2021年10月30日土曜日

青空が広がって

今朝は気温が10度を切っていましたが
青空が広がり日向はポカポカしていました。
キンモクセイも開きだして甘い香りが漂っていました。
明日は、投票日ですね。
実は、入場券がまだ届いていません。
25日(月)に市選挙管理委員会へ電話をして入場券が届いていなくても投票できることを確認して
父と一緒に期日前投票に行きました。
(入場券がなくても運転免許証などがあれば投票できます)

父は、自民党支持なのですが、小選挙区に立候補者がいない。
棄権はしたくないので悩んである方に一票。
支持政党には、一票を入れましたが、今朝も麻生氏の北海道での温暖化発言に憤慨していました。
私も投票したいと思う方がいなかったのですが一票をある方に。
比例区は、まっとうなことを国会などで発信している政党に一票。
財務省改ざん 内部のやり取り分かる文書 不開示は不当と提訴」(関西NHK 10月29日)
このような隠蔽体質だから新型コロナへの対策も後手後手になっているし
麻生氏が政権にいる間は、開示に待ったをかけるでしょう。

麻生財務相 森友公文書改ざん問題「読者の関心あるの?」〟(毎日新聞 9月21日)
新型コロナ無症状4人に1人 容体悪化し肺炎に 和歌山県調査」(NHK関西 10月29日)

和歌山県は南海トラフ巨大地震を想定して取り組んでいることが新型コロナ対策にも活かされています。

スポーツ新聞などの選挙予想では維新が議席を3倍に伸ばすという報道もある。
関西の民放が府知事を出演させ、コメンテーターがよいしょしている番組を連日放送していたのだからありうると思う。
ポスターに「身をけずる改革」という言葉が書かれていました。
共産党のように政党助成金を受け取らないというのなら大したものだと思います。

以前は「大阪の成長を止めるな」だったと思いますが、
大阪は維新が府政・市政を担ってからも成長するどころか
衰退しているから引っ込めてしまったのではないかと思う。

産経新聞に「南海トラフ地震は2030年代にやって来る」(産経新聞 2021.01.21)とあるように和歌山県のように真剣に取り組むべきです。

危機感がないのは、2025年の夢洲(ゆめしま)を大阪万博会場にしていることに現れている。

2018年9月に台風21号によって関西国際空港が孤立したことを忘れていると思う。
大阪万博は2025年だから無事終わるかもしれない(自然界の時と人間の時間感覚とは大きく違うので…?)。
南海トラフ巨大地震のリスクをカジノ誘致に手を挙げている事業者は想定しているのかと思う。
南海トラフ地震で想定される震度や津波の高さ」(気象庁)
前から読んでみたいと思っていたのが
【与謝野晶子記念館】与謝野晶子からのメッセージ 」(さかい利晶の杜)

で紹介されている「感冒の床から」と「死の恐怖」なのですが

文豪と感染症 100年前のスペイン風邪はどう書かれたのか』に載っていました。
 与謝野晶子 

 1878年大阪府堺市生まれ。
『みだれ髪』『新訳源氏物語』など。
夫・鉄幹と共に『明星』の中心的存在であったロマン派歌人。
スペイン風邪の家庭内感染を経験する。
政府の対応の遅さや貧富の差で有効な解熱剤を打てないことを強く批判した。
1942年逝去。
『横浜貿易新報』1918年11月10日掲載
(『文豪と感染症 100年前のスペイン風邪はどう書かれたのか』永江朗 編著 朝日文庫 2021年)
  感冒の床から 

