2021年11月2日火曜日

暖かくて…

今朝も青空が広がっていて歩いていると汗が出てきました。
クヌギの葉にドングリが乗っていると思ったら、カタツムリでした。
夜には北風が吹くみたい…
米バイデン政権の今後占う バージニア州知事選挙 きょう投票」(NHK)
どうも共和党の候補が当選しそうですね…
アフガニスタンの撤退は、前トランプ氏が仕掛けた時限爆弾みたいなものだけど
それをうまく処理できなかったことへの批判が強いみたいです。
アメリカは、失策をすれば当然批判をする。
それだけに政権は緊張感をもって政策を実行する。
ここが日本と大きな違いだと思います。
民主党と共和党が政権を交代できることが大きいのだと思う。
一方、政府批判を許さないのが中国

中国地方議会選 14人の“独立候補”が立候補断念「当局の圧力」〟(TBS NEWS 11月1日)

それでも「困っている市民を助けたい」と立ち上がる人がいることが凄いことだと思う。
よく中国嫌いのSNSや嫌中の本を見かけるけど
中国の人権派を擁護する投稿や本が書かれているのだろうか。
自分自身に自信のない人達が、単に憂さ晴らしで中国批判をしているだけだと思うのだけど。
日本に「オードリー・タン」が誕生しない納得の訳 「天才」がムダになる環境になっていないか〟(ロバート・フェルドマン、加藤晃 東洋経済 11月1日)
……
反体制派であったタン氏は、面白いことに当時の国民党内閣のデジタル大臣であった蔡玉玲に注目されました。
2014年後半に、蔡玉玲大臣がタン氏を「逆メンター」にしました。
若い方が年配の方にアドバイスをする役割です。
蔡玉玲大臣は、タン氏の能力を借りて、国民党政権においてデジタル国策を推進しました。
……

よく嫌中・嫌韓の人達は日本は凄いと発信したがるけど、閉鎖性・隠蔽体質によってどんどん世界から置いてきぼりにされている。

台湾がたった7年で「デジタル先進国」に大化けできた納得の理由 新型コロナも完封した柔軟性〟(早川友久 PRESIDENT Online 5月7日)
透明化することで議論が生まれる

安倍・菅政権時代の忖度・隠蔽体質が日本の経済・技術力を失速させたことに気づいていないと思います。
菅氏の意に沿わない者を排除する体質は大阪でも見られました。

大阪市廃止の住民投票が予想に反して否決されたのは
直前に資料を公開した市職員を公開の場で叱責した。
市長の批判を許さない体質を暴露したことが大きかったと思う。
太宰治の『あさましきもの』の巻頭にあった  

   賭弓(のりゆみ)に、わななくわななく久しうありて、はづしたる矢の、もて離れてことかたへ行きたる。

あさましきもの」という言葉、現在と平安時代では、意味が違うようです。

あさま・し〘形シク〙
…前略…
ポイント
意外なことに出会って驚きあきれる・軽蔑するの、意の動詞「浅(あさ)む」と語源を同じくするという説が有力。
平安時代には善悪・美醜・理非にかかわらず、その程度がはなはだしく、驚きあきれるほどだという気持ちを表すのに用いた。
だから、驚きあきれるほどすばらしい、の意も、意外で興ざめだ・ひどい・の意も表した。
江戸時代以降、見苦しい・いやしい・さもしい、の意に用いられるようになった。
(『古語林』林巨樹・安藤千鶴子編 大修館書店 1997年)
太宰が引用した一文は、『枕草子』からなのですが、三巻本には載っていません。
北村季吟(きぎん)の『枕草子春曙抄(しゅんしょしょう)』をテキストにした
島内裕子さんが校訂・現代語訳した文庫本より転記します( ..)φ
  【第一〇三段

