天気予報を見ていると4月の気温だとか。
曇り空でいつもの服装だと寒さを感じるほど
公園では工事のために立ち入ることができなかった場所
一部、工事が終わったのでキササゲを見ることができました(アメリカキササゲかも?)。
この頃の不安定な天気で……
〝「南高梅」の収穫始まる 2年連続不作の見通し 和歌山 田辺〟(和歌山NHK 5月30日)朝ドラ「あんぱん」第9週「絶望の隣は希望」 (45)
ヤムさんが、乾パンづくりを教えて去っていきました。
来週は、小麦粉が配給になったことで朝田パンは閉めざるを得なくなるようです。
戦後になって進駐軍放出の小麦を使ってジャムパンの作り方を教えに戻ってこないかな?
「ジャムパン完成」(木村屋のあゆみ)
「食事」(昭和の生活 NHKアーカイブス)
今朝のNHK映像ファイル あの人に会いたい「いわむらかずお(絵本作家)」
絵本は、子どもだけのためにあるのではないですね。
鶴見俊輔さんがハーヴァード大学に留学していた時のことは、
『日米交換船』(新潮社)に載っているようですが、絵本から紹介したいと思います。 『わたしが外人だったころ』(鶴見俊輔/文 佐々木マキ/絵 福音館書店 1995年)
…前略…
大学に入って3年目に、日本とアメリカの戦争がはじまりました。
わたしは、ハーヴァード大学学部学生のあいだたったひとりの日本人でした。
ある夕方、わたしが下宿していた屋根うら部屋に、3人の刑事が入ってきて、わたしを警察本部につれてゆきました。
わたしの部屋でのとりしらべがながびいたので、警察本部(くわしくは連邦警察FBI本部)についた時には、夜中に近く、ひろい部屋のむこうのすみに女性がひとりすわってタイプをうっているほか、だれものこっていませんでした。
そこで型どおり、3人の刑事は、わたしに両手を上げるように言って、わたしが言われたとおりにすると、ポケットの中をあらため、両方のわきの下にさわって、ピストルをもっているかどうかたしかめました。…前略…
大学に入って3年目に、日本とアメリカの戦争がはじまりました。
わたしは、ハーヴァード大学学部学生のあいだたったひとりの日本人でした。
ある夕方、わたしが下宿していた屋根うら部屋に、3人の刑事が入ってきて、わたしを警察本部につれてゆきました。
わたしの部屋でのとりしらべがながびいたので、警察本部(くわしくは連邦警察FBI本部)についた時には、夜中に近く、ひろい部屋のむこうのすみに女性がひとりすわってタイプをうっているほか、だれものこっていませんでした。
わたしはおそろしかったのですが、19歳というのは、わきの下にさわられると、笑いだすようにできているのですね。
わたしの笑い声は、大きな部屋のすみまできこえたようで、はるかむこうのほうで、さっきのタイピストが、つられて笑っていました。
…中略…(東ボストンの留置場) 屋根うら部屋でつかまった時、行李(こうり)二つぶんの手紙や日記を、刑事がもってゆきました。
書きかけの卒業論文も、その中に入っていましたので、勉強もおわりだと思っていました。
ところが、わたしの受け持ちの教授が警察にたのんで、この卒業論文を獄中のわたしに返すように、はからってくれました。
いざ書きつづけることになると、駅の待合室のような大部屋では、人の声が耳に入って考えをまとめることができません。
昼のあいだは、休んでいることにして、夜、ベッドからおきだして便所に入り、便器を机にして、それにむかって日本ふうにすわって書きつづけることにしました。
書きあげた原稿は、ニューヨークのコロンビア大学にいた姉のところにおくり、姉がタイピストにたのんでうってもらい、そこから、大学におくりました。 1942年6月10日、ニューヨークのエリス島から、交換船が出発しました。
(戦争がおこったときに、その国に住んでいた相手の国の人々をおたがい同じ数を、もとの国に戻すのが、交換船です。)
その日は、ハーヴァード大学の卒業式の日でした。
獄中にあるまま、わたしはこの大学を出ることができました。
小舟にのって、交換船にむかう時、自由の女神の肖像のわきをとおりました。
…後略…
(『わたしが外人だったころ』鶴見俊輔/文 佐々木マキ/絵 福音館書店 1995年)
「鶴見俊輔(つるみしゅんすけ) 哲学者・評論家」(NHKアーカイブス)5月18日に「満寿形屋(ますがたや)」で鯖ずしときつねうどんのセットをいただきました。
鯖ずしのことと鯖街道について前回、紹介しましたので京都のうどんについて転記しますφ(.. )
第二章 お昼はやっぱり「麺類・丼もの」
京の腰抜けうどん
…前略…
京都でうどんを食べるときに、心得ておきたいことがふたつある。
ひとつは麺のコシ。
基本的に、古くからある京都のうどんは、コシがないことを信条としている。
俗に<腰抜けうどん>と言われるほどにやわらかい。
それをして、うどんにコシがない、と言って、酷評する向きがあるが、それはまったくの誤りである。
味わいというものには地方性があり、麺にコシがあるから優れているというのは、関西圏では通用しない。
京都も大阪も、あえてコシをなくしているのである。
したがって、いくら行列のできる人気店であっても、コシのあるうどんを出す店は、京都らしさを持ち合わせていないと言える。
