これから天気は下り坂…
被災地では少しの雨でも土砂崩れなどが起きる
昨日は、航空機事故と正月に入って、連日、辛いニュースが続いている。
「石川 輪島市で震度5強 少しの雨でも土砂災害のおそれ 警戒を」(NHK)
水道が止まると食事の用意やお風呂、トイレなどが困りますね…
上野千鶴子さんの投稿(1月2日)
地震の度に「原発に異常は報告されておりません」というアナウンスに耳をそばだてる。
地震列島日本に54基の原発を作るなんて正気の沙汰ではない。
「で、代案は何でしょうか?」とコメントしている方がいますので
東京湾や大阪湾沿いなどに原発を設置することを提案します。
リスクを他者へ押しつける自己中心的な方への提案です。
「能登半島地震 およそ150キロの活断層がずれ動いて起きた可能性」(NHK)
第2章 首都直下型地震という新しいリスク
日本で地震の起こらない場所はない
日本はどの場所も地震から逃れられないことが、いまだに常識となっていません。
それを物語るように、私が講演会で地震について話をすると、「地震が来ないところを教えてください」と皆さんが聞いてきます。
本当に、日本には安全を約束できる場所はまったくないのです。
(『地震と火山の日本を生きのびる知恵』鎌田浩毅 メディアファクトリー 2012年) たとえば、日本列島には「活断層」が全部で2000本以上もあります。
これらはいずれも何回も繰り返して動き、そのたびに地震が発生します。
一方、その周期は千年から一万年に1回くらいであり、人間の暮らす尺度と比べると非常に長いのです。
日本列島のどこかで巨大な力が解放されて地震が起きますが、そのどこかは日本の全国土と考えて差し支えありません。 地球上では、断層が1回だけ動いて、あとは全然動かないということはありえないのです。
1回動く断層は何千回も動くものであり、これが地球の掟(おきて)です。
つまり活断層が見つかったら、そこで過去に何千回も地震が起きていたことを示しているのです。
これまで非常によく動いてきた断層は、これからも頻繁に動く可能性があります。
他方、それほど動かなかった断層は、今後もあまり活発に動きません。
こうした特徴を個々の断層ごとに研究者は調査します。
国の地震調査委員会は、日本列島に2000本以上存在する活断層の中でも、特に大きな地震災害を引き起こしてきた100本ほどの活断層の動きを注視してきました。 今回の東北地方太平洋沖地震は、東日本が乗っている北米プレート上の地盤のひずみ状態を変えてしまいました。
そのために地震発生の形態がまったく変わった、と考える地震学者も少なからずいます。
実際、地震のあとに日本列島は5.3メートルも東側へ移動してしまいました。
また太平洋岸に面する地域には地盤が1.6メートルも沈降したところがあるのです。
巨視的に見ると、東北地方全体が東西方向に伸張し、一部が沈降したと言えます(図2-2、60ページ<省略>)。
つまり、陸地が海側に引っ張られてしまったのですが、これは海の巨大地震が起きたあとに必ず見られる現象です。 では、このことは何を意味するのでしょうか。
今まで巨大な力で押されていた東北地方や関東地方が乗っている北米プレートが、今度は思いきり水平方向に引き延ばされたのです。
その結果、今までとは違った力が地面に働き出しました。
これまでは、横から押されることによって、地面の弱い部分が耐えきれなくなってせり上がる断層が、内陸で直下型の地震を起こしてきました。
私たちは地質調査からこうした断層(「逆断層」といいます)を見つけ、地図に記入してきました。
もちろん、そのデータは活断層地図として、専門家でなくとも一般の人々も簡単に手に入れることができます。 ところが今度は、ゴムを伸ばすように大地が引き延ばされたのです。
そして地殻の弱いところが断層として動き出します。
今度の断層は「正断層」といいますが、困ったことに今まで地震が起きてこなかった場所でも地震が起き始めました。
では、こうした直下型地震は、いつ起きるのでしょうか。
結論から言えば、予測はほとんど不可能です。
