2025年10月14日火曜日

夏に逆戻り

朝、戸を開けると寒いくらいだったけど
日が高くなるにしたがって蒸し暑いこと(^_^;

ヤマトシジミが小さなキツネノマゴの花に来ていました。
人間からすれば小さな花なんだけど
ヤマトシジミからすれば自分の顔よりも大きい。
自然に限らず、いろんなことを自分の物差しで見てしまう。
今朝のEテレ0655のおはようソングは、新作で「米へんが通ります
漢字を覚えるのが苦手なので
あの頃、こんな歌があれば……と思いながら見ています(^^ゞ

そして冒頭で
今日は 鉄道の日~。
きょうは鉄道の日。
明治5年(1872年)のきょう、当時の新橋駅と横浜駅を結んだ日本初の鉄道が開業したことを記念して、平成6年(1994年)、黒土交通省により「鉄道の日」が定められました。
毎年この時期には、全国で鉄道に関する催しが開かれています。


「鉄道の日」100年以上前の木造車両を記念運行 長崎〟(NHK)

2021年10月14日の日記に『絵で見る 明治の東京』から転記していますので、よかったら参照してください。
朝ドラ「ばけばけ」第3週「ヨーコソ、マツノケヘ。」 (11)
今週も怒濤の展開になりそうですね…
銀二郎がトキに語って聞かせたお話「鳥取の布団」。

 日本海の浜辺で

  九

 もう何年も昔になるが、鳥取の小さな宿屋が店開きして最初の客を泊めた。
客は並(なみ)でないもてなしを受けた。
それというのも宿の主人はこの小さな宿屋の評判に気をつかったからである。
新築された宿屋だったが、主人は貧しかったし、取揃えた道具類は、家具も食器も、古手屋(ふるでや)から買いそろえた品ばかりだった。
それでもすべて清潔で、綺麗で、気持が良かった。
客人(きゃくじん)は楽しそうに食い、良い酒に燗(かん)をしてたくさん飲んだ。
その後で柔らかい床(ゆか)の上に敷かれた床(とこ)にはいって寝に就いた。
(『明治日本の面影』小泉八雲著、平川祐弘編 講談社学術文庫 1990年)
 さて、熱い酒を沢山飲んだ後は気持よく寝込むものである。
夜が涼しくて寝床がこざっぱりしている時はとくにそうである。
ところがその客人は一眠りしたと思うと、部屋の中で子供の声が聞こえたので目が覚めてしまった。
子供たちの声でいつも同じ質問を繰返していた。
「兄(あに)さん、寒かろう?」
「お前、寒かろう?」
 部屋に子供がはいって来たのは厄介(やくかい)だと客人は思ったが、別に驚きもしなかった。
というのはこうした和風の宿にはドアはなく、部屋と部屋の間を仕切るのは障子だけだからである。
それで闇にまぎれて、誰か子供たちが自分の部屋に迷いこんだにちがいなかった。
客はおだやかにたしなめてみた。
すると暫くの間は黙ったが、また優しくかぼそい嘆くような声が、自分の耳もとで、
「兄さん、寒かろう?」
 と言い、もう一人の優しい声が相手をいたわるように、
「お前、寒かろう?」
 と言った。
 客人は起きあがって行燈(あんどん)の蝋燭に火をつけて辺りを見まわした。
誰もいない。
障子はみな閉まっている。
茶簞笥(ちゃだんす)を調べたが中は空(から)だった。
妙だなと思ったが、また横になり、行燈の火は消さずにおいた。
するとたちまち子供の声がまた話し始めた。
枕もとで、消え入るような声で、
「兄さん、寒かろう?」
「お前、寒かろう?」
 と言う。
その時はじめて客の背筋を寒気(さむけ)が走った。
何度も何度も繰返し同じ事を言うのが聞こえた。
そしてそのたびに恐ろしさがつのった。
客には声がほかならぬ自分の布団(ふとん)の中にいることがわかったからである。
寝床の掛布団がこのような声を立てるのだ。
 客は自分の身のまわりの物を急いで掻き集めると、階段を降り、宿の主人を起して、いましがた起った事を主人に告げた。
すると宿の主人の方が腹を立ててこう答えた。
「お客様のお気に召すように手前どもするだけの事はいたしました。本当でございます。しかしお客様はあまり沢山お酒を召して、悪い夢でも御覧になったのでございましょう」
 だが客はすぐ宿代を払うと言って聞かない。
よその宿屋へ行く、と言った。
 翌日の夕方、一晩泊めてくれ、と別の客が来た。
夜が更けて主人は客に起されて、またもや同じ話を聞かされた。
この客は、妙な話だが酒を飲まなかった。
これは自分の商売の邪魔をしようと良からぬ企みが仕組まれたに相違ないと思った主人は、躍起(やくき)になって答えた。
「あなた様のお気に召すようするだけの事はみないたしました。それなのに縁起(えんぎ)でもない、手前どもの気に障るような事ばかりおっしゃいます。この宿屋は手前どもの暮しの手立(てだて)でございます――お客様はその事も御存知いらっしゃいます。それなのに何故こんな事をおっしゃいます。あそこには何もございませぬのに」
 すると客の方も向(むき)になって、もっとひどい事を大声で言った。
二人はかっかと怒って別れた。
 しかしこの客が行ってしまった後、宿の主人はこうした事はどうも奇妙だと思い、部屋に上って布団を調べた。
そしてそこにいる間にもなんと声が聞えた。
お客さんの言ったことは本当だったのである。
掛布団の中で声を立てるのは一枚きりだった。
それ以外は静かだった。
主人はその掛布団を抱えて自分の部屋へ持ち込み、それを掛けて寝てみた。
すると声は夜明けまで「兄(あに)さん寒かろう?」「お前、寒かろう?」と続いたのである。
主人は眠ることも出来なかった。

 …つづく…

(『明治日本の面影』小泉八雲著、平川祐弘編 講談社学術文庫 1990年)
八雲会(10月13日)の投稿に

【鳥取の布団】
#ばけばけ 第11回
銀二郎がトキに語った怪談。
#小泉八雲 「日本海に沿って」(『知られぬ日本の面影』)にも、鳥取県への旅行中、宿の女中から聞いた話との設定で登場します。
#小泉セツ が最初の夫の為二から聞き、のちに八雲に語ったものと考えられています。
#ばけばけ手帖
父の写真です(^^)/
今朝は、会えなかったけど、昨日、会えて喜んでいました。

八丈島 台風23号の接近で取りやめていた住民への給水再開」(NHK)
大阪は、被害がなかったけど「運がよかった」だけだと思います。
進路が少しずれただけです。

 「台風観測は神頼み」つづき 

 第1章の「台風の暴風域はどこにある?」で述べた2022年の台風14号は、世界中のどの気象予報機関も、あまり発達しないと予想していました。
しかし9月も半ばになり、台風の最盛期が終わろうとしていたので、私はこの台風にかけることにして、航空機観測を実施することを決断しました。
 2日間の観測フライトです。
1日目の航空機観測を実施した9月16日には、台風はすべての予報機関が予測したように、ある程度発達しただけで、スーパー台風にはなりませんでした。
 ところが翌日の夜明け前に台風の状況を確認したとき目を疑いました。
その台風はどの予報機関も予測していなかった急発達をしてスーパー台風になっていました。
わずか半日ほどの出来事です。
私たちは大急ぎで午後に予定していたフライトを早朝に変更し、その台風の最盛期を観測したのです。

 …つづく…

(『天気のからくり』坪木和久 新潮選書 2025年)