 この世に散らない花はありませんが、桜ほど散り際が美しいものもありません。

  散るさくら残るさくらも散るさくら  良寛

 江戸後期の禅僧で歌人の良寛の句です。
人生の無常感が怖いまでに象徴されています。
落花(らっか)も散る桜と同じ意味。
「落花」とわずか三音で、風に吹かれ散る様を言い止めることができるのです。
ですから「落花」と言えば、「散る」「舞う」などの動詞は不要です。
同様の言葉として花吹雪・桜吹雪・飛花(ひか)などもあります。

  中空(なかぞら)にとまらんとする落花かな  中村汀女(なかむらていじょ)

 空は青空でしょうか。
ストップモーションを見るような、映像的にも美しい一句です。
 
 花の塵(ちり)・花屑(はなくず)は散った花びら、花筏(はないかだ)は水に浮く花屑を筏に見立てたものです。
「塵」「屑」などという言葉も、それが花になると、とたんに美し言葉に様変わり。
なお花を散らす風は、「花の風巻(しま)き」というそうです。

 花筏水に遅れて曲りけり  ながさく清江(きよえ)
(『もっと知りたい 美しい季節のことば』宇多喜代子監修、浦川聡子文、NHK出版 2013年)
今日の道のたんぽぽ咲いた
(『山頭火句集』村上護 編 ちくま文庫 1996年)
  世にさかる花にも念仏申しけり  松尾芭蕉

 今を盛りと咲きこぼれる桜を見て、どう感じるかは人それぞれだ。
けれど芭蕉の俳句だから気になってくる。
桜を勧賞すると同時に、人生の観照となっているところが眼目である。
無常というのは常がないこと、『平家物語』の冒頭でも
諸行無常、盛者(じょうしゃ)必衰の理(ことわり)を説くのは有名である。
 満開の桜を見ながら、美しければ美しいほど
完璧な一切存在の真実のすがたを観(み)た思いになったのだろう。
八百万(やおよろず)の神々を生み出したのは日本人である。
念仏とは心に仏や功徳(くどく)を観じ、口に仏名を唱えること。
桜に対して神とか仏を想念することは突飛でも何でもなく、これが時代の雰囲気である。
芭蕉俳句の背景に、心を支える宗教があった。
(『きょうの一句 名句・秀句365日』村上護 新潮文庫 平成17年)
梨の花過ぎゆかむ日にかく病めば夫ある事は涙ぐましも  宮本美津子
(『昭和萬葉集 巻十 独立日本 昭和27年~29年』講談社 昭和54年)
鶯が歌は聞こえてきて春を感じるのですが、
左耳が失聴しているので方角が分りません…
でも、右耳は聴力が落ちているけど
鶯のさえずりが聞こえるだけでも幸せだと思います。
そしてこの子の歌声も可愛い♪
メジロが黄色い口紅をつけています(^-^)
アオジが探し物をしているようです…
ピントが甘くて分りづらいと思いますが、
カワラヒワが自分の体長よりも長い枝と格闘していましたp(^-^)q
巣作りは大変ですよね!」なんて話しているみたい(^。^)
巻第十一(寄物陳思) 2786
山吹(やまぶき)のにほへる妹(いも)がはねず色の赤裳(あかも)の姿夢いめ)に見えつつ

山吹の花のように美しいあなたのはねず色の赤裳の姿が、ずっと夢の中に見えています。
▽「にほふ」は女性の美しさを表す語。
(『万葉集(三)』佐竹昭広他校注 岩波文庫 2014年)

はねず【唐棣】
今のニワウメか。また、その変種ニワザクラとも。春、紅色の花が咲く。
はねずいろ【唐棣色】
「はねず」の花の色。その色は、変りやすいという。
(『岩波古語辞典(旧版)』大野晋他編 岩波書店 1974年)
ザイフリボクが咲き出しました♪
今朝の父の一枚です(^_^)b
コゲラを撮していました!
スタッフの方に挨拶すると、「今日で(仕事が)終わりなんです」と…
(2012年3月3日)
とっても気さくな方で、両親もよく話をしていました。
お元気で!」と声をかけていただきました。

2 件のコメント:

  1. こんにちは~

    今朝も少しひんやりとしていました~

    >散るさくら残るさくらも散るさくら 
    まさにです。(^-^;

    そして、はや散る桜があちこちで見られます。
    近くに桜トンネルがあるのですが散る桜の下を歩くときは、花吹雪をもらっているようで入学式の頃なら最高だろうなぁ~と思ってしまいます。

    >世にさかる花にも念仏申しけり
    この句を初めて知りました。
    どんな風だっただろうと思いました。
    教えていただいて、あぁ~そうなんだなぁ~
    と、思える年頃になりました。

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    1. カイさんこんばんは(*^O^*)/

      花見を楽しまれている方には寒すぎるでしょうね…
      お酒を飲んでいると平気かな(^^ )

      >入学式の頃なら最高だろうなぁ~と思ってしまいます。
      明日にはかなり花が散りそうな感じです…
      こちらでは入学式にはもう葉桜かな?
      八重桜はこれからだと思うのですが…

      紹介した『きょうの一句 名句・秀句365日』は絶版になっているのですよね(>_<)
      文庫本で病院などで一句ずつ読んでいると
      待ち時間も苦にならないと思うのですが。

      >教えていただいて、あぁ~そうなんだなぁ~
      句の背景などを教えてもらうと
      なるほどと思うことがありますよね。

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