2021年8月27日金曜日

猛暑が続く…

刺さるような日差しに…
木陰を探して歩いていても汗が噴き出してきます(-_-;)
 Eテレ0655、今朝は「リクエストにおこたえFRIDAY!!」
今朝のリクエスト曲は『℃のC』
アンデルス・セルシウス(1701-1744)は当初、水の凝固点を100度、沸点を0度としていたそうです。
熱い冷たいの感覚を数値化してくれたのがセルシウスなんですね。

11月27日 天文学者セルシウスが生まれる(1701年)」(ブルーバックス編集部 2018年)
 岩波書店のTwitterに

わたくしといふ現象は/仮定された有機交流電燈の/ひとつの青い照明です」(『宮沢賢治詩集』)

今日は宮沢賢治の誕生日(1896年)。
生前に刊行されたのは「春と修羅」「注文の多い料理店」だけでしたが、故郷を愛し独特なリズムを刻む作品は今も私たちを惹きつけます。
  国立公文書館のTwitterに

明治10年(1877)8月27日、中国大陸でのコレラ流行を受け、
明治政府は
虎列剌病予防法心得を通達して港での検疫強化を図りました。
しかし、西南戦争による大規模な人の移動も相まってコレラは全国に蔓延。
二年後には日本でも大流行を引き起こしました。
昨日の記事で『病が語る日本史』より「6 フィラリア症と陰嚢水腫」を転記しました。
その中に『今昔物語集』に収められている寸白がでていました。
今昔物語集 本朝世俗篇(下)』より現代語訳を転記しますφ(..)
巻第二十八 
 寸白(すばく)、信濃守(しなののかみ)に任(にん)じて解(と)け失(う)する語(こと)、第三十九

 今は昔、腹のなかに寸白をもった女がいた。
それが[  ]という人の妻になって、懐妊して男の子を生んだ。
その子を[  ]といった。
しだいに成長して、元服もすみ、官途(かんと)について、ついに信濃守になった。
(『今昔物語集 本朝世俗篇(下)』武石彰夫訳 講談社学術文庫 2016年)
 守(かみ)が、はじめて任国へくだったとき、国境で歓迎の饗宴がもよおされた。
守がその宴席についていると、守の多くの郎等も着座した。
その国の人々もおおぜい集まっていたが、守が宴席について一座を見わたすと、守の前の机をはじめ、末席の机にいたるまで、くるみ一式をいろいろに料理した食べ物が盛ってある。
守は、これを見てどうしようもなく、つらい気持になって、ただもう自分のからだの水分がしぼりとられうようにもだえ苦しみ出した。
そこで苦しみのまり、「いったい、どういうわけで、この宴席には、こんなにくるみばかりをたくさん盛りつけてあるのか。これは、どういうことだ」と問いただすと、国のものが、「この国には、いたるところに、くるみの木が多く生えております。それで守の殿のおさかなにも、また御館の上下の方々にも、すべてこのくるみをさまざまに調理してお出ししたのでございます」とこたえる。
守は、ますますやりきれなくなって、つらい思いにひたり、ただからだをしぼりとられるような気分になった。
 このようにあな[  ]まどい、弱りきった守の様子を、この国の介(すけ)で、年老いて万事に経験がゆたかで判断力もある男がいたが、じっと見て、あやしく思って思案をめぐらすうちに、「もしかすると、この守は、まさしく寸白が人に生まれかわったのが、この国の守となって赴任してきたのではあるまいか。あの様子を見ると、どうもただごとではない。ここは、ひとつ試してやろう」と思って、古い酒にくるみを濃くすり入れて、ひさげに入れ、あつくわかし、国のものにもたせて、自分はさかずきを折敷(おしき)にのせて目の上にささげて、かしこまった様子で守の御前に持参した。
すると、守がさかずきをとったので、介は、ひさげをとりあげ、守のもっているさかずきを酒についだ。
酒にはくるみが濃くすり入れてあるので、酒の色は白くのごっているのであった。
 守は、これを見て、ひどく気分がわるくなって、酒をさかずきに入れたまま、「この酒の色は、ふつうの酒とちがって、白くにごっているのは、どういうわけか」とたずねる。
介は、「この信濃国ではむかしからの習慣といたしまして、新任の守の殿がおくだりなさったときの歓迎の宴には、三年すぎた古酒にくるみを濃くすって入れ、国の庁の役人がお銚子をもって守の御前に参っておしゃくいたしますと、守の殿がその酒を召されるのがしきたりでございます」ともったいをつけて申しのべると、守はこれを聞いて、顔色が見る見る真っ青になり、がたがたとふるえ出した。
だが、介が、「これを召されるのが定めでごじます」とせめ立てるので、守は、ふるえふるえさかずきを引きよせたかと思うと、「わしは、じつは寸白男(すばくおとこ)だ。もうがまんできぬ」と言うやいなや、さっと水になって流れてしまった。
そして、遺体さえとどめなかった。
 そのときに、守の郎等どもはこれを見て、おどろきさわぎ、「これはどうしたことか」とあやしがって大さわぎになった。
そのときに、介が言った。
「あなたがたは、こういうことをご存知なかったのか。守の殿は、寸白が人になって生まれてこられたのです。くるみがたくさん盛られているのをごらんなさって、ひどくつらそうに思っておられる守の様子を拝見して、わたしはかねがね聞きおぼえたことがございますので、試してみようと存じまして、あのようにいたしましたところ、がまんできずにとけておしまいになさったのです」。
こう言って、国のものをみな引きつれて、その場はそのままにして国に帰っていった。
守のとものものたちは、いまさらどうしようもないことなので、全員京に引きかえした。
そして、ことの一部始終を語ったところ、守の妻子や親族のものたちは、みなこれを聞いて、「なんと、あのかたは、寸白の生まれかはりであったのか」と、このとき初めて知ったのである。
 思うに、寸白も、このように人に生まれかわるものなのだ。
人々はこれを聞いてみな笑った。
まことに珍しいことなので、このように語り伝えているということである。
① サナダムシなどの寄生虫。消化器官に寄生し、長さは、数ミリから数メートルにおよぶ。
② 人名の明記を予定した意識的欠字。
③ 子の名の明記を予定した意識的欠字。
④ 原文「冠(かうぶり)」。童髪を結いあげて冠をつけ、成人の衣服に改める。男子十二歳~十六歳に行われた。
⑤ 原文「坂向(さかむかへ)の饗(あるじ)」。「坂」は国境。新任の国司が任国に到着したとき、国府の役人が歓迎のため国境に出てむかえ、饗応した。
⑥ どのような欠字がよくわからないが、相当長文の内容が入ったものであろう。
⑦ 次官。
⑧ くるみの種子は、薬用・食用に用い、また油をしぼった。寸白を殺す作用がある。寸白の治療には、他に柚(ゆ)・檳榔樹(びんろうじゅ)・胡椒・榧実(かやのみ)・はじかみなどが挙げられている。
⑨ 酒・水などをそそぐのに用いる注ぎ口のついた器。
⑩ 縁を折りまげた薄板で作った方形の盆。
(『今昔物語集 本朝世俗篇(下)』武石彰夫訳 講談社学術文庫 2016年)
今朝の父の一枚です(^_^)v

アゲハが花ではなく地面に降りています。
はっきりとは分かりませんが、吸水をしていたのかもしれません。

雄チョウの吸水行動の重要性」(龍田勝輔 JT生命誌研究館 2012年9月18日)