2021年9月13日月曜日

ゆっくりした動きの台風14号。
このあと温帯低気圧になるようですが、大雨を降らしそうです。
台風の影響なのか蒸し暑かったです(^^;

台風14号は東シナ海を北上中 土曜日には温帯低気圧に変わって日本列島へ」(ウエザーニュース)
 内田樹さんのTwitterに

15年ほど前に内閣情報調査室もインタビューに来たことがありました。
「教育制度について」意見を聴かれました。
一生懸命メモを取ってくれたので「それどうするんですか?」と訊いたら
「報告書作って内閣官房に上げます」と教えてくれました。
「官房長官て誰だっけ?」と訊いたら「安倍晋三です」。

気の毒に思って「じゃあ、僕からの聴き取り報告書なんか読まないでしょうね」と言ったら、
目を伏せて「たぶん・・・」と答えてくれました。
正直な人でした。
文科省から出向していたのかな。
国立公文書館のTwitterに

秋の夜は虫が賑やかですね。
画像は江戸時代の虫類図鑑
虫豸図譜(ちゅうちずふ)より、そんな季節にぴったりなクツワムシの図
声がにぎやかでくつわの音に似ている、と書かれています。
くつわは馬の口に手綱を付けるのに用いる馬具。
どんな音なのでしょう。
れから寺田寅彦の『震災日記より』を転記していこうと思います。
その前に、先日転記した、『地震はなぜ起きる?』を書かれた鎌田浩毅さんが「解説」を書かれていますので、先に紹介したいと思いますφ(..)
なお、引用されている寺田寅彦の文章(太字)は、省略しています。
続いて『地震はなぜ起きる?』から関東大震災で、地震よりも被害を大きくした火災旋風について転記します。
なお、焼夷弾や原子爆弾の攻撃によってもこの火災旋風が発生してます。

「消せない火災」狙った兵器 米軍が使った焼夷弾の実態〟(朝日新聞 2019年8月15日)

高熱火災」(広島平和記念資料館)
 解 説  鎌田浩毅

…前略…

 寺田は1923(大正12)年の関東大震災を44歳の時に体験した。
それに基づき、地震・津波・火災・噴火に関する先駆的な論考を残し、平時における備えと災害教育の重要性を説いた。
ここに地球科学を専門とする私と深い接点があるので、本書の「震災日記より」から読み解いてみよう。
(『ピタゴラスと豆』寺田寅彦 角川文庫 2020年)
●科学者の目で見た関東大震災

 関東大震災が発生した大正12年9月1日(土曜)にはプロフェッショナルの目で見た詳細を記述がある。

 急激な地震を感じた。…(後略 271頁)

 専門の地球物理学者が実際に巨大地震を体験した、後世に残る極めて貴重な記録である。
激しい揺れに翻弄(ほんろう)されながらも、寺田はいま起きていることを冷静に観察する。
そして彼の思考は郷里の高知で母が経験した1854年の安政(あんせい)南海地震のエピソードへ向かう。

 その瞬間に子供の時から…(271頁)。
 これらは地震学の基礎として習う内容だが、初動の縦揺れ(P波)の次に大きな横揺れ(S波)がやってくる記述がある。

 主要動が始まって…(271頁)。 

 そのあと寺田は、木造家屋が倒壊して立ち上がる土埃(つちぼこり)の臭(にお)いからその後の大火の発生を予測する。
実は、関東大震災で亡くなった約10万人の犠牲者のうち、9割が地震後の火災旋風などによるものだったのである。
彼は自宅に戻った後、家に寄った同僚たちからくわしく話を聞く。

 隣のTM教授が来て…(275頁)。
●90年以上前に「火災旋風」を記録

 大地震にともなって起きる火災旋風と呼ばれている現象で、人口の多い木造密集地域を焼土と化してしまう。
現在でも首都圏でマグニチュード7クラスの直下型地震が起きた際に懸念されている(拙著『京大人気講義 生き抜くための地震学』ちくま新書)。
そして寺田は地震発生二日目にこう記述する。