というのは地震を起こす周期は数千年という長いスパンであり、その誤差は数十年から数百年もあるからです。
社会が要求するような何月何日に地震が起きるという予知は、もともと無理なのです。 困ったことに、活断層は現在調べられているほかにもたくさん存在します。
山野に隠れていた未知の活断層が直下型地震を起こした例は少なくありません。
たとえば、2000年の鳥取県西部地震や2008年の岩手・宮城内陸地震は、それまで未知であった活断層が動いたものです。
地震の発生後に活断層が発見された報告も珍しいことではないのです。
よって、私はどこで新しく活断層が発見されても、またどこで直下型地震が起きてもまったく驚きません。
(『地震と火山の日本を生きのびる知恵』鎌田浩毅 メディアファクトリー 2012年)今朝の父の一枚です(^^)/
第2章 スズメとイエスズメ
1 二種のスズメの棲み分け
スズメと呼ばれる鳥
イギリス人と日本人が、「スズメ( Sparrow )」について会話している。
「スズメって、かわいいよね」と日本人。
「うちの庭にもきていたよ。子供のころからよく見てた。でも、最近になって急に数が減っているのが心配だ」と、イギリス人。
イギリス人のスズメ好きも有名だ。
「本当に。人間の暮らしや家屋の変化が影響しているって聞くよね。あと、気候変動も」
「昔くらい数が戻って、雛に給餌する姿も、また近くで見たいよね!」
両国の人間がもつ鳥のイメージは近く、一見、会話は成立しているように見える。
だが、両者が脳裏に描く「スズメ」はおなじ鳥ではない。
古くから日本人が親しんできたスズメは、英名「 Tree Sparrow 」(樹のスズメ/林のスズメ)。
学名は「 Passer montanus 」で、「山のスズメ」の意となる。
一方、ヨーロッパ人がスズメと呼ぶ鳥は「 House Sparrow 」。
学名は「 Passer domesticus 」。
英名、学名ともに「家のスズメ」の意味となる。
日本でもそのまま、「イエスズメ」の名で呼ばれている。
スズメとイエスズメはともに、スズメ目スズメ科スズメ属というおなじグループに属す。
進化上近い種であるのは事実だ。
だが、日本神話に登場するのはスズメ、「舌切り雀」もスズメの話。
聖書やギリシア神話に登場するのはイエスズメで、ローマ人や古代エジプトの人々が見たのもイエスズメ。
両者は別種である。
…後略…
(『鳥を読む 文化鳥類学のススメ』細川博昭 春秋社 2023年)
「能登半島地震 およそ150キロの活断層がずれ動いて起きた可能性」(NHK)
第2章 首都直下型地震という新しいリスク
日本で地震の起こらない場所はない
日本はどの場所も地震から逃れられないことが、いまだに常識となっていません。
それを物語るように、私が講演会で地震について話をすると、「地震が来ないところを教えてください」と皆さんが聞いてきます。
本当に、日本には安全を約束できる場所はまったくないのです。
(『地震と火山の日本を生きのびる知恵』鎌田浩毅 メディアファクトリー 2012年) たとえば、日本列島には「活断層」が全部で2000本以上もあります。
これらはいずれも何回も繰り返して動き、そのたびに地震が発生します。
一方、その周期は千年から一万年に1回くらいであり、人間の暮らす尺度と比べると非常に長いのです。
日本列島のどこかで巨大な力が解放されて地震が起きますが、そのどこかは日本の全国土と考えて差し支えありません。 地球上では、断層が1回だけ動いて、あとは全然動かないということはありえないのです。
1回動く断層は何千回も動くものであり、これが地球の掟(おきて)です。
つまり活断層が見つかったら、そこで過去に何千回も地震が起きていたことを示しているのです。
これまで非常によく動いてきた断層は、これからも頻繁に動く可能性があります。
他方、それほど動かなかった断層は、今後もあまり活発に動きません。
こうした特徴を個々の断層ごとに研究者は調査します。
国の地震調査委員会は、日本列島に2000本以上存在する活断層の中でも、特に大きな地震災害を引き起こしてきた100本ほどの活断層の動きを注視してきました。 今回の東北地方太平洋沖地震は、東日本が乗っている北米プレート上の地盤のひずみ状態を変えてしまいました。
