出かけるときにご近所の人と「朝だけでも涼しいと助かりますね」と話していたのですが
公園で出会った方は、「もうすでに暑い!」との返事。
日ざしが強く汗が噴き出ました。昨日は、上がることができたのですが…
樹木の剪定作業で上がることができなくなっていた。
現在、いつも利用している駐車場も工事を行っています。
月曜日は利用したのですが、父は工事が終わるまで公園に行くのを止めると言っています。
電気事業法や原子炉等規制法などの一部を改正する法律が国会を通過しています。
「原発運転期間 実質延長へ 法律が可決・成立」(NHK 2023年5月31日)
老朽化と地震
さて上のような耐震設計そのものの問題とは別に、気になる問題がいくつかある。
一番大きな問題は、老朽化した原発が増えてきているということだ(原子力の専門の世界では「高経年炉化」という言葉を使うが、辞書にない日本語なので私は使わない)。
図4(「運転歴による原発の事故・故障発生率」省略)に届出のあった原発の事故・故障の原子炉当たりの年発生率を、原発の運転歴に対してプロットしたものを示す。
(『高木仁三郎セレクション』佐高信、中里英章 編 岩波現代文庫 2012年) 図は一つの目安に過ぎないが、運転歴の長い原発では事故・故障の発生率が増えるという傾向がはっきりとわかる。
これらの事故・故障は、もちろん直ちに外部環境に大きな影響を与えるものではないが、近年、福島Ⅱ-3号炉の再循環ポンプの大破損(1989年1月)とか美浜2号炉の蒸気発生器伝熱管破断(91年2月)というような、大型の事故も目立つようになってきた。
また、これまでになかったような老朽化に起因すると考えてよい、原子炉容器本体や炉心構造に関連した大型の損傷もみられるようになった(たとえば、沸騰水型炉では福島Ⅰ-2でみられた炉心シュラウドの大きな亀裂、加圧水型炉では海外で多く認められ、日本でも発生が懸念される原子炉上部貫通管の溶接部の亀裂など)。 老朽化によって、材料や機器の性能の劣化が進行すると、地震の問題は別にしても、次のような二点でとくの安全上の問題が生じる。
その第一は、小さな事故・故障が重なり合って、大きな事故に発展するような機会が多くなることだ。
第二に問題となるのは、定期検査で発見されないような部分の損傷や亀裂、劣化が生じるという点だ。これは、LBB( leak before break=破断の前の漏れの段階で見つかる)の安全原則からの逸脱を意味しており、深刻な問題だ。
91年の美浜2号炉の蒸気発生器伝熱管破断など、この典型例である。 さて、原発にこのような老朽化が進行している状態で地震に遭うとどうなるか。
冒頭で述べてきたような耐震設計時の条件を満たす性能と比べると、実炉でははるかに劣化していると予想されるから、設計・施工にまったく問題がなくとも、実炉の耐震性は大いに疑わしい。
仮に破断寸前まで配管や機器の溶接部分の亀裂が発見されない状態にあったときに地震が起これば、一気に破断する可能性も大きいだろう。
耐震設計の有効性を大型模型を用いた振動試験で実証していると言われる多度津工学試験所(原子力発電技術機構)の試験でも、老朽化した装置が試験されているわけではない。 老朽化原発が大きな地震に襲われると、いわゆる共通要因故障(一つの要因で多くの機器が共倒れする事故)に発展し、冷却材喪失事故などに発展していく可能性は十分ある。
また、地震の時に原発がうまく止るかという問題もある。
現在はなるべく運転を維持したいという立場から、原発は一般に、震度5程度の揺れでは自動停止しないよう、運転条件が設定されている。
これはとくに沸騰水型原発では問題で、1987年4月に福島Ⅰ-1、2、3が、そして93年11月には女川1が地震によって停止したが、これは振動をキャッチしての停止ではなく、中性子束が異常に上昇したことによるものだった。
振動によって炉心の冷却水中の気泡(ボイド)が除去され、減速効果が増したことによるものだが、原子炉が停止したからよいと言ってはいられない。
もし、制御棒がうまく挿入されないような事態が重なれば、暴走事故にもなりかねないのである。
(『高木仁三郎セレクション』佐高信、中里英章 編 岩波現代文庫 2012年)