(『京都しあわせ食堂』柏井壽 PHP研究所 2016年) ふたつに出汁という言葉。
全国的には出汁と言えば、味を構成する素材で、そこに醤油(しょうゆ)やみりんなどの調味料を加えたものを<つゆ>と呼ぶ。
だが京都ではその<つゆ>も出汁と呼ぶのが一般的で、<うどん出汁>という言いかたをする。
だから、<出汁>を飲むのである。
――ええ出汁やなぁ――
と京都人が言えば、それは<つゆ>のことなのである。
ところ変われば品変わる。
まさに京都のうどんは、そんなふうだ。
麺にコシがないのは、出汁の旨さを吸収しやすくするためで、麺にコシがあり過ぎると、出汁の旨みを吸ってくれないのだ。
京都のうどんは、麺よりも出汁が主役だということを、頭に置いた上で食べたいものである。
(『京都しあわせ食堂』柏井壽 PHP研究所 2016年)「腰抜けのうどん」という表現以外にも
街と味
…前略…
おいしいだしを吸わせるためにわざわざ麵のこしをころす、
この街独特のうどんのように伝わりづらい、京都好みの「何か」。
…後略…
(『京都の中華』姜尚美 幻冬舎文庫 2016年)
ブラタモリでの発言を聞いているとタモリさんは柔らかいうどん派
一方、村上春樹さんは歯ごたえのある方が好みのようですね(4月16日の投稿)。
私は、どちらも好きです(^_-)高校のクラス会で話題になるのが、
M君が学校の食堂で一本だけのうどん(そば?)とネギ入りの出汁のメニューを注文していたこと。
食堂のおばちゃんも気前よく注文を聞いてくれていたそうです。
理由は聞いていないけど、王将の餃子を10人前食べると無料になったので
10人前に挑戦するために、お昼は出汁だけですませていたのかな?
これはM君だけの特別メニューかなと思っていると……
「台ぬき」というメニューがあるみたい 京のたべもの
…前略…
そばを名物とするところは、日本各地にある。
ちょっと考えても、弘前の津軽そば、盛岡のわんこそば、新潟の十日町そば、信州の戸隠(とがくし)、南佐久、木曾寝覚めの床、江州伊吹山、島根の出雲そば、数えれば切りがないが、おおむね東京風の濃口醤油の汁を使っているようだ。
昨今おびただしい観光客がどっと京都におしよせ、なじみのない京の味をきらうから、東京風ののれんをかけた店がふえたのだろう。
一度も入ったことはないが、恐らく濃口醤油のだし汁を使っているに相違ない。
京風の薄味に近いのは、名古屋のきしめん、四国の讃岐(さぬき)うどん、瀬戸内海沿岸のそうめんくらいじゃないかしら。
(『京の路地裏 同時代ライブラリー』吉村公三郎 岩波書店 1992年) 京都の素うどんもキツネうどんもしっぽく(おかめそばのようなぐをのせたうどんかけ)も、その汁は吸い物に近いからその代用にする人もある。
西銀座で高級クラブを経営していたおそめさんが祇園の芸者をやめてしばらくのころ、下木屋町にささやかなバーをやっていた。
作家の川口松太郞さんや大佛次郎さん、さし画絵描きの岩田専太郎さん、舞台美術の伊藤嘉朔さんなど東京から入洛した文化人がいつもたむろしており、これらのインテリ達の口コミで繁盛し、銀座へ進出するまでになったわけだが、私が京都での常宿にしていた旅館から近いので、余り酒も飲めないくせに時々顔を出した。 ある晩おそくもう看板まぎわのおそめバーに立ち寄ったら、ちょうど私も時々配達してもらっている近所のうどん屋のオッサンがおかもちを持って来た。
とり出した丼をみたら、キツネうどんでしかもうどんが入っていない。
その汁をすすりながら、おそめさんは
「今日は大分お酒を飲まされたさかい、後口直(あとくちなお)しにこれをよばれて(食べる)ますねん。お酒の覚めるまぎわの、このキツネうどんの台ぬきに七味をたんと目を効かしたんは、なんともいえん美味しいもんどす」 この時、はじめてキツネうどんやしっぽくの「台ぬき」というのを知った。
ところがこの「台ぬき」というのは、ずっとむかしから珍しくもないものだそうで、私が知らなかっただけの話である。
後日、高瀬川蛸薬師の大黒屋で食事をしていたら、向かいの席で若いサラリーマンらしい二人が、別にめしと少量の漬け物を注文して、キツネうどんの台ぬきで食べているのを見た。
京のシブチン精神にも抵触しない、いきな食べものだと感心した。
…後略…
(『京の路地裏 同時代ライブラリー』吉村公三郎 岩波書店 1992年)今朝の父の一枚です(^^)/
曇り空だったのでツバメが低く飛んでいました。
第5章 町で見かける他の鳥たち
1 ツバメ
†低く飛ぶと雨が降る
…前略…
これは、雨が降りそうになると、飛翔性の昆虫が低いところを飛ぶようになるので、それを狙ってツバメも低いところを飛ぶのです。
じゃあ、ツバメで雨が降るかどうか予測できるかといいますと、一応できます。
確かに雨が降る前にツバメは低く飛びます。
が、ツバメの姿を見なくても、空気が湿ってきているのが感じられますし、遠くを見れば鉛色の雲が見えています。
ツバメは飛びながら水を飲むこともします。
池やお堀で、ツバメが口をあけたまま、下くちばしを水面つけて、水を飲む行動が見られます。
水面にすーっと、一線が引かれて、なかなか見事です。
…後略…
(『身近な鳥の生活図鑑』三上修 ちくま新書 2015年)