そのために地震発生の形態がまったく変わった、と考える地震学者も少なからずいます。
実際、地震のあとに日本列島は5.3メートルも東側へ移動してしまいました。
また太平洋岸に面する地域には地盤が1.6メートルも沈降したところがあるのです。
巨視的に見ると、東北地方全体が東西方向に伸張し、一部が沈降したと言えます(図2-2、60ページ<省略>)。
つまり、陸地が海側に引っ張られてしまったのですが、これは海の巨大地震が起きたあとに必ず見られる現象です。 では、このことは何を意味するのでしょうか。
今まで巨大な力で押されていた東北地方や関東地方が乗っている北米プレートが、今度は思いきり水平方向に引き延ばされたのです。
その結果、今までとは違った力が地面に働き出しました。
これまでは、横から押されることによって、地面の弱い部分が耐えきれなくなってせり上がる断層が、内陸で直下型の地震を起こしてきました。
私たちは地質調査からこうした断層(「逆断層」といいます)を見つけ、地図に記入してきました。
もちろん、そのデータは活断層地図として、専門家でなくとも一般の人々も簡単に手に入れることができます。 ところが今度は、ゴムを伸ばすように大地が引き延ばされたのです。
そして地殻の弱いところが断層として動き出します。
今度の断層は「正断層」といいますが、困ったことに今まで地震が起きてこなかった場所でも地震が起き始めました。
では、こうした直下型地震は、いつ起きるのでしょうか。
結論から言えば、予測はほとんど不可能です。
というのは地震を起こす周期は数千年という長いスパンであり、その誤差は数十年から数百年もあるからです。
社会が要求するような何月何日に地震が起きるという予知は、もともと無理なのです。 困ったことに、活断層は現在調べられているほかにもたくさん存在します。
山野に隠れていた未知の活断層が直下型地震を起こした例は少なくありません。
たとえば、2000年の鳥取県西部地震や2008年の岩手・宮城内陸地震は、それまで未知であった活断層が動いたものです。
地震の発生後に活断層が発見された報告も珍しいことではないのです。
よって、私はどこで新しく活断層が発見されても、またどこで直下型地震が起きてもまったく驚きません。
(『地震と火山の日本を生きのびる知恵』鎌田浩毅 メディアファクトリー 2012年)今朝の父の一枚です(^^)/
第2章 スズメとイエスズメ
1 二種のスズメの棲み分け
スズメと呼ばれる鳥
イギリス人と日本人が、「スズメ( Sparrow )」について会話している。
「スズメって、かわいいよね」と日本人。
「うちの庭にもきていたよ。子供のころからよく見てた。でも、最近になって急に数が減っているのが心配だ」と、イギリス人。
イギリス人のスズメ好きも有名だ。
「本当に。人間の暮らしや家屋の変化が影響しているって聞くよね。あと、気候変動も」
「昔くらい数が戻って、雛に給餌する姿も、また近くで見たいよね!」
両国の人間がもつ鳥のイメージは近く、一見、会話は成立しているように見える。
だが、両者が脳裏に描く「スズメ」はおなじ鳥ではない。
古くから日本人が親しんできたスズメは、英名「 Tree Sparrow 」(樹のスズメ/林のスズメ)。
学名は「 Passer montanus 」で、「山のスズメ」の意となる。
一方、ヨーロッパ人がスズメと呼ぶ鳥は「 House Sparrow 」。
学名は「 Passer domesticus 」。
英名、学名ともに「家のスズメ」の意味となる。
日本でもそのまま、「イエスズメ」の名で呼ばれている。
スズメとイエスズメはともに、スズメ目スズメ科スズメ属というおなじグループに属す。
進化上近い種であるのは事実だ。
だが、日本神話に登場するのはスズメ、「舌切り雀」もスズメの話。
聖書やギリシア神話に登場するのはイエスズメで、ローマ人や古代エジプトの人々が見たのもイエスズメ。
両者は別種である。
…後略…
(『鳥を読む 文化鳥類学のススメ』細川博昭 春秋社 2023年)