2016年12月6日火曜日

しだいに風が吹いてくると…

山茶花は白一色ぞ銀閣寺  小沢碧童
(『講談社版 カラー図説日本大歳時記[座右版]』 昭和58年)
来た時は,歩いていると暖かくて,一枚脱がないと汗が出そうになりました。
風祭る立田の山のもみぢ葉はちらしであれや雪ふるまでに   田安宗武

○風祭る―風の吹かないように竜田の風神にお祈りする。
▽風の神様をお祭りしている立田山の紅葉は,
そのおかげを蒙って雪の降る冬までも散らずにいてもらいたいものだ。
(『近世和歌集 日本古典文学大系93』
    高木市之助・久松潜一校注/岩波書店 昭和41年)
    朱き葉

枯木をゆすりその朱き葉を落す
そのもとにわれはさりえず


なみ立てる枯木は肌にしみてうつり
肌は青くも冷えたり


今しづかにしほらしき心立ち戻り
朱き葉をふところに去らむとすれば
朱き葉はわが肌になじみえず

(『室生犀星詩集』)
いつもの場所で出会えるハクセキレイのカップル(↑雄)

オシャレではありません
生きるために大事な羽づくろいですよp(^-^)q
山みちの落葉ふみつつおのづからおもふかなしき妻子等がことを
(『若山牧水歌集』)
巻第八 1589  秦許遍麿(はだのこへまろ)
露霜(つゆしも)にあへる黄葉(もみち)を手折り来て妹(いも)にかざしつ後(のち)は散るとも

露霜にあった黄葉を手折って来てこの子の髪に挿したことだ。
後は散ってもよい。

妹は宴席の遊女か。
(『万葉集(二)』)
   小鳥来る音うれしさよ板庇(いたびさし)

 渡り鳥の帰って来る羽音(はおと)を,炉辺(ろへん)に聴く情趣の侘(わび)しさ,
西欧の抒情詩,特にロセッチなどに多く歌われているところであるが,
日本の詩歌では珍しく,蕪村以外に全く見ないところである。
前出の「愁ひつつ丘に登れば花茨」や,この「小鳥来る」の句などは,
日本の俳句の範疇している伝統的詩境,即ち俳人のいわゆる「俳味」とは別の情趣に属し,
むしろ西欧詩のリリカルな詩情に類似している。
今の若い時代の青年等に,蕪村が最も親しく理解しやすいのはこのためであるが,
同時にまた一方で,伝統的の俳味を愛する俳人らから,
ややもすれば蕪村が嫌われる所以(ゆえん)でもある。
今日「俳人」と称されている専門家の人々は,
決してこの種の俳句を認めず,全くその詩趣を理解していない。
しかしながら蕪村の本領は,かえってこれらの俳句に尽(つく)され,
アマチュアの方がよく知るのである。
(『郷愁の詩人 与謝蕪村』)

 ロセッチについては
女性詩人の葛藤―クリスティーナ・ロセッティと金子みすゞ」(髙橋美帆天理大学)
が参考になると思います。
シジュウカラが朝ご飯を食べていました(^-^)

声:地鳴きはツッチー,ツーツーチー,チッチッチュカラ,ジュクジュクなどと鳴く。
ツピやツーピー,またはツツピーやツツピピをくり返してさえずる。
習性:全国的に留鳥。
木があれば住宅街にも普通。
秋冬には他種と混群となり,地上で落葉をのけて下の餌を探すことも多い。
(『フィールドガイド 日本の野鳥』)
次第に黒い雲が広がって風も出て来ました。
黒い雲の隙間より顔をのぞかせたのが…
 ビワの花にメジロがきてくれました(^-^)
抱きいる闇ふかきゆゑ枇杷の木もわれもひそけき花保つべし  藤井常世
(『現代の短歌』)