 今度の風邪は世界全体で流行(はや)って居(い)るのだと云います。
風邪までが交通機関の発達に伴(つ)れて世界的になりました。
 この風邪の伝染性の急劇なのには実に驚かれます。
私の宅などでも一人の子供が小学から伝染して来ると、家内全体が順々に伝染して仕舞(しま)いました。
(た)だ此夏備前(びぜん)の海岸へ行って来た二人の男の子だけがまだ今日まで煩(わずら)わずに居るのは、海水浴の効験(きゝめ)こんなに著(いちじる)しいものかと感心されます。
 東京でも大阪でもこの風邪から急性肺炎を起(おこ)して死ぬ人の多いのは、新聞に死亡広告が殖(ふ)えたのでも想像することが出来ます。
文壇から俄(にわか)に島村抱月(しまむらほうげつ)さんを亡(うしな)ったのも、この風邪の与えた大きな損害の一つです
 盗人を見てから縄を綯(な)うと云うような日本人の便宜主義がこう云う場合にも目に附(つ)きます。
どの幼稚園でも、どの小学や女学校も、生徒が七八分通り風邪に罹(かゝ)って仕舞って後(のち)に、漸(ようや)く相談会など開いて幾日(いくにち)かの休校を決しました。
どの学校も学校医と云う者がありながら、衛生上の予防や応急手段に就(つい)て不親切も甚(はなは)だしいと思います。
米騒動が起(おこ)らねば物価暴騰の苦痛が有産階級に解(わか)らず、学生の凍死を見ねば非科学的な登山旅行の危険が教育界に解らないのと同じく、日本人に共通した目前(もくぜん)主義や便宜主義の性癖の致(いた)す所だと思います。
 米騒動の時には重立(おもだ)った都市で五人以上集まって歩くことを禁じました。
伝染性の急劇な風邪(ふうじゃ)の害は米騒動の一時的局部的の害とは異(ちが)い、直(たゞ)ちに大多数の人間の健康と労働力とを奪うものです。
政府はなぜ逸早(いちはや)くこの危険を防止する為(ため)に、大呉服店(だいごふくてん)、学校、興行物、大工場、大展覧会等、多くの人間の密集する場所の一時的休業を命じなかったのでしょうか。
そのくせ警視庁の衛生係は新聞を介して、成(な)るべく此際(このさい)多人数の集まる場所へ行かぬがよいと警告し、学校医もまた同様の事を子供達に注意して居るのです。
社会的施設に統一と徹底との欠けて居る為に、国民はどんなに多くの避(さけ)らるべき、禍(わざわい)を避けずに居るか知れません。
 今度の風邪は高度の熱を起(おこ)し易(やす)く、熱を放任して置くと肺炎をも誘発しますから、解熱剤を服(ふく)して熱の進向を頓挫(とんざ)させる必要があると云います。
(しか)るに大抵の町医師は薬価の関係から、最上の解熱剤であるミグレニンを初めピラミドンをも呑(の)ませません。
胃を害し易い和製のアスピリンを投薬するのが関の山です。
一般の下層階級にあっては売薬の解熱剤を以(もつ)て間に合わせて居ります。
こう云う状態ですから患者も早く癒(なお)らず、風邪の流行も一層烈(はげ)しいのでは無いでしょうか。
官公私の衛生機関と富豪とが協力して、ミグレニンやピラミドンを中流以下の患者に廉売(れんばい)するような応急手段が、米の廉売と同じ意味から行われたら宜(よろ)しかろうと思います。
平等はルッソオに始まったとは限らず、孔子(こうし)も『貧しきを憂(うれ)いず、均(ひと)しからざるを憂う』と云い、列子(れつし)も『均(ひと)しきは天下の至理(しり)なり』と云いました。
同じ時に団体生活を共にして居る人間でありながら、貧民であると云う物質的な理由だけで、最も有効な第一位の解熱剤を服すことが出来ず他の人よりも余計に苦しみ、余計に危険を感じると云う事は、今日の新しい倫理意識に考えて確(たしか)に不合理であると思います。
   〇