 浅草下谷方面はまだ…(277頁)
 関東大震災を経験した寺田の議論はいまだに有効で、2011年から「大地変動時代」に入った現在の日本列島を考えるためにも非常に役立つ。
我が国では首都圏を始めとする大都市に人とシステムが集中し、その勢いは1923年の関東大震災後はおろか、2011年の東日本大震災の後も留(とど)まることを知らない。
 90年以上も前に寺田は、関東大震災の直後から「災害を大きくしたのは人間」という卓見を表明した。
すなわち、もともと自然界に蓄積されたエネルギーには良いも悪いもなく、そのエネルギーを災害として増幅させてしまうかは、人間の所為によると喝破した。
ちなみに、彼は『天災と国防』というエッセイで「災害を大きくするのは文明人そのもの」と記している。
 実は、地震や噴火など自然災害への対処法について、一般市民へ真剣に語りかけた研究者は、寺田が最初である。
市民みずからが地震などの正しい知識を持つにはどうすれば良いかを彼は真剣に模索した。
 試行錯誤を繰り返した彼は、結局「自分の身は自分で守る」姿勢を作らなければ災害は軽減できないと考えた。
よって、地震や噴火など不定期に突発する災害に対して平時から危機感を持つように、市民向けのエッセイで説き続けたのである。
 まさに現代社会の問題を予言したものであり、彼の主張内容がまったく古びていないことに驚く。
日本人は世界屈指の地殻変動帯に住みながら、地震と津波に対する防御が依然としてお粗末なのである。
 彼は数多くの随筆を残したが、その多くは世間の人たちが自然科学に理解がないことを憂いて執筆されたものだ。
寺田は10万人以上の死者を出した関東大震災の原因の一つに知識不足があることを見抜いた。
正しい知識がなかったため、災害時にとんでもないデマ(流言)が流布し、犠牲者が増えたからだ。
 彼は関東大震災のような惨事を起こさないためには、正しい知識が必要であると考え、教育で自らが身を守ることを教えなけれならないと考えた。
それが次に取りあげる科学教育のテーマに繋(つな)がってゆく。
……後略……
(『ピタゴラスと豆』寺田寅彦 角川文庫 2020年)
◆コラム 地震にともなう火災旋風(かさいせんぷう)

 首都直下地震の問題は、建物倒壊など直接の被害に留まらず、火災など複合的に巨大災害を引き起こす点にあります。
被害予測図をみると、下町といわれる東京23区の東部では、地盤が軟弱なために建物の倒壊などの被害が大きく出ます。
(『地震はなぜ起きる?』鎌田浩毅 岩波ジュニアスタートブックス 2021年)
 これに対して、東京23区の西部は東部に比べると地盤は良いのですが、木造住宅が密集しているために大火による災害が懸念されています。
 たとえば環状6号線と環状8号線の中など、幅4m未満の道路に沿って古い木造建造物が密集する地域がもっとも危険です。
事実、1923年に起きた関東大震災の時にも、犠牲者10万人のうち9割が火災による犠牲者でした。
 地震直後に起きた火事が燃え広がり、上昇気流によって竜巻状の巨大な炎をともなう旋風が発生します。
火災旋風と呼ばれるものですが、大都市の中心部ではビル風によって次々に発生し、地震以上の犠牲者を出すおそれがあるのです。
こうなると事実上、消火活動は不可能になってしまいます。
すなわち、建物を壊さないで火災を起こさないことがもっとも重要な行動となるのです。
(『地震はなぜ起きる?』鎌田浩毅 岩波ジュニアスタートブックス 2021年)
今朝の父の一枚です(^_^)v
咲くときはいっぺんに咲くなぁと話していました。

彼岸花(ひがんばな)
 秋の野の土手や田圃の畔道(あぜみち)などで真っ赤な花を咲かせるヒガンバナ科の多年草。
冬には線状の葉があるが春に枯れ、秋に茎だけになった40センチほどの花茎(かけい)の先に蕊(しべ)を横に張った真紅の花が咲く。
ちょうど秋彼岸と重なることから「彼岸花」の名がついた。
別名<曼殊沙華(まんじゅしゃげ)>。
墓地などにも多く咲き、どことなく不吉な気配があるからか「死人花(しびとばな)」「地獄花」などの異名がある。
一筋の茎に深紅の花を咲かせることから、花言葉は「あなたに一途に」。
秋の季語。

 むらがりていよいよ寂しひがんばな  日野草城

(『花のことば辞典 四季を愉しむ』倉嶋厚監修、宇田川眞人編著 講談社学術文庫 2019年)