2015年10月5日月曜日

肌寒い朝でした…

従軍の人に送る
生きて帰れ露の命と言ひながら
(『子規句集』高浜虚子選 岩波文庫 1941年)

この歌は明治27年に発表されています。
まだこの時代は,「生きて帰れ」と歌うことができたのですね…
道の辺や荊(いばら)がくれに野菊咲く
(『子規句集』高浜虚子選 岩波文庫 1941年)
タデアイ
たでの花簾(すだれ)にさすと寐ておもふ日のくれ方の夏の虹かな
(『与謝野晶子歌集』与謝野晶子自選 岩波文庫 1985年)
ノコンギクかな(・・?
ヤブマメに
ハナグモ
腹部にうっすらと顔が浮かんでいる(^v^)
    

こうして
窓のところでものを考へてゐると
ひとつもかんがへはまとまらないけれど
自分のからだが
新しいもののようにおもへてきてうれしい

(『八木重吉全詩集 2』ちくま文庫 1988年)
ケチヂミザサ(チヂミザサ)

おしろいは妹のものよ俗な花
(『子規句集』高浜虚子選 岩波文庫 1941年)

俗な花」とは失礼ですよね(^_-)
小気味よく刳りて棄てし柘榴の実
(『しづ子 娼婦と呼ばれた俳人を追って』 川村蘭太 新潮社 2011年)
ホシアサガオ


雨戸をがらりと引きあけると
どつとそこへ躍りこんだのは日光だ
お! まぶしい
頭蓋(あたま)をがんと一つくらしつけられでもしたやうに
それでわたしの目はくらみ
わたしはそこに直立した
おお
けれど私のきつぱりした朝の目覚めを
どんなに外でまつてゐたのか
此の激烈な日光は!
やがておづおづと痛い目をほそく漸くみひらいて
わたしはみた
わたしはみた
そこに
すばらしい大きな日を
からりとはれた
すべてがちからにみちみちた
あたらしい一日のはじめを


(『山村暮鳥全詩集』彌生書房 昭和39年)
残された二つ三つが熟柿となる雲のゆきき
(『山頭火句集』村上護 編 ちくま文庫 1996年)

熟柿は野鳥がつついたようです(^v^)
秋の花稀(ま)れに摘めども怪しけれすでに木綿の手ざはりの草
(『与謝野晶子歌集』与謝野晶子自選 岩波文庫 1985年)