2016年12月30日金曜日

寒さが少しゆるんでくれて(^。^)

今朝は,霜が降りていました。
まだ,ギックリ腰の余波が残っているのでマクロ撮影はあきらめています(^0^;)
  不 疑
わが心たひらになりて快し落葉をしたる橡の樹(き)みれば
(『日本の詩歌8 斎藤茂吉』)
 モズ(L:20cm)
頭部は大きくて尾は長め。
雄は頭が橙褐色,背が青灰色で,尾は黒褐色,
翼は黒くて初列風切の基部に白斑がある。
眉斑はバフ色で,過眼線は黒くて幅が広い。
下面はバフ色で胸側から脇が橙色。
夏期には頭の灰色味が強く,下面の橙色味が淡い個体も見る。

(『フィールドガイド 日本の野鳥』)

 さざんか【山茶花】さざんくわ
 散る花がこれだけ印象に残る花も珍しい。
咲いているときの華やかさはあまりないが,散る姿が「侘び」「寂び」に
敏感に反応する日本人には忘れがたい記憶として残るのだろうか。

  さざんくわのいくひこぼれてくれなゐにちりつむつちにあめふりやまず  会津八一

 山茶花はその花が新しく伸びた枝の先につくこともあって,
時期になると木全体が白や紅に染まって華やかだ。
しかし,派手な趣きはなく,やがて静かに枝を離れた花びらが地面に舞い落ちるさまが目につくようで,
花そのものをさまざまな風景のなかにおいて詠まれた作品が多い。
               (大谷雅彦)
(『岩波現代短歌辞典』)
(モズ)雌は頭が茶褐色,背は褐色で翼には白斑がなく,過眼線は褐色。
下面は淡褐色で褐色の細かい波状横斑がある。

(『フィールドガイド 日本の野鳥』)
古くからただヒタキとよばれるのはジョウビタキのことで,
その火打ち石をたたくような声から火焚(ひた)きの名がつけられたと言われる。
ジョウについてはヒタキ類の中では上等であるということから上,
雄の頭が白いことから老人を意味する尉(じょう)がついたという説がある。

(『自然観察シリーズ[20]<生態編>バードウォッチング』
     高野伸二 小学館 昭和58年)
金槐和歌集 巻之上 冬部
   老人憐歳暮
白髪(しらが)といふ老(おい)ぬるけにやことしあれば年の早(はや)くも思(おも)ほゆるかな

老ぬるけにや―老いた故であろう。
○ことしあれば―事のあれば。
〔大意〕白髪になったといい,また年老いたせいでもあろうか,
何か事あるにつけて,年の早くたつのを覚えることだ。
(『山家集 金槐和歌集 日本古典文学大系29』
   風巻景次郎・小島吉雄校注 岩波書店 昭和36年)
カワセミ 翡翠 カワセミ科 全長約17cm
 スズメくらいの大きさ。
頭が大きく,くちばしは長くて先がとがっている。
上面は青緑色,下面は橙黄色,おすのくちばしは黒く,めすでは下くちばしの基部が赤い。
幼鳥は色彩が鈍く,胸に黒みがあり,足も黒っぽい。
 多くの地方では留鳥として,湖沼,池,川,濠(ほり)等にすむが,
北の地方のものは冬移動する。
水べの石やくい,水の上の横枝や草の茎にとまって,水中のえものをねらい,
見つけると急に飛びこんでくわえる。
空中で停空飛翔をして,えものをねらってから飛びこむこともある。
とったえものは石や枝に何回もうちつけ,弱らせてから飲む。
えものは小魚がおもで水生昆虫もとる。
 水に近い土手に自分で穴をほって中に産卵するが,
近年は適当な場所が少なくなったため,
水から相当離れた土手も利用している。
繁殖期にはおすがめすにえさを運ぶ求愛給餌をする。
水面上を低く直線的に速く飛び,ツーとかツッチーとか金属的な声で鳴く。
カワセミのセミはこの鳥の古名ソニに由来するといわれる。

(『自然観察シリーズ[20]<生態編>バードウォッチング』
      高野伸二 小学館 昭和58年)
 こんな顔を見ると老人と言うよりも幼児のようですよね(^_-)
みどり子(ご)の頭巾(づきん)眉深(まぶか)きいとほしみ   与謝蕪村

母親に背負われている幼児が寒さを避けるために頭巾をかぶっている。
少し大きめの頭巾を目深(まぶか)くかぶっているため額も見えないほどであるが,
頭巾の奥にぱっちりと開いた瞳のかわいいこと,という句意。
「いとほしみ」といって,「いとほしさ」としなかったのは,首尾に「み」を配して,
中七の「ま」に照応させる整調のためであろうし,
また「いとほしむ」という動作の余情をとどめる表現効果が考慮されているとの解がよかろう。
季語は「頭巾」。
(『近世俳句俳文集 日本古典文学全集42』
     栗山理一他校注・訳 小学館 昭和47年)
   妹と共に小鈴宿下りの日に来る
子守りして嬉しく落葉歩りく娘(こ)
(『決定版富田木歩全集 全壱巻』新井声風編著 世界文庫 昭和39年)
モズ♀に出会ったあと
モズ♂にも出会いました。
冬鵙がきりきりのこす大眼  加藤楸邨
(『講談社版 カラー図説日本大歳時記[座右版]』 昭和58年)
空を見上げているように見えますが,
この直前,モズのバトルを目撃…
(を)しめども年(とし)は限(かぎ)りとなりにけりわが思(おも)ふことのいつか果(は)てなむ

  *原田正貞あての書状の中の歌。同状には正貞の歌の添作があるから,
   本歌もあるいは正貞の作かもしれない。
(『良寛歌集』東郷豊治/創元社 昭和38年)
日本の田園は田畑と雑木林や屋敷林が肌理(きめ)こまかく入り乱れた状態で,
モズの住む場所としてはお誂えむきの場所であり,
それゆえにモズが昔から身近な鳥であったのだ。
このような方式で生活する鳥にとっては,仲間が近くにいて猟の邪魔をしては具合が悪い。
だからモズはめいめいなわばりを占有して仲間を排除することになる。
その必要性は獲物の乏しい冬にはとくに大きい。
モズは冬には雌雄別々に一羽ずつなわばりを占める。
そのなわばりを設定し,互いに所有を宣言しあうのが9月,10月であり,
あの秋の高鳴きがその宣言なのである。
 
(『四季の博物誌』荒垣秀雄編/朝日文庫 1988年)