2016年12月10日土曜日

冷たい風が吹いている…

ねがひしはこの静(しづ)けさか今朝(けさ)のわがこゝろのすがた落葉に似たり  若山牧水

武蔵野の冬の林のあかるさよ落葉ふむ音はいのち生くる音  上田三四二

 それぞれ1912年と1985年に刊行された歌集に載る歌だが,
70年余りの隔たりをほとんど感じさせず,
再生への希求を含んだ命の在りようを見つめる観照の姿勢が共通している。
(『岩波現代短歌辞典』)
藪の中でジーッとしていたシロハラ
シジュウカラの雄ですが…

思いっきり翼をひろげて何かアピール(威嚇?)していましたp(^-^)q
今朝は曇り空で雨も降りそうでしたが,散歩にやって来ました。
寒かったのですが,散歩に来ることができて母も喜んでいました(^-^)
  初逢戀
くれなゐに染(そめ)しながひもけながくも戀せし心今宵とけにけり    田安宗武

○くれなゐに染しながひも―紅に染めた長紐で,「けながく」にかかる序詞。
○けながく―時間が長い。時日を経ることの久しい意。
▽紅に染めた長紐のように大変長い間恋つづけて来た心も,やっと今宵やわらいだ。
(『近世和歌集 日本古典文学大系93』
   高木市之助・久松潜一校注/岩波書店 昭和41年)
待人(まちびと)の足音遠き落葉哉  蕪村

さきほどから待ちくたびれていらいらしている。
ときおり落葉の降る音が聞こえてくる。
やがてその人らしい足音が聞こえてきたが,落葉を踏んで近づいてくるその足音は,
まことにかすかで遠い感じがする,との句意。
近代感覚としては昼の景としたほうが新鮮であるが,
当時の恋の句としてみればやはり夜とすべきであろう。
ともかく人を待つ身の焦燥を微妙な感覚で表わしたこの句は,
叙情詩としても逸品であり,落葉のもつ季題趣味からは完全に脱出している。
季語は「落葉」。
(『近世俳句俳文集 日本古典文学全集42』
    栗山理一他校注・訳 小学館 昭和47年)
今朝は,昨日と違って寒いなと曇り空を見上げているのかな(^▽^)
ジョウビタキ 上鶲 尉鶲 ヒタキ科 全長約14.5cm
 スズメくらいの大きさ,つばさにある白い斑紋と赤っぽい尾が目立つ。
おもに冬鳥として北の地方から10月中下旬に渡来し,
農耕地,林縁,低木のある芝生,庭園,川原等,比較的開けた場所にすむ。
 冬の間はおすもめすも1羽ずつ,なわばりをもって生活する。
渡来してしばらくは電線,テレビアンテナ,屋根,枯枝等にとまって,
ヒッヒッと鳴いてなわばりの宣言をしている。
木の実や草の実も食べるが,低い枝,くい,石等にとまって
地上の昆虫やミミズを探し,見つけると地上に下りて食べることも多い。
 体を立ててとまり,尾をぴりぴりと細かく振り,おじぎをするように頭を下げて,クワックワッと鳴く。
1983年夏,北海道の東大雪で日本では初めて繁殖が確認された。
古くからヒタキとよばれるのはジョウビタキのことで,
その火打ち石をたたくような声から火焚(ひたき)きの名がつけられたと言われる。
ジョウについてはヒタキ類の中では上等であるということから上,
雄の頭が白いことから老人を意味する尉(じょう)がついたという説がある。

(『自然観察シリーズ[20]<生態編>バードウォッチング』
                  高野伸二 小学館 昭和58年)
柊の花のこぼれや四十雀  浪化
(『俳諧歳時記(冬の部)』横關愛造編 改造社 昭和29年)
雲が切れて青空が見えました♪
ポツンと残ったザクロの実
なんか口をポカンと開けて青空を見上げているみたい(^。^)
  柚の実      西条八十

(のが)れんすべなし,
せめては小刀
(メス)をあげて
この青き柚の実を截
(き)れ,
さらばうちに黄金
(こがね)
(かぐ)はしき十二の房(へや)ありて
(おんみ)とわれとを防(まも)らむ。
(『日本の詩歌17』昭和43年)
鵙猛るさも縄張りのある如し  前田伍健
(『川柳歳時記』奥田白虎編 創元社 昭和58年)
合点(がてん)して居ても寒いぞ貧しいぞ
(『古典俳文学大系15 一茶集』
     丸山一彦 小林計一郎校注者 集英社 昭和45年)

エナガ 柄長 エナガ科 全長約13.5cm
 体は小さいが尾は長い。
体は黒と白と紫紅色で黒い太い過眼線がある
(北海道のものには過眼線がなくて顔全体が白く,シマエナガとよばれる)。
 九州以北の丘陵から山地の林に留鳥としてすみ,群れを作る習性が強く,
繁殖期以外には十数羽から数十羽の群れで生活し,カラ類との混群の場合も多い。
細くわかれた枝の間や幹に接して,こけで長球形の巣を作り中に鳥の羽毛をたくさん敷く。
その巣の親鳥以外の1~3羽の成鳥が共にひなを育てる例がしばしばあり,
これらの鳥をヘルパーと言う。
たぶん繁殖に失敗した成鳥であろう。
 ジュルリという声を多く発する。
ほかにチーチーチー,ツリリリ,チャッチャッ等の声を出す。
身軽に枝移りしてえさをあさり,早春には幹から樹液を吸う。

(『自然観察シリーズ[20]<生態編>バードウォッチング』
                      高野伸二 小学館 昭和58年)
雀のおしやべり借りたものが返せない
(『山頭火大全』 講談社 1991年)