 あさましきもの、
 挿櫛(さしぐし)、磨(みが)く程(ほど)に、物(もの)に障(さ)へて、折(を)れたる。
(くるま)の、打(う)ち返(かへ)されたる。
(さ)る、大(おほ)のかなる物(もの)は、所狭(ところせ)く、久(ひさ)しくなどや有(あ)らむ、とこそ思(おも)ひしか。
(ただ)、夢(ゆめ)の心地(ここち)して、あさましう、文(あや)(な)し。
(『枕草子 上』清少納言著、島内裕子校訂・訳 ちくま学芸文庫 2017年)
 人(ひと)の為(ため)に、恥(は)づかしき事(こと)、慎(つつ)みも無(な)く、児(ちご)も、大人(おとな)も、言(い)ひたる。
「必(かなら)ず、来(き)なむ」と思(おも)ふ人(ひと)を、待(ま)ち明(あ)かして、暁方(あかつきがた)に、唯(ただ)、些(いささ)か、忘(わす)れて、寝入(ねい)りたるに、烏(からす)の、いと近(ちか)く、「かう」と鳴(な)くに、打(う)ち見上(みあ)げたれば、昼(ひる)に成(な)りたる、いと、あさまし。
調半(てうばみ)に、筒(どう)、取(と)られたる。
無下(むげ)に、知(し)らず、見(み)ず、聞(き)かぬ事(こと)を、人(ひと)の、差(さ)し向(む)かひて、抗(あらが)はすべくも無(な)く、言(い)ひたる。
(も)、打(う)ち零(こぼ)したるも、あさまし。
賭弓(のりゆみ)に、慄(わなな)く慄(わなな)く、久(ひさ)しう有(あ)りて、外(はづ)したる矢(や)の、持(も)て離(はな)れて、異方(ことかた)へ行(ゆ)きたる。
 訳 

 浅ましいもの、つまり、驚かされてしまうもの。
挿櫛(さしぐし)を磨いているうちに、何かに当たった拍子に、折れてしまうこと。
牛車が横転してしまうこと。
牛車のように大きな物は、空間をどっしりと占めているので、倒れるわけはなく、万一倒れたとしても、ゆっくりと倒れるものだと思っていたのに、いともたやすく転げてしまうとは。
それを見た時は、ただもう、唖然として呆れて、転げた理由がわからなくなる。
 ある人にとって不名誉なことを、子どもであれ、大人であれ、平気で慎みもなく言っているの。
「今夜は必ず来てくれるだろう」と思う人を、夜の間、ずっと待ち続けていたのに、明け方に、ほんのちょっと、つい忘れて寝入ってしまったところ、烏がずいぶんと近くで「かあ」と鳴いたので、ふと見上げると、何ということだろう、もう昼になっていたのには、本当に驚いた。
賽子(さいころ)を二つ、筒に入れて同時に振って、同じ目が出るか(調<ちょう>)、違う目が出るか(半<はん>)を当てる「調半(ちょうばみ)」の遊びで、相手の振った賽子が同じ目となり、その人がしてやったりと、もう一度賽子を振ろうとして、筒(どう)を手に取っているの。
まったく身に覚えがなく、見たこともなく、聞いたこともないことを、こちらが反論できないくらい、差し向かいで、人が、詳しくはっきりと決めつけて言うの。
何か、水とか、汁とか、墨汁とか、そのようなものを、つい零(こぼ)してしまった瞬間には、まさかこんなことになろうとは、と驚く。
賭弓(のりゆみ)」行事に参加するので、失敗したら嫌だなあと思って、体や腕がぶるぶる震わせながら、長い時間掛けて的に向かい、ようやく矢を放したのに、弓から離れた矢が、全然、的と違う方向に飛んで行ってしまったの。
 評
 「浅ましい」というのは、これらの具体例からみても、「思いがけない驚き」ということがまず、その基盤にあろう。
その驚きの先に来るものは、櫛が折れたり、水を零したりした時の「失敗感」だったり、牛車が横転したのを目撃したり、思わぬ朝寝坊をした時の「茫然自失感」だったり、自分が何も知らないことを持ち出された時の「嫌悪感」だったりといろいろで、この言葉の意味する範囲も広い。
(『枕草子 上』清少納言著、島内裕子校訂・訳 ちくま学芸文庫 2017年)
 今朝の父の一枚です(^^)v

カワセミのカップルかな?(産卵期は3~8月)。

 カワセミの脚は極端に短い

…前略…
 カワセミは青く美しい鳥で、バードウォッチングで人気のある種です。
この鳥の名は漢字で翡翠と書き、同名の宝石の名の由来ともなっています。
しかし、その脚を観察するのは容易ではありません。
なにしろ極端に短いのです。

(中略)

脚の短いカワセミもやはり水辺にすんでいますが、彼らの採食方法は空中からの飛びこみです。
空中から急降下して翼をたたみ、長いくちばしで魚に襲いかかります。
もしも脚が長ければ、水の抵抗で大きく失速するでしょう。
美しい流線型を実現する短足は、優秀な漁師の証拠なのです。
 カワセミは、ときには1mにもなるトンネルを川辺の崖に掘り、その中に営巣します。
もしも脚が長ければ、細いトンネル内を歩くのは至難の技です。
この空間で、短足こそが機能的なのです。
彼らにとって脚は、短ければ短いほどカッコよいのです。
(『トリノトリビア 鳥類学者がこっそり教える 野鳥のひみつ』川上和人 マツダユカ他 西東社 2018年)