 実在が動的経験の過程であると云う事を最も顕著に実感させるものは、戦争を中心とした世界最近の局面です。
複雑した種々(いろいろ)の理由からでしょうが、足掛(あしかけ)五年の間(あいだ)常に六七分(ぶ)の勝味(かちみ)を持って居た独墺(どくおう)側が、最近二三ケ月になって俄(にわか)に頽勢(たいせい)を示し、勃土(ぼつど)両国の降伏に次(つい)で墺匈国(おうきようこく)の瓦解、独逸(ドイツ)皇帝の退位要求までに急転直下したのは意外です。
ほんとうに世界は転動激変の中に在(あ)ります。
明日の局面はどうなるか、学者にも新聞記者達にも全(まつ)たく予測の附(つ)かないのが只今(たゞいま)の実状です。
(た)だ狂暴な戦争の終息(しゆうそく)する時が近づいて、平和克復(こくふく)の曙光(しよこう)が見え出したと云う事だけは何人(なんびと)にも予感されます。
 戦争からの解放、ああ何と云う嬉(うれ)しい事でしょう。
愛がどうの、正義がどうのと云った所で、罪悪の中の最大のものである戦争をして居る間は、人間は倫理と実行との矛盾の中に常に良心を裏切って居るのです、小善を幾(いく)ら積んでも大悪の贖罪にはなりません。
戦争が止(や)めばこの矛盾から免(まぬか)れる事が出来ます。
子供に対する家庭と学校の倫理も初めて後ろ暗い処(ところ)が無くなって、親も教師も良心の呵責(かしやく)を受けずに済みます。
『兵(へい)は詭道(きどう)なり』と孫氏(そんし)も二千年の昔に云いましたが、私達は茲(こゝ)に遅れ馳(ば)せながら戦争の非人道的、非文明的行為である事を真実に痛感しました。
戦争が大仕掛であった丈(だけ)に、世界人類の大多数の胸に染々(しみじみ)と戦争の害悪が認識されました。
(これ)が昔の戦争と異(ちが)う所で、もう之(これ)から後(のち)大多数の人間の承認を経ずに少数の権力者の専断で開戦すると云う乱暴な事の出来なくなったのは此度(このたび)の戦争のお蔭(かげ)だと思います。
 私は特に注意して今度の外国電報を読もうと思います。
講和がどう云う風にして実現されるか。
中欧と近東とに幾つの民主国が建設されるか。
民族自決主義と云う問題が何処(どこ)まで事実化されるか。
交戦各国の巨大な戦費がどうして整理されるか。
戦後に来(きた)ると予定されて居る世界の経済戦がどう云う風に進展するか。
永久の平和を保障する国際同盟が果(はた)して有効に成立するか。
出征(しゆつせい)の男子に代って占有した欧米婦人の職業がどの程度まで戦後にも婦人の手に維持されるであろうか。
私達婦人が男子と共に注視すべき大問題は続々(ぞくぞく)として発生しています。
是等(これら)は遠方の問題で無く凡(すべ)て私達日本人に影響する問題であるのです。
こう云う動揺の甚(はなは)だしい時代には、よく注意しないと、世界の新潮に取残(とりのこ)されて迂闊固陋(うかつころう)な人間になる恐れがあります。
 どの国でも、陸軍の軍人と云う者が馬車馬(ばしやうま)のように自分の専門以外の事を知らず、世界の文明に遅れて居る者ですが、独逸(ドイツ)はその軍人の蛮勇に誤(あやま)られて今度の戦争を起(おこ)し、そうして世界の憎悪を買って終(つい)に失敗しました。
独逸も墺匈国(おうきようこく)も今度は世界の文明に徹した聡明(そうめい)な国民自身の支持に由(よ)って復興するでしょう。
戦勝国の日本では独逸と反対に益々(ますます)軍人の勢力を加えるかも知れません。
私達は軍人の意見に妄従すること無く、私達の自我を以(もつ)て直接に世界の文明に接触し、批判し、取捨(しゆしや)せねばならないと考えます。
 序(ついで)に私は此欄(このらん)から原(はら)内閣の外相、内相及(および)、警視総監に御注意します。
日本の西比利亜(シベリア)出兵が一点の侵略的野心も無いことは言うまでも無いことですが、東京の電車の中の広告に『呑(の)むべしシベリアの野(の)。更(さら)に飲むべし櫻正宗(さくらまさむね)』とあるのは怪(け)しからぬ事では無いでしょうか。
それには馬上の軍人の絵までが附(つ)いて居ます。
市営の電車にこう云う広告を寛仮(かんか)して置く事は田尻(たじり)市長にも責任があると思います。(十一月七日)
(『文豪と感染症 100年前のスペイン風邪はどう書かれたのか』永江朗 編著 朝日文庫 2021年)

日本のその後進んだ道は、晶子の言葉に耳を傾けることなく破滅への道を突き進みました。
そして、スペイン風邪の教訓は、活かされることなく安倍・菅内閣の新型コロナへの対応となり、国民の血税がその場の思いつきで浪費されました。

この後に「死の恐怖」が載っています。
また、島村抱月が亡くなった後、松井須磨子が後を追って自死したことが「秋田雨雀日記」に